社長一人の食事は福利厚生費で落とせる?福利厚生費とは何か

社長個人の食事代を経費にできるかどうかは、度々話題になります。

仕事に関係する食事代は、会議費・接待交際費・出張旅費などの勘定科目に振り分けることが可能ですが、ここでは福利厚生費として利用できるかについて考えていきましょう。

福利厚生費とは何か

企業の福利厚生費は、直接的に売上を生み出すものではありませんが、従業員の働きやすさや生活の質を向上させるための重要な支援制度です。この制度は、従業員により良い環境を提供することで、離職率を下げ、モチベーションを高め、生産性を向上させることに役立ちます。

特に日本では福利厚生を重視する傾向があり、福利厚生制度が充実している企業は就職活動において非常に人気があります。

福利厚生制度には、健康保険、退職年金、社内イベントやセミナーの開催、育児支援、教育費補助、社員旅行など、さまざまな種類があります。これらの制度は企業ごとに異なりますが、目的は従業員の働きやすさや生活の質の向上に共通しています。

食事代についても、食事補助として福利厚生費を活用できます。月額3,500円までと上限が決まっており、かつ半分を自己負担にすることで福利厚生扱いが可能です。

福利厚生の食事補助に関しては、多くの民間サービスも提供されています。

国税庁HP  No.2594 食事を支給したとき

福利厚生費は直接売上を生むものではありませんが、会社全体の生産性向上という視点で見ると、非常に重要な要素です。

それでは、この制度は社長や役員にも適用されるのでしょうか?特に、社長個人の食事が福利厚生費として扱われるかどうか、その疑問にお答えします。

社長・役員に福利厚生という概念は存在しない

福利厚生は主に従業員のために設計されており、社長や役員のみの組織では通常適用されません。これは、福利厚生が労働条件や生活の質を向上させる目的であるため、経営者や役員個人の生活費や食事代をカバーするものではないからです。

福利厚生は従業員向けに提供されるものであり、社長や役員は「従業員」には含まれません。そのため、従業員がいない組織では、原則として福利厚生は存在しません。

ただし、法的に義務付けられている「法定福利費」というものがあります。その中で最も代表的なのが社会保険で、社長や役員もこれには強制的に加入されます。この点では、社長や役員にも福利厚生が全くないというわけではありません。

食事代が福利厚生費として認められるのは従業員がいる場合のみ

福利厚生費として食事代が認められるのは、従業員がいる場合に限ります。

月に一回の社内食事会や、従業員へのお菓子の差し入れも、業務上の必要性や従業員の福祉向上を目的として提供されるとみなされます。

そのため、社長の個人的な食事代を福利厚生費として扱うことはできません。食事は全ての人にとって必要なことだからです。

会議や打ち合わせ、取引先との交流の目的があれば、その費用は会議費や接待交際費として処理することが可能ですが、一人での食事は個人の生活費として扱われます。

国税庁HP  No.5261 交際費等と福利厚生費との区分

福利厚生費に関する重要な注意点として、親族は従業員としての扱いにはなりません。たとえば、社長が配偶者と共に仕事をしている場合でも、二人で食事をしただけでは、その費用を福利厚生費として処理することはできません。

ただし、社長と配偶者が仕事について社内会議を行い、その際に食事をとった場合は会議費として扱うことが可能です。しかし、夫婦である場合、その会議が業務上のものであるかどうかの区別がつきにくいため、会議費とする場合は、仕事の打ち合わせをした証明、たとえば議事録が必要になります。

これが面倒な場合は、経費として計上するのを避けるのが無難です。

福利厚生費にはどのようなものがあるのか

今回の結論として、社長個人の食事代が福利厚生費にはならないことが明らかになりましたが、この記事を福利厚生について正しく知る機会としてぜひご活用ください。

従業員向けの福利厚生は、法律で義務付けられているものと任意のものに分けられます。

義務付けられている法定福利費

法律で義務付けられている法定福利費には6種類あります。

・健康保険料

・介護保険料

・厚生年金保険料

・子ども ・子育て 拠出金 (旧:児童手当拠出金)

・労働者災害補償保険料 (労災保険料)

・雇用保険料

これらの費用についての計算方法や加入条件の詳細は省略しますが、従業員を雇用する際にはこれらの義務付けられた法定福利費を理解しておく必要があります。初めて人を採用する際は、顧問の税理士や社会保険労務士に確認することをお勧めします。

任意の法定外福利費

法定福利費以外に、以下のような任意の福利厚生があります

  • 通勤手当の支給
  • 育児支援
  • 出張手当
  • 教育費補助
  • 社員旅行
  • 社員食堂の提供

任意の福利厚生については、企業ごとに内容が異なります。

福利厚生費の3つの原則とは?

福利厚生には3つの原則があります。

「福利厚生費」として損金に認められるために、この3つの原則を守る必要があります。

1・全ての従業員に対して平等であること

福利厚生費は、役職や雇用形態にかかわらず、全ての従業員に平等に提供される必要があります。例えば、社員旅行では「全従業員を対象にして、その半数以上が参加する」という条件を設けることが一般的です。また、出張手当も、役員だけでなく全従業員を対象とする必要があります。

2・妥当な金額での提供であること

福利厚生費は適切な金額で提供する必要があります。例として、経営者が「自分だけが出張する」という理由で出張手当を高額に設定した場合、企業が規模を拡大し従業員が増えると、多くの従業員が高額な手当を受けることになり、企業の負担が増大する可能性があります。従業員のモチベーションを考えると、一度設定した手当はなかなか下げることはできません。金額設定は慎重に行うようにしましょう。

3・現物支給ではないこと

福利厚生費は通常、現金や物品として直接支給されるものではありません。代わりに、サービスや補助金として提供されます。現金支給を行うと、それが給与と見なされ、課税の対象となるため注意が必要です。補助金とは、日当などを指します。これらは現金支給の扱いにはなりません。

福利厚生費の上手な活用は税理士に相談しましょう

今回の記事では、社長個人の食事が福利厚生費として認められないことを説明しましたが、一人社長でも福利厚生費を上手に活用することで節税につなげることが可能です。

けれども知識のない状態で福利厚生費の取り扱いをすることはリスクがあります。福利厚生の導入を検討している場合は、顧問税理士に相談することを強くお勧めします。法的な要件を守って、上手に節税していきましょう。

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