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緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金の概要とは

2021-02-12

 2月10日に2021年1月に発令された緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛により、売上が50%以上減少した中小法人・個人事業者等に「緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金」を給付されることが経済産業省から発表がありました。

 この一時支援金の給付要件等は現段階(令和3年2月11日)時点では、引き続き検討・具体化しており、変更になる可能性がありますので、随時、経済産業省のホームページなどで最新情報をチェックしてみてください。

緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金の給付額

 この「緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金」の給付額は、前年(2020年)または前々年の対象期間の合計売上額から2021年の対象月の売上×3か月となり、中小法人等は上限60万円、個人事業者等は上限30万円となります。

なお、対象期間は1月~3月となり、対象月は対象期間から任意に選択することとなります。現段階では、具体的な計算例が発表されておりませんが、2月22日の週にこの一時支援金の詳細(申請要領・給付規定・Q&A)が公表されるようです。

持続化給付金の第二弾の位置づけですが、令和2年版に比べると、支援金額が大幅に縮小されたことがわかります。

緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金の給付対象

要件① 緊急事態宣言の影響を受けた業種

 緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金の給付対象ですが、2つの要件があります。

1つ目の要件ですが、現時点ではアバウトなニュアンスですが、緊急事態宣言に伴う飲食店時時短営業または外出自粛等の影響を受けた事業者は対象となり得ます。

例えば、飲食業はもちろん該当しますが、飲食業に関連する食品加工・製造事業者、調理器具の備品事業者、清掃などのサービス事業者も該当し、食品を生産する農家も該当します。

さらに、飲食業に関わらず、緊急事態宣言による外出自粛の影響を受けた業種も対象となるため、タクシーや運転代行などの旅客運送業者や美容院やマッサージ店などの主に対面で個人向けに商品・サービスの提供を行う事業者も該当します。

該当することを示すために飲食店時短営業または外出自粛等の影響を示す証拠書類の保存が必要となります(営業許可証や営業時間を示す書類の保存など)。

要件② 2019年または2020年に比べ売上が50%減したか

2つ目の要件ですが、2019年比または2020年比で、2021年の1月、2月または3月の売上が50%以上減少した事業者となります。

持続化給付金の場合は、業種問わず、2020年の任意の月で前年比50%減少月があれば対象となり得ましたが、「緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金」では業種が限定的かつ対象月も1月から3月までと限定されているため、申請のハードルが一気にあがったといえます。

 

緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金の事業確認とは?

 前回の持続化給付金は誰もが該当すれば、各自でホームページ上で申請することが可能でした。

今回の「緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金」では、多発した不正受給や一時支援金を誤って受給してしまうことを防ぐため、申請予定者が、事業を実施しているのか、一時支援金の給付対象等を正しく理解しているかなどを専門家による事業確認を要することとなりました。

 事業を実施しているのかの確認は、2019年及び2020年の確定申告書、2019年から2021年対象月までの毎月の売上台帳、帳票類及び通帳などで確認します。

 一時支援金の事業確認機関は、認定経営革新等支援機関、同機関に準ずる機関、その他特定の機関・有資格が行うこととなります。一時支援金の事業確認機関には税理士も含まれることとなります。

 

最後に

 今回の「緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金」は持続化給付金に比べ、支援金額が少なくなったにも関わらず、申請のためのハードルが一気にあがりました。山本聡一郎税理士事務所では、一時支援金の事業確認機関に登録する予定ですので、専門家による事業確認を相談したいなどの要望があれば、無料相談も実施しておりますので、お気軽にお声がけください。

今さら聞けない!?確定申告の仕組みとは?

2021-01-05

あけましておめでとうございます。新型コロナウイルス感染症の1年で終わった令和2年も終わり、令和3年となりました。

新年を迎えると僕ら税理士業界は年末調整業務から確定申告業務へと、本格的な繁忙期へと入ります。ところで、確定申告という用語は聞いたことはあるけれども、そもそも確定申告は何をするのか、そして自分は対象なのか?という疑問を持つ方もいるかもしれません。今回は今さら聞けない、確定申告の仕組みをお伝えします。

そもそも確定申告とは!?

確定申告とは、1年間の所得を申告して納付すべき税額を確定する手続きです。サラリーマンの方は、そんな手続き今までしたことないけど・・・と思われたかもしれません。会社員の方は勤務先で年末調整をするので、通常は確定申告の必要はありません。しかし、年末調整では対象とならない控除もあるのです。

また、一定の条件に当てはまる人は、会社員であっても確定申告をする義務があります。下記が確定申告をしなければならない人の一例です。

確定申告をしなければならない人

  • 給与が年間2000万円を超えている
  • 2か所以上から給与をもらっている
  • 副業の所得が年間20万円以上ある
  • 不動産所得がある
  • 兼業農家である

確定申告をすることで戻ってくる税金がある

年末調整では対象とならない控除の代表的なものが住宅ローン控除の最初の年です。2年目以降は年末調整でできますが、1年目は自分で確定申告の手続きが必要となります。この住宅ローン控除はサラリーマンの方にとって最強な節税方法であり、高額な税金が還付されます。

