丸山桂里奈さんの結婚から学ぶ 結婚による税金の課税関係

2020年9月5日、元サッカー女子代表でタレントの丸山桂里奈さんと元サッカー日本代表の本並健治さんが結婚を電撃発表しました。丸山桂里奈さんは天然キャラクターで人気ある一方で、本並健治さんはJリーグの発足当時のガンバ大阪のキーパーとして活躍されていました。

丸山桂里奈さんが37歳、そして本並健治さんが56歳という年の差19歳というのも驚きなのですが、個人的には本並さんがあのルックスで56歳というのが驚きでした。

さて、本題に入りますが、彼らは元プロサッカー選手である一方で個人事業主でもあります。結婚をすることにより税金の課税関係が変わることがあります。今回は、結婚と日本の所得税の関係を紹介します。

結婚による税制優遇といえば配偶者控除

 結婚により税金に影響があることで真っ先に思いつくのが、配偶者控除ではないでしょうか?この配偶者控除は、その年の12月31日の現況で、次の4つの要件のすべてに当てはまる場合に適用がされます。

  • 民法の規定による配偶者であること
  • 納税者と生計を一にしていること
  • 年間の合計所得金額が48万円以下であること
  • 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと

 ここでいう①の「民法の規定」は内縁関係の人は該当しないことを指します。③ですが、一般的には給与収入が103万円以下の方が該当します。103万円を超えても201万円未満までは、配偶者控除ではなく、配偶者特別控除が適用されることとなります。

 ただし、注意しなければならないのがあくまでも合計所得金額が48万円以下なので、副業や年金などで給与以外の所得がある場合には、適用が外れる可能性があるので、注意が必要です。

結婚により今まで経費になったものが経費にならなくなる可能性がある

 結婚により一定の要件が当てはまれば、配偶者控除が適用されることを紹介しました。その一方、結婚することにより、今まで経費になっていたものが結婚することで経費にならない場合があります。

 例えば、丸山桂里奈さんと本並健治さんがそれぞれ個人事業主として、丸山さんが選手として本並さんに対してトレーニングサポートとして契約をしていたとします。丸山さんが本並さんにサポートとして支払った対価は、原則として、丸山さんにとっては必要経費、本並さんにとっては、収入となります。

 そして、長年のサポートの甲斐もあって、二人が結婚しました(実際はスペランツァFC大阪高槻の監督と選手という関係で結婚です)。

 婚姻関係が生じた場合、このトレーニングサポートの対価は、それぞれの必要経費と収入にはならなくなるのです。これは所得税法56条の存在があるからです。

 この第56条は事業を営む納税者が、生計を一にする親族に対して、通常であれば事業所得の必要経費に算入できるような支払いをした場合について、以下の3つの効果を定めています。

  • その支払いは納税者の事業所得の計算上、必要経費に算入できないこと
  • 支払を受けた親族の所得の計算上、必要経費に算入すべきものは納税者の事業所得の必要経費に算入すること
  • 支払を受けた親族の所得の計算上、その収入と必要経費の支払いはなかったものとみなされること

 つまり、丸山さんと本並さんの二人の例を照らし合わせると、①に関しては、丸山さんが本並さんに支払ったサポート費用は必要経費にしてはいけません。

②に関しては、本並さんの所得を計算するうえで、サポートのためにかかった費用は丸山さんの事業所得に算入する。

そして③では、本並さんの所得の計算の上では、丸山さんからの収入やそれに係る必要経費はなかったものとすることになるのです。

青色事業専従者給与を適用することで必要経費にすることができる

 上記のような56条の存在があると、本並さんが丸山さんをサポートすることは税金上なかったものとみなされます。しかし、実際にサポートをした実績があるのに、収入や経費にならないのはおかしいですよね。その例外規定として所得税法57条の存在があります。

 生計を一にする配偶者またはその他の親族が青色申告事業納税者が経営する会社で働いている場合に一定の条件を満たすことで、配偶者またはその他の親族に支払う給与が必要経費として計上することができます。一定の条件は以下のとおりです。

  • 青色事業専従者に支払った給与であること
  • 青色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること
  • その年の12月31日時点で15歳未満でないこと
  • その年を通じて6か月以上、青色申告者のもとで働いていること
  • 青色事業専従者給与に関する届出書を納税地の所轄税務署長に提出していること
  • 支払金額は社会通念上、妥当であると認められる金額であること

この規定を丸山さんと本並さんで考えると、本並さんが丸山さんに雇われて一般的な給与を支給されていれば、給与として必要経費として認められます。ただし、お互いが個人事業主であれば、この規定を適用することは難しいでしょう。

まとめ

 今回は丸山桂里奈さんと本並健治さんの結婚を元に、結婚による税金の課税関係を紹介しました。日本の所得税は累進課税制度を採用しており、所得があがればあがるほど税金負担が高くなります。だったら、身内でお金を回して、所得を抑え低い税率を適用させようという租税回避を防ぐために設けられたのが所得税法56条なのです。

 本来必要な経費であれば、結婚により、必要経費になる、ならないは個人的には納得いかない部分はありますが、夫婦で個人事業主である場合には、上記のような課税関係に注意する必要があります。

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