個人事業主も使える事業拡大のチャンスを掴む小規模事業者持続化補助金

事業者にとって運転資金の確保はもちろんのこと、先行投資のための資金調達は大きな課題です。

特に、個人事業主やフリーランス・一人法人の場合、事業を最低限の規模で始め、「少しずつ売上を上げて余剰資金ができた時に次のステップに行こう」と考える方も多くいらっしゃいます。

けれども、「事業」とは先行投資を繰り返すことによって成長していくものと言われています。

事業の継続した繁栄を目指すのであれば、外部から資金調達をしてでも事業を前のめりに展開していく必要があります。

自己資金が貯まるのを待っていると、数多くの成長のチャンスを逃すことにも繋がります。「機会損失」とも呼ばれますが、これは非常にもったいないことです。

「そうは言っても、融資は受けたくない。」「融資を希望したけど通らなかった。」「そもそも資金調達とかどうすれば良いか分からない。」

今回はそんな方に向けて、個人事業主や小規模法人が今後の事業拡大を目指す際の手段の一つでもある「小規模事業者持続化補助金」について紹介します。

今回のコラムを読んでいただくことで、小規模事業者持続化補助金について知り、ご自身の事業を成長させる手段としてご活用いただければ幸いです。

小規模事業化持続化補助金の特徴3つとは

まず、小規模事業者持続化補助金とは何か、その特徴を3つ挙げておきましょう。

1 小規模事業化持続化補助金は 経費の2/3を補助し、返済は不要である

小規模事業化持続化補助金は広告宣伝・設備投資など、事業を成長させるために必要な経費について 2/3を補助してくれます。

補助金の最大のメリットは貸付と違い、返済しなくて良いことです。

返済義務があると、どうしても今後の資金繰りに影響が出てしまいますが、補助金の場合はそれらを考えなくて良いので、資金繰りの視点から考えても非常に喜ばしいものではないでしょうか。

2 小規模事業化持続化補助金には審査がある

補助金の交付を受けるには審査があります。申請書類を提出して採択されなければいけません。

小規模事業化持続化補助金の利用はメリットが大きいので、毎回多くの事業者が補助金申請を行います。つまりライバルが非常に多いということです。

そんな中で、審査を通過するにはどうすれば良いでしょうか。

基準は公にはされていませんが、この補助金は公的機関の予算を使うという点が一番のポイントです。

つまり、公的な予算を投じるということを考えると、ビジネスの成長性はもちろんですが、事業拡大による経済的な影響力や、社会貢献性などが評価されると予想されます。

補助金を使って事業を拡大することによって、事業主だけでなく社会にもメリットを与えられるかどうかがポイントになるでしょう。

「自分が儲かれば良い」のではなく、事業を大きくして雇用を増やす、社会貢献事業にシフトする、SDGsの取り組みに効果がある、という事業モデルの方が採択されやすいというのは皆様もイメージできるのではないでしょうか。

3 事業規模や実績は関係なしで申請可能

小規模事業化持続化補助金は小規模事業者であれば、事業の規模や過去の実績に関係なく申請できます。

個人事業主で、売上や実績がほとんどなかったとしても、開業届さえ出していれば申請手続きは可能なのです。

採択されれば、規模も実績も関係なく同じ条件で補助金を交付されます。

これは、個人事業主にとって、小規模の法人と肩を並べて資金調達ができるチャンスなのでぜひ活かしていただきたいです。

※個人事業主の中には、「売上がほとんどないから」という理由で事業を始めたにもかかわらず開業届を出されない方もいらっしゃいます。

けれども、今回のような補助金は開業届を出しているからこそ申請でるものです。
このようなチャンスを逃さないためにも開業届はすぐに提出されることをお勧めします。

税務署に届出していますか?個人事業主が開業届をすぐに出す5つのメリット

小規模事業者持続化補助金をお奨めする3つの理由

次に、なぜこの小規模事業者持続化補助金をお奨めするのか、3つの理由をお伝えします。

1 一気に事業を成長させるチャンスである

この補助金を活用することで、融資以外の方法で資金を調達することができます。

前項でも書いた通り、これは返済しなくても良いお金です。金額を気にせず、事業の成長に投資することができます。

事業の成長にはどうしてもまとまった資金が必要です。補助金活用はまさに事業を成長させるチャンスなのです。
これまで「自己資金だけでなんとかしなくては」と思われていた方は、ぜひ一度補助金活用を検討してみてください。

2 自身の事業計画を整理し、深く考える機会になる

この補助金申請は、簡単ではありません。

自分の事業の現状や将来の計画を組み立て、第三者に分かりやすく伝える必要があるからです。

審査で見られる基準は「3つの特徴」でも少し紹介しましたが、事業の成長性に加えて、社会全体の経済成長に貢献するものか、社会貢献性があるものか等が重要であるとお伝えしました。

しかし、それだけでは不十分なのです。

事業として、それが現実的に実現可能なのかという具体性も必要ですし、それを示す根拠として数字に落とし込むことも重要なのです。

普段あまり数字で考えることがなかった方にとっては、申請業務は苦痛な作業かもしれません。

けれども、これらの作業を行う過程で、事業者は自身の事業に対する解像度を上げることができます。
もしも将来、銀行融資を受けることを考え、事業計画書を作る際にもこの経験が非常に活きてきます。