また、入院など高額な医療費がかかった人、退職して年末調整ができなかった人なども確定申告を行うことで税金が戻ってくる可能性があります。医療費控除ですが、10万円以上かからないと控除できないから意外とハードルが高いと思われがちですが、2017年からセルフメディケーション税制が創設され、健康診断などを受けたうえで特定の市販薬を購入した場合、年間1万2000円を超える部分を所得から控除できるようになりました。禁煙などのパッチやガムも対象となるので、禁煙をしようと考えている人は利用すれば控除される可能性があります。確定申告をすることで税金が戻ってくる可能性がある人の一例もまとめてみました。

確定申告をすると税金が戻ってくる可能性がある人

  • 自宅を住宅ローンで買った
  • 自宅を省エネ、耐震、バリアフリーに改修した
  • 退職して再就職しなかった
  • 高額な医療費がかかった
  • 災害や盗難の被害にあった
  • 寄附をした

個人事業主はお得な青色申告で納税できる

会社員とは異なり、個人事業主は毎年、自分で確定申告を行うことで所得税額が決まります。1年間の売上から必要経費を差し引き、事業所得を算出し、さらに自分に当てはまる控除(社会保険料控除・生命保険料控除・扶養控除など)を引いて課税所得を出します。その課税所得に税率を掛けた金額が所得税額となります。

個人事業主は青色申告の利用でさらなる節税ができる

個人事業主の場合、申告の方法は2種類あります。青色申告と白色申告です。税金を安くしたいなら、様々な特典のある青色申告がおすすめです。青色申告の場合、白色申告に比べ、帳簿付けをしっかりしなければなりませんが、それでも、10万円または55万円(e-taxなどの電子申告により申告した場合65万円)の特別控除を受けられるので、その分、税金が安くなります。

また、青色申告は赤字を翌年以降に繰り越せるので、翌年以降の利益を相殺することができ、税金が安くなるなどの特典があります。青色申告を利用するためには事前申請が必要となるので、青色申告を利用する場合には予め、申請するようにしましょう。

さいごに

 今回は、確定申告の仕組みについて紹介をしました。個人事業主の方は確定申告を行う前に、事業所得の計算をしなければならないという大きなハードルがあります。適当に計算したことにより、後々、税務署からの税務調査などにより、本来、払わなくてもよい追徴課税を支払わなければならない可能性もあります。

 個人事業主になったはいいけれども、確定申告が不安だと思われている方は、山本聡一郎税理士事務所では無料相談を実施しているので、お気軽にご相談ください。

所得税確定申告の青色申告特別控除が減額!?令和2年の改正点とは

2020-11-30

 11月が終わり、令和2年も12月を残すだけとなりました。12月に入るとサラリーマンの方は年末調整、個人事業主の方やフリーランスの方は令和2年度分の確定申告を意識する方も少なくないでしょう。

 毎年、税制改正が行われ、令和2年度分の所得税の確定申告も大きく変わります。令和2年度以後の確定申告がどのように改正されるのか多くの方に影響ある改正を中心にお伝えします。

電子申告しないと青色申告特別控除が55万円に下がる!?

 個人事業主やフリーランスの方が申告する事業所得には、青色申告と白色申告という方法があります。

 この大きな違いは、白色申告に比べ、青色申告にはたくさんの特典が準備されています。例えば、青色申告特別控除(最高65万円)や青色事業専従者給与があるほか、事業が赤字になったときの救済策も手厚くなっています、青色申告を選択することが、個人事業主にとって一番身近な節税策といえます。

 なお、白色申告から青色申告に変えたいときは、その年(令和3年分の確定申告であれば、令和3年)の3月15日までに税務署に「所得税の青色申告承認申請書」を提出する必要があります。

 令和2年は青色申告特別控除について改正があり、e-Taxの方法で申告しないと、従来の65万円ではなく、55万円の控除となるので、注意が必要です。令和2年以前は税務署への持参・郵送での提出でも65万円の控除が適用されましたが、65万円の適用を今後も受けるためには、パソコンやスマホを用いて申告を行う必要があります。パソコンなどが苦手な方にとっては酷な改正となります。

すべての人が対象となる基礎控除が38万円から48万円に引き上げ

 すべての人が対象となる基礎控除が10万円引き上げられ、48万円になりました。ただし、合計所得が2,400万円を超えると、下図のように控除額が段階的に減っていき、2,500万円を超えると控除額がゼロ円となります。

 したがって、合計所得が2,400万円以下の人は減税となりますが、2,400万円を超える人は増税になるという改正です。

給与所得控除額が一律10万円引き下げと所得金額調整控除の創設

 サラリーマン・アルバイト・パートの方が対象となる給与所得にも改正があります。年収850万円以下の方は、給与所得を計算する際に年収から引くことができる給与所得控除額が一律10万円引き下げられ、年収850万円超の方は給与所得控除額が195万円となります。

