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クラウド会計とインストール型の会計ソフトとの違い
今の会計ソフトの主流は、まだインストール型の会計ソフトに軍配は上がりますが、インターネットバンキングやクレジットカード・PayPayなどの電子決済が広まり、今後クラウド会計の需要が伸びてくると予想されます。
インストール型の会計ソフトを代表とするのが弥生会計です。一方のクラウド会計の代表格はFreeeまたはマネーフォワードです。これらのサービスを比較して違いを紹介します。
① 料金体系
インストール型の会計ソフトは買い切りのため、消費税の増税等が無い限りは、大きな仕様が変わることはないため、ランニングコストはかかりません。一方、クラウド会計は月額制または年額制のためインストール型の会計ソフトに比べるとランニングコストがかかります。
② 利用デバイスの制限
インストール型の会計ソフトは基本的にパソコンでインストールをするため、その特定のパソコンでしか利用ができませんが、クラウド会計ではパソコンのみならず、スマホ・タブレットでも利用することができます。
③ 対応のOS
弥生会計などのインストール型の会計ソフトはOSがWindowsのパソコンでしか動作しない仕様になっていますが、Freeeやマネーフォワードなどのクラウド会計はWindowsのみならず、Macでも動作させることができます。
クラウド会計への移行にあたっての問題点
インストール型の会計ソフトからクラウド会計への移行するために操作が変わるなど多少なりとも問題がありますが、そのなかでも最大の問題は顧問税理士がクラウド会計への移行に賛成しないケースです。
税理士側にとって、今まで使い慣れた弥生会計などのインストール側の会計ソフトから、クラウド会計へ移行することは、慣れていないことから生じる作業効率の低下からストレスを感じる人がいます。
また、クラウド会計にはインストール型の会計ソフトにはないAIによる勘定科目の自動判断機能もあり、記帳代行を主にする税理士にとってはこのクラウド会計への移行を自分たちの仕事を取られるのではないかと脅威に感じている税理士もいるようです。
さらには、税理士業界自体、平均年齢が65歳超という高齢化の業界ですから、AIや新しい技術への移行が難しいと考えている税理士も多いようです。
山本聡一郎税理士事務所では、開業当時からインストール型の会計ソフトからFreeeを主にクラウド会計への移行へと推進しております。
また、創業・起業された個人事業主や法人様はまだ経理システムが出来上がっていない段階からお付き合いをさせていただきますので、将来的な経理システムの効率化のため積極的にクラウド会計を導入しております。
なお、開業時には初期投資には様々な費用がかかります。パソコンもその一つです。初期費用を抑えるためにも、パソコンのレンタルを検討してみるのもいいでしょう。
クラウド会計をおすすめする5つのメリット
① パソコンにインストールする必要がない
クラウド会計は名前の通り、クラウドサーバー内で行うサービスです。ですので、会計ソフトをパソコンにインストールする必要がないため、パソコンが突然、壊れても会計データはクラウド上にあるので安心です。
② 簿記を知らなくても簡単に入力できる
クラウド会計では小難しい簿記を知らなくても簡単に入力することができます。AIやビッグデータの発達により、領収書や明細の内容を読取り、勘定科目を自動的に割り振ってくれるからです。
③ インターネットバンキングやクレジットカードと連携することができる
最近、インターネットバンキングを使う人が増加してきています。またクレジットカードや電子マネーの普及し、現金を使う機会が減ってきました。それらのデータをクラウド会計と連携することにより、利用と同時にクラウド会計に入力が自動的に行うことができます。
④ クラウドだからいつでもどこでも確認できる
インストール型のパソコンでは、会計ソフトをインストールした特定のパソコンからでしか試算表や入力項目を確認することができませんでしたが、クラウド会計では、パソコンのみならず、スマートフォン・タブレットでタイムリーに会計データを確認することができます。
⑤ Macでもクラウド会計を動かすことができる
インストール型の会計ソフトで多くのシェアを持つ弥生会計や勘定奉行はWindowsのOSでのパソコンでしかインストール・操作することができませんでした。しかし、クラウド会計の代表格Freee(フリー)やマネーフォワードクラウドはWindowsのみならずMac上でも操作・入力することができます。
クラウド会計を導入における3つのデメリット
① クラウド会計に対応できる税理士事務所が少ない
問題点でお伝えした通りに、クラウド会計が登場してもまだまだインストール型の会計ソフトのシェアの方が多く占めます。クラウド会計に対応できる税理士事務所もまだまだ少ないため、導入したくても顧問税理士の賛成を得られない可能性があります。
② インストール型の会計ソフトに比べランニングコストがかかる
インストール型の会計ソフトは一般的に買い切り型が多いため、一度、購入してしまえば、大きな税制改正が行われない限り、購入をする必要がありません。一方、クラウド会計は月額制または年額制のためインストール型の会計ソフトに比べランニングコストがかかることとなります。
③ クラウド会計を使う環境に左右される
インストール型の会計ソフトはパソコンに直接導入するため、ネット環境がなくても、利用することができますが、クラウド会計ではクラウドサーバー上で動作するため、インターネット環境がないと動作できないまたはWifiが弱いと動作が遅くなってしまうというデメリットがあります。