この補助金申請自体が事業主を成長させ、事業そのものを一歩押し進めることにも繋がるのです。

3 新参者が、ベテランと同じ土俵で戦える数少ない機会である

補助金は採択されれば、実績・規模は関係なく同じ条件で利用できます。

融資を最初から希望されない方もいらっしゃいますが、中には諸事情で融資を断られてしまった事業者も少なくありません。

銀行・信用保証協会も、どうしても慎重になります。

その点、補助金の評価基準は申請書(事業計画書)だけなのです。

ある意味、小規模事業者の資金調達について「フェアな戦いができる場」という考え方もできます。

事業拡大や新しい挑戦にはどうしてもまとまった資金が必要です。それを自己資金で行うには時間がかかりますし、限界があります。

採択されればまとまった資金が手に入りますし、万一審査に落ちてもまた挑戦すれば良いだけです。挑戦することについて、何もリスクはありません。
個人事業主や一人法人の方は、是非とも補助金申請に挑戦してみてはいかがでしょうか。

小規模事業者持続化補助金の3つの注意点

ここまでは補助金のメリットをメインにお伝えしてきました。

しかし、一方で以下の点に注意する必要があります。

1 資金の先出しと自己負担分がある

採択された事業でかかった経費は先出しなので、まずはまとまった資金が必要です。
補助金は採択されてすぐに入金されるわけではありません。実際に採択された対象となる事業を行い、経費を先出しします。そして活動・結果について報告を行い、その後やっと入金されるのです。採択されてから入金まで平均して半年以上はかかります。そのため、この補助金について運転資金の資金繰りとしては考えないようにしましょう。

また、資金は先出しなので、自分が立て替えられる範囲内の金額にとどめておくことが大切です。

通常枠は最大75万円に対して2/3の50万円までの補助が受けられます。けれども準備できる資金が、例えば最高で30万円であれば、申請はその範囲内にとどめておくようにしましょう。
また、全額補助されるわけではないので、例えば広告宣伝・設備投資で30万円使った場合は補助される金額は20万になりますので、必ず自己負担分は発生することを覚えておいてください。

2 柔軟性が低く、制限が多い

返済不要でリスクが低いで補助金ですが、その分、用途は限定されています。

例えば、この補助金は設備投資に利用できますが、パソコンの購入は対象外になります。

またwebサイト制作の場合、補助される金額の1/4枠しか使えない(補助額が50万円の場合は、12.5万円まで)上に、webサイト単体だけの申請はできません。他にも細かい条件が数多くあります。
以上のように制限も多く、無条件でどんなことにでも使えるわけではありませんので、その点は注意が必要です。

3 申請の手続きや書類作成がかなり手間である

申請の手続きや書類作成は大変です。特に初めての申請の時には専門家に相談してアドバイスを受けたりすることが必要とされます。

「お奨めする3つの理由」で「事業計画書を書く練習になる」とお伝えしました。
そもそも「事業の計画を立てて、それぞれ数値化させる」というのは一朝一夕でできるものではありません。まずは自分の事業について棚卸しを行い、また今後どのような方向性でやっていくのかも事業主自身が定めていないことには計画を立てることはできません。

計画立てについても、無理・無茶のない現実的なものでなくてはいけませんし、数字でわかりやすくする必要があります。そして、これらを相手に分かりやすく伝える技術も必要です。
お金を引っ張るには、やはりそれだけの時間と労力を費やさなくてはいけないのです。

このように、とにかく補助金の申請には時間と労力を必要とします。

また、採択されてそれで終わりではありません。
実際に申請した通りの事業を行い、その後の実施報告が必要ですが、この報告部分も数字で分かりやすくする必要があるため、この作業にも時間と手間がかかります。

「簡単に申請ができる」とは考えず、一つのプロジェクトを完遂するような心構えで挑むようにしましょう。

以上の特徴、メリット、そして注意点を理解した上で、小規模事業者持続化補助金を上手に活用しましょう。
補助金活用は、新たなビジネスのチャンスをつかみ、事業の成長を促進する大きな一歩となります。

補助金申請は、山本聡一郎税理士事務所にご相談ください

これらの補助金申請・活用には専門的な知識と経験が必要となります。
山本聡一郎税理士事務所では、数多くの経験を基に、補助金申請から事業計画設計・補助金の使用用途など、幅広く相談を受け付けしております。

また、補助金の申請代行も承っております。

「よく分からないから、難しそうだから」と、この制度を利用しないのはあまりにもったいないことです。

個人事業主・一人法人の皆様、ぜひこの小規模事業者持続化補助金の活用を検討してみてください。

そして、その適切な活用法について、山本聡一郎税理士事務所にぜひご相談ください。

小規模事業者持続化補助金につきまして、今回ご紹介した内容はほんの一部です。

申請については細かい規定や条件がありますので、詳細は公式サイトをご確認ください。

小規模事業化持続化補助金の公式サイト

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