 一見、給与所得のすべての方が増税と思われがちですが、上述の通り、給与所得控除が10万円引き下げになる一方で、基礎控除が10万円引き上げられるので、年収850万円以下の人は実質、改正の影響はありません。

 850万円超の方は、給与所得控除額が195万円の頭打ちになる一方で、子育て世帯や特別障害者のいる世帯は、「所得金額調整控除」が設けられました。

 給与所得控除が一律10万円引き下げられたことで、従来の扶養控除、配偶者控除、配偶者特別控除の適用のバランスをとるために、扶養控除、配偶者控除、配偶者特別控除の対象となる家族の合計所得が10万円引き上げられました。ですので、今まで、控除を受けることができた人が、改正により適用できないということはありませんので、安心しましょう。

まとめ

 令和2年以降の確定申告・年末調整は例年に比べ、大幅な改正となりました。個人事業主の方にとっては、e-Taxを利用することで、基礎控除が10万円引き上げすることから、実質、減税になります。

 一方で、給与所得者で850万円超の方は、給与所得控除の改正により上限が195万円に改正、合計所得が2400万円超の人は、基礎控除額が段階的に下げられることから高所得者の方にとっては、増税となるといえます。

 山本聡一郎税理士事務所では、所得税の確定申告はもちろん、すべての申告・申請において、e-Taxにて対応をしております。今まで、税務署に持参・または郵送で提出していた方でe-Taxにて電子申告をしてみたいという方は、無料相談を実施しておりますので、ぜひご相談ください。

サラリーマンが適用できる税金の控除は10種類以上

2020-10-19

税金は我々の生活を豊かにするために必要となる資金の財源です。だからこそ、節税することはやましいことではないかとイメージを持つ人もいるかもしれません。よく有名人が税金を納めなかった、有名企業が、税金を少なく納めていたというニュースを耳にしますが、彼らは納めるべき税金を納めなかっただけです。

税法にしたがって適切な計算で本来受けられるはずの控除を踏まえて税金を安くすることは、決して悪いことではありません。この節税は個人事業主や法人だけと思われがちですが、サラリーマンの方でも節税することができます。今回はサラリーマンでもできる税金を減らすための節税控除を紹介します。

節税は個人事業主や法人だけの特権ではない

節税と聞くと対象は個人事業主や法人の自営業者の人だけと思われがちですが、大きな間違いです。健康保険料や厚生年金、国民年金などの年金保険料の大幅なカットは難しいですが、各種控除と呼ばれる会社員の経費のような金額を差し引くことで税金を抑えることができます。

サラリーマンが所得税や住民税を賢く抑えるためには、会社員なら各種控除を活用していていることが前提となります。活用し、所得を小さくすることで、課税金額もより少なくなります。つまり、サラリーマンの節税は課税所得を少なくするために控除額をいかに増やすかが重要となります。

サラリーマンが適用できる税金の控除は10種類以上もある

上述のようにサラリーマンが節税するうえで控除額をいかに増やすことが重要です。では、どれくらいの控除の選択肢があるかというと10種類以上もあり、かなり豊富です。具体的な控除項目は以下の通りです。

①基礎控除

 確定申告をするすべての納税者が対象となる控除です。控除額は原則48万円となります。

②社会保険料控除

 健康保険や厚生年金などの保険料です。基本的にサラリーマンであれば会社から自動的に控除されます。なお、給与所得をもらっている本人だけでなく、生計が同じ家族の社会保険料も対象となります。

③配偶者控除

 給与収入が103万円以下の妻や夫がいれば、38万円の控除額となります。また、年齢が70歳以上であれば48万円です。

④扶養控除

 所得金額が38万円以下の16歳以上の子どもや親や祖父母が対象となります。

⑤雑損控除

 災害、盗難、横領による損害の一部が対象となります。しかし、詐欺や横領などの被害は対象とはなりません。

⑥障害者控除

 納税者や扶養している人が障害者の場合は最大75万円の控除額となります。

⑦医療費控除

 年間10万円または所得金額の5%以上の医療費は超過分が控除対象となります。なお、医療費控除は年末調整ではなく確定申告が必要となります。

⑧生命保険料控除

 生命保険、個人年金保険、介護医療保険などそれぞれの保険料を一定額控除することができます。

⑨地震保険料控除

 控除額5万円を限度に地震や噴火、津波を原因とする火災の保険が対象となります。

⓾寄付金控除

 ふるさと納税等の寄付をした場合は、所得の40%を上限に控除の対象となります。寄付金控除も、医療費控除と同様に年末調整ではなく確定申告が必要となります。

⑪寡婦・寡夫控除

 配偶者と死別や離別している合計所得が500万円以下の人が対象となります。

まとめ

 サラリーマンの方は所属している会社により年末調整を行うことで納税額が確定されます。よって、今年度はいくら納税したか、個人事業主や法人の経営者に比べて、納税の意識が低いと思われます。

 しかし、納税意識を高めることで、納めなくてもよい税金を増やすことができます。年額としては、少額かもしれませんが、塵も積もれば山となります。サラリーマンの方であっても節税の意識を高めていきましょう。

事業を始めるなら個人事業主から?それとも法人設立?

2020-10-12

 税理士として質問を受けるなかで多いのが事業を始めるうえで、個人事業主からスタートすべきか、法人を設立すべきか?これから事業を開始していこうと考えている人からよくこの質問を受けます。

 この答えとして、そのクライアント様の状況を聞きながら、回答はまちまちですが、これから事業を開始していこうと考えていく人にとっての最初の悩みかもしれません。今回は、事業をこれから始めていくなら個人事業主か法人を設立していくべきなのかを考えていきます。

とりあえず事業を始めたいなら個人事業からスタートすべき

 いいアイデアがあるから事業をスタートしたいと考えているのであれば、株式会社または合同会社にしなければならないという、しがらみが無ければ、個人事業からスタートすべきとご回答しています。理由としては、個人事業であれば、とりあえず、税務署に「個人事業主の開業届出」を提出するだけで、事業をスタートすることができます(厳密に言えば、「個人事業主の開業届出」の提出は必須でありません)。法人設立に比べれば、圧倒的にスピードが速く、コストをかけずに事業を開始することができます。

 一方、法人設立となると、定款作成や法人設立登記が必要となり、約2~3週間の期間を要します。また、法人設立するためには、登記するための費用がかかり株式会社であれば印紙代などの登記費用が20万円ほど、合同会社であれば6万円ほどかかります。さらに司法書士の専門家に依頼するとなると上記の費用にプラス5~10万円ほどの報酬が必要となります。

 このように考えますと、事業を開始するうえで圧倒的にハードルが低いのは個人事業だといえます。

事業を廃業するうえでも個人事業主の方が圧倒的に楽

 これから事業を開始する人にとって、酷な話かもしれませんが、事業をスタートして1年後に約3割の事業が廃業に追い込まれています。廃業に追い込まれる理由は様々ですが、事業を開始するうえではこの廃業するリスクも考える必要があります。

 法人を設立して、廃業をしなければならない場合、多くの手続きが必要となります。詳細は割愛しますが、大まかな分類すると法人の解散登記、そして、清算結了登記が必要となり、それぞれのタイミングで税務申告も必要となります。

 登記するということは、登記するうえでも登記費用がかかりますし、司法書士にお願いするとなるとさらなる報酬がかかることとなります。つまり、法人を開始するうえでも廃業するうえでも費用がかかります。

 一方、個人事業主の場合は、税務署に「個人事業主の廃業届出」を提出し、その年度の所得税の確定申告を行うことで、税務などの手続きは完了します。

まとめ

株式会社の方が個人事業よりも信用力があるという意見もありますが、会社法の改正前は、株式会社を作るうえで最低1,000万円必要でしたので、株式会社はそれなりの信用力があったのかもしれません。

しかし、会社法の改正後は資本金1円で株式会社を作成することができ、その当時はニュースでも話題になっていたことを覚えています。そのように誰でも株式会社を作ることができる今、ひと昔ほど前よりも信用力が落ちたといえます。

 ですので、事業を始めるときは、背伸びをせず、まずは、個人事業主からスタートすることをおすすめします。事業をはじめ、事業が軌道に乗り始めてから法人成りを検討しましょう。

 山本聡一郎税理士事務所では、個人事業主から事業をスタートした方に法人成りのシミュレーションサービスを実施しております。法人成りをしたら、個人事業主にはないメリットがある一方で、デメリットもあります。いつ法人成りすべきか共に考えていきましょう。

 

創業時に付き合いを考えるべき日本政策金融公庫とは?

2020-10-05

以前、事業を行う際に金融機関の選び方が重要であることを記事でまとめました。

創業時に選ぶべき金融機関とは

数多くある中の金融機関からお付合いする金融機関を選ぶのは大変ですが、創業時に付合いを考えるべき金融機関の一つとして、日本政策金融公庫があげられます。今回はなぜ創業時に日本政策金融公庫との付き合いを考えるべきかを紹介します。

創業時に融資を受けることができない理由とは

 そもそも、なぜ創業時に融資を受けることが難しいのでしょうか?それは創業時では経営判断をする材料が少ないこと、デフォルト(貸したお金が返ってこないこと)の確率が高いためです。

 当たり前のことですが、金融機関にとって、貸したお金がしっかりと返ってくることが重要です。よって貸し倒れのリスクが高い企業には貸したいと思わないのは当然です。

 中小企業白書でも、創業後間もない企業は生存率が低い、つまり倒産するリスクが高いということは実証されています。よって、創業時は多くの金融機関が創業企業にお金を貸したがらないのです。

創業時の基本的な資金調達先の日本政策金融公庫とは?

とはいえ、創業企業においても融資が必要となるケースはあるでしょう。そこで力になってくれるのが「日本政策金融公庫」です。

「日本政策金融公庫」という金融機関は一般の方々にとってはなじみのない金融機関かもしれません。それはそのはずです。民間の金融機関と違い預金を取り扱っていないからです。

「日本政策金融公庫」とは、国の政策のもと民間の金融機関の補完を行う金融機関で、起業家にとって基本的な資金調達先のひとつです。日本政策金融公庫は、国民一般向けの国民生活事業、中小企業向けの中小企業事業、農林水産事業者向けの農林水産事業、そして、今回の新型コロナウイルスのような大規模災害等が生じた場合において対応する危機対応等円滑化業務から構成されています。

創業小口なら日本政策金融公庫の国民生活事業

 日本政策金融公庫の国民生活事業は民間金融機関の手が届きにくい小口融資や創業融資を得意としており、1社あたりの平均融資残高も銀行や信用金庫等と比較して少額となっています。

 創業間もない企業のように事業実績がない創業者や女性、若者、シニアの経営者について、特別金利等を適用するなどして、積極的に融資を行ってくれる傾向があります。

 さらに、国が特に発展させたい地域などに本店を置いている会社には、優遇金利が適用される制度もあり、商工会議所・商工会と連携し、小規模事業者経営改善資金(マル経融資)を行っていることも、政府系金融機関ならではといえます。

起業時に検討すべき「新創業融資制度」

 創業前後の会社が資金調達する場合は、日本政策金融公庫が行う「新創業融資制度」が圧倒的におすすめです。

 「新創業融資制度」の大きな特徴は、無担保・無保証で最大3000万円の融資が受けられる点です。一般的に検討される銀行融資も一つの手段ですが、起業直前に十分な自己資金や必要な担保を準備することは容易ではありません。

 「新創業融資制度」は、適切な事業計画書が作成されていることを条件に、原則無担保・無保証で融資を受けることができ、金利も一般的な金融機関に比べて低く(2%前後)で設定されています。 

 ちなみに私も税理士事務所の開業時にこの「新創業融資制度」を利用させていただいています。一般的に税理士事務所は、初期資金を必要としない業種ですが、日本政策金融公庫から融資を受けるために、何を準備し、どのように事業計画を作るのかのノウハウを得るために利用させていただいたことと、創業時にある程度の心のゆとりを得るために融資を受けました。その経験を活かし、創業融資のサポートをさせていただいているので、「新創業融資制度」の利用を考えている方はぜひ「山本聡一郎税理士事務所」にご相談ください。

税理士を変える新型コロナの副産物のテレワーク

2020-09-28

政府は2021年度からテレワークで東京の仕事を続けつつ地方に移住した人に最大100万円を交付する政策を検討しています。21年度予算の概算要求に地方創成推進交付金として1000億円を計上しました。

また、地方でIT関連の事業を立ち上げた場合は最大300万円を支給することとしており、新型コロナウイルスによる働き方の変化により、地方の活性化につなげるようです。このように、今、日本ではデジタル庁が発足するなど、IT技術を生活に取り入れることに力を入れています。今後ますます普及するテレワークについて、考えていきます。

新型コロナウイルス対策の副産物で生まれたテレワーク

新型コロナウイルスの影響により、多くの企業の業績に打撃を与える一方で、副産物として新しい生活様式の普及がしました。その中の一つが働き方の見直しではないでしょうか。

緊急事態宣言のさなかでは、外食することに対して自粛することが求められたことからオンライン飲み会が普及しました。

働き方にも大きな変化があり、新型コロナの感染拡大により、企業のオフィスに行かず自宅でのテレワークする人も増えました。

政府は21年度以降、地方公共団体が住民のテレワーク環境を整えるための交付金制度も新設し、その費用の最大4分の3を助成するために、21年度予算の概算要求に関連費を150億円計上します。このように、テレワークは新型コロナウイルス対策のみならず、今後の地方活性化への役割へと変化しつつあります。

新型コロナの影響で税理士事務所にもテレワークの波が訪れる

私も独立する前に勤務していた会計事務所においても、緊急事態宣言が発令していたときは、自宅でのテレワークを実施していました。

通常、会計事務所というのは、申告書や帳簿を扱うなど多くの書類を取り扱うため、一見、テレワークには不向きな業種と思われます。しかし、現在は、会計Freeeなどのクラウド会計の普及や、データもGoogle Driveに保管するなど、業務を見直すことで会計業務を通常通り行うことができています。

また、クライアント様との打合せもZOOMなどの遠隔会議システムを用いて、行うことにより、新型コロナウイルス対策で、対面での打合せを避けたい方や遠方のお客様とのやりとりがスムーズにできています。

私見ですが、ZOOMでは、画面をとおして顔を合わせることのみならず、パワーポイントのスライドやPDFなどの資料を互いに共有することができることから、実際にお会いするよりも打合せがスムーズに進めることができるのではないかと考えています。

税理士事務所は地域密着型から全国対応の時代へ

 今までの税理士事務所は地域密着型が多く、多くのクライアントも同じ地域内で密集する傾向がありました。その理由としては、帳簿作成のための資料のやり取り、試算表や決算報告のため、遠方での対応が難しい傾向があったからです。

 IT技術の発達によるクラウド会計やクラウドストレージ、そして遠隔会議システムの普及により、某アイドルグループの会えるアイドルではなく、会えなくてもいい税理士事務所へと変化しつつあり、特定の地域のみならず全国対応への時代へと変化するのではないかと考えます。

 では、すべての会計事務所が全国対応へシフトできるかというとそこはハードルが高いのではないでしょうか?その理由としては、税理士の平均年齢が65歳超と高齢化な業界であることからIT化の導入を積極的に行うことが難しいからです。クラウド会計の導入や遠隔会議システムなど、既存のソースを変更する必要があることから、比較的、安定業種である税理士事務所が変化を好むことはないと考えられます。

まとめ

政府の動きから、新型コロナウイルスの蔓延が終息しても、テレワークの普及は今後進んでいくのではないかと考えられます。税理士事務所もテレワークの仕組み作りを導入しているところはまだまだ少ないですが、今後、普及していくのではないかと考えられます。

山本聡一郎税理士事務所は、設立から間もない事務所ですが、だからこそ、クラウド会計やZOOMなどでの打合せを積極的に導入し、名古屋地区のみならず、全国対応でサポートをさせて頂いています。クラウド会計を導入してみたいなど考えている方は、ぜひご相談ください。

新型コロナ禍における信用保証協会による融資制度

2020-09-25

日本政府は新型コロナウイルス感染症の経済に対する影響を最小限に抑えるため、様々な支援策を講じています。その中でも持続化給付金が注目されているのではないでしょうか?しかしながら、事業の継続を考えると給付金のみでは心もとないでしょう。

今回は、新型コロナ禍における信用保証協会による融資制度を紹介します。

信用保証協会とはどんな組織?

 信用保証協会とは、信用力の低い中小企業や起業家の信用を補完する役割を持っています。万が一、中小企業が返済できなくなってしまっても、代わりに信用保証会が金融機関に返済をしてくれますので、金融機関も安心して融資することができます。

 信用保証協会は各都道府県にあり、市単位で信用保証協会を持つ自治体もあります。例えば、名古屋市です。名古屋市にある中小企業は名古屋市信用保証協会と愛知県信用保証協会のどちらも利用することができます。

 申し込むときは、一般的には金融機関経由で申し込むこととなります。各金融機関に信用保証協会の申込書類があるので、そちらを記入することとなります。金利補助や保証料減免が受けられる制度融資を使う場合は、自治体の斡旋書を合わせて提出することとなります。

民間金融機関による保証協会の保証付き融資

セーフティネット保証融資4号(前年同月比、売上20%減)

突発的事由(今回の新型コロナウイルスを含む)により、経営の安定を図ることが難しい中小企業者への資金供給の円滑化を図るため、信用保証協会が、通常の保証限度額とは別枠で借入債務の100%を保証する制度です。

対象となる中小企業者は以下のいずれにも該当する者です。

  • 指定地域において1年以上継続して事業を行っている者
  • 災害の発生に起因して、当該災害を受けた後、原則として最近1ヶ月以上の売上等が前年同月比に比して20%減少しており、かつ、その後2か月を含む3か月間の売上高等が前年同期に比して20%以上減少することが見込まれること(売上高等の減少について、市区町村長の認定が必要となります)

セーフティネット保証融資5号(最近3か月間の売上高等が前年同月比5%減)

 売上高などが減少している中小企業・小規模事業者の資金繰り支援措置として、信用保証協会が一般保証とは別枠で融資額の80%を保証する制度です。

 令和2年5月1日より一部例外業種を除く原則全業種の人が利用できこととなりました。

 対象中小企業者は業況の悪化している業種に属する事業を行う中小企業者であって、経営の安定に支障が生じていることについて、市区町村長の認定を受けた中小企業者が対象となります。

危機関連保証制度(前年同月比 売上15%減)

 危機等で実際に売上高が減少している中小企業者を支援するための措置です。対象となる企業者は次のいずれにも該当する中小企業者(個人事業者含む)が対象です。

  • 金融取引に支障をきたしており、金融取引の正常化を図るために資金調達を必要としている者
  • 新型コロナウイルス感染症に起因して、原則として、最近1か月間の売上等が前年同月比で15%以上減少して、かつ、その後2か月間を含む3か月間の売上高等が前年同月比で15%以上減少することが見込まれていること

民間金融機関における実質無利子融資

セーフティネット保証融資4号・5号、危機関連保証のいずれかを利用した場合、以下の要件を満たせば保証料・利子の減免が受けられます。

個人事業主 売上5%減・・・保証料ゼロ・金利ゼロ

小・中規模事業者 売上5%減・・・保証料1/2

小・中規模事業者 売上15%減・・・保証料ゼロ・金利ゼロ

 一般保証、セーフティネット保証(4号・5号)、危機関連保証3つの枠をすべて使うと、8億4000万円の借入が可能となります。また、セーフティネット保証(4号・5号)、危機関連保証は、売上減などの一定要件を満たせば、「信用保証付き融資における保証料・利子減免」を利用することができ、4,000万円までの当初3年の利子が補給されたり、保証料の負担がゼロ、または1/2になります。

 どの融資を利用すればよいかなどの相談や申込は、近くの信用保証協会、金融機関に連絡しましょう。

税理士ができる持続化給付金の申請のサポート

2020-09-23

 新型コロナウイルス感染症の影響により、中小企業や個人事業主の売上や事業継続そのものに多大な影響を与えています。日本政府がコロナウイルスの影響のための経済政策の目玉は、なんといっても持続化給付金だと思います。

 今回は、税理士として持続化給付金を得るためにサポートできることをお伝えします。

新型コロナウイルスの経済対策の目玉 持続化給付金とは

持続化給付金は新型コロナウイルスの感染拡大により、特に大きな影響を受けた事業者に対して、事業の継続のための運転資金、または事業再開に向けての立て直し資金として、事業全般に広く使うことができる給付金です。

給付額は、前年の売上からの減少分が上限とはなりますが、法人200万円、個人事業者は100万円となります。申請可能期間は、令和2年5月1日から令和3年1月15日までとなります。

支給の対象ですが、大企業を除く多くの業種が対象で、青色事業者であれば、新型コロナウイルス感染症の影響により、売上が前年同月比で50%以上減少していれば支給の対象となります。

また、令和2年度の二次補正予算での対象拡充により以下の事業者も持続化給付金の対象となっています。

  • 主たる収入を給与所得や雑所得で申告した個人事業者

業務委託契約等に基づく業務の発注元が発行した源泉徴収票や支払調書などの収入や事業の実態を確認できる書類が必要

  • 2020年1月1日~3月31日までに創業した事業者

新型コロナウイルス感染症の拡大後の任意のひと月の事業収入が1月~3月までの平均売上高より50%減少している場合

持続化給付金を申請するうえで税理士がサポートできること

持続化給付金を申請するうえで税理士のサポートがあるかないかで大きく変わります。特にサポートが必要となるのが、法人であれば、対象月の属する事業年度の直前の事業年度(原則2019年度)の確定申告書別表一と法人事業概況説明書の作成となります。個人事業者であれば、2019年分の確定申告書第一表の控えとなります。

2020年9月度時点では、個人事業主の場合、2019年度の確定申告期限は4月17日以降の提出であっても、申告期限の延長の取り扱いをしています。

上記の資料は、普段、顧問税理士がいる場合には、簡単に準備をすることができると思います(税務申告を行う上で必ず必要な書類となるため)。

個人事業主の方の場合、今まで、確定申告をしっかりとやってこなかったという人もいるかもしれません。そのような方が突然、確定申告書を作成しろと言われるとなかなか作成できないのではないでしょうか?そのような時こそ、税理士に確定申告の作成を依頼すべきかと考えます。

なお、税理士は有償で持続化給付金の代行申請を行うことができません。有償で行うことができるのは行政書士のみです。しかし、持続化給付金の申請はものすごく簡単です。わざわざ、士業に頼まなくても自力でできると思いますので、チャレンジしてみましょう。

持続化給付金の2020年開業の特例においては税理士の証明が必要

冒頭でお伝えした通り、令和2年度の二次補正予算での対象拡充で、2020年1月1日~3月31日までに創業した事業者も対象となりました。

申請の際に、持続化給付金に係る収入等申立書の提出が求められており、その書類が請求書や支払明細をもとに作成されているかチェックするために、税理士から証明を受けたことを示さなければなりません。

もちろん、顧問税理士がついている方であれば、ハードルは低いですが、顧問税理士がついていない方にとっては、大きなハードルになるかと思います。2020年開業の特例を利用したい方は、山本聡一郎税理士事務所にご相談を頂ければ、ご対応をさせて頂いております。税理士の中には、20%など法外的な手数料を取る人もいますので、慎重に選んでください。

まとめ

持続化給付金の申請は、一時のピークに比べ、だいぶ落ち着いてきたかと思います。事業者の中には、自分は申請の対象にはならないだろうと勝手に諦めている人もいますが、まずは、対象になるか否かご相談ください。山本聡一郎税理士事務所では無料相談も実施しています。一人で諦める前にまずはご相談ください。

新型コロナの影響を受けたらやるべき資金繰り対策の仮決算とは

2020-09-16

令和2年9月に入り、新型コロナウイルスの影響により先行き不透明感がましてきました。個人事業主の方の中には、8月に消費税の中間申告の納付書が突然届き、思わぬ支払で戸惑ってしまった方も多いのではないでしょうか?

新型コロナウイルスの影響により、売上が激減してしまった方は仮決算を組むことに中間消費税の納付額を減らすことができる可能性があります。

今回は消費税の仮決算について紹介をいたします。

中間消費税はどのように決まるのか?

 今まで、毎年消費税を払っていたのに、今年になって初めて中間消費税の納付書が届いた!昨年は中間消費税を支払ったのに、今年は届かなかったという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 中間消費税の支払は一定のルールに基づいて発生します。

消費税の中間申告は直前の課税期間の確定消費税額によって、発生の有無が決まります。直前の課税期間の確定消費税額という聞きなれない言葉がでてきましたが、簡単に言ってしまえば、個人であれば前年に支払った確定消費税額・法人であれば前事業年度に支払った確定消費税額となります。

上図の通りに、直前の課税期間の確定消費税額が48万円以下であれば中間消費税は発生しません。48万円超から400万円以下の場合は、直前の課税期間の確定消費税の6/12つまり半額を中間申告として支払うこととなります。400万円超から4,800万円以下の場合には、前年の課税期間の確定消費税の3/12の金額を中間申告で年3回、そして、4,800万円超の場合は前年の課税期間の確定消費税の1/12の金額を中間申告で年11回支払うこととなります。

さらに確定消費税額ですが、これは国税の部分の7.8%の金額を指します。消費税は10%ではないの?と考えた方もいると思いますが、普段私たちが支払っている消費税というのは、国税の消費税7.8%+地方税の消費税2.2%を支払っています。余談ですが、軽減税率の場合は国税の消費税6.24%+地方税の消費税1.76%となります。

国税の部分で48万円超えるか否かで中間消費税が発生するか決まるのですが、国税に係る消費税をいくら払っているか分からない人も多いかと思います。そこで前年の消費税(地方消費税も含む)に置き換えた表も準備しましたので、ご参考にしてください。なお、計算を簡略化するため軽減税率はなかった前提としておりますのでご容赦ください。

つまり、前年の支払った消費税額が約60万円を超えたあたりから中間消費税が発生するという認識があれば大丈夫かと思います。

中間消費税の申告・納付方法

 中間消費税の計算方法は分かったけれども、中間消費税の納付金額が前年に支払った消費税額によって決まってしまうから、今更ジタバタしてもしょうがないのでは?と思われた方もいるはず。中間消費税の納付税額の算出方法は2種類あります。「予定申告方式」と「仮決算方式」です。なお、中間法人税も同様の方式となります。

 一般的に用いられる「予定申告方式」は、上述のとおり、前年に支払った消費税額を基に中間消費税を計算する方法となります。税務署から納付金額が予め記載された納付書が送られてきますので、それを支払ったと同時に消費税の中間申告があったとみなされます。実務的には、税務署から送られてきた金額を支払うだけなので、手間はまったくかかりません。

 一方の「仮決算方式」は、前年の消費税の金額は関係なく、中間申告の対象期間(個人事業主の場合は1月 or 1月~3月 or 1月~6月)において仮決算を組んで中間消費税の納付を計算する方法です。実務的に考えると、予定申告方式で支払えばいい金額をわざわざ計算しなければなりませんので、手間が発生します。顧問税理士がいる場合には、追加料金が発生するか、対応してくれない税理士がいるかもしれません。

 なぜなら、中間消費税は前払金の性格のため、中間消費税を少なくしても、確定申告で年額を計算し、中間消費税の差額分を支払うわけですから、節税効果があるわけではありません。また、結果的に年税額が少なくなり、中間消費税を余分に支払ってしまっても還付されますので、多く支払っても結果的には損はしません(還付加算税がつくので、少しは得するかもしれません)。

新型コロナウイルスの影響を受けた事業者ほど仮決算を組むべき

前年の消費税額が512万円以下の個人事業者の方の場合、令和2年8月31日までに中間消費税の納付をしなければなりません。しかし、その中間消費税は前年の消費税額を基に計算がされています。承知の通り、新型コロナウイルスの蔓延は令和2年度からであり、新型コロナウイルスの影響が終焉しない限りは売上が昨年度を大きく上回ることは難しいかと思われます。

上述のとおり、仮決算を組む「仮決算方式」には節税効果はありません。しかし、資金繰りの面から考えればとても効果がある方法といえます。中間消費税に支払うべき金額を家賃・人件費などの運転資金に回すことで大事な手元資金を有効活用できるからです。

また、新型コロナウイルスの影響にかかわらず、前年度に突発的な売上があがった・今年に多額の設備投資をしたなどイレギュラーなイベントが生じた場合にも仮決算による資金繰り効果はあります。

まとめ

 新型コロナウイルス対策として、給付金や特別融資に目が行きがちですが、既存の税制をうまく活用することで節税や資金繰りの改善を行うことができます。

 コロナ禍で数多くの事業者が生き残ることができるかとともに税理士も同様にこの緊急事態の中、多くの事業者を助けることができるかが今後選ばれる税理士として残っていくかの分かれ道ではないかと考えています。

 仮決算をはじめ税制を活用したコロナ対策を検討したい方はぜひご相談ください。

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