事業を始めるなら個人事業主から?それとも法人設立?

税理士として質問を受けるなかで多いのが事業を始めるうえで、個人事業主からスタートすべきか、法人を設立すべきか?これから事業を開始していこうと考えている人からよくこの質問を受けます。

 この答えとして、そのクライアント様の状況を聞きながら、回答はまちまちですが、これから事業を開始していこうと考えていく人にとっての最初の悩みかもしれません。今回は、事業をこれから始めていくなら個人事業主か法人を設立していくべきなのかを考えていきます。

とりあえず事業を始めたいなら個人事業からスタートすべき

 いいアイデアがあるから事業をスタートしたいと考えているのであれば、株式会社または合同会社にしなければならないという、しがらみが無ければ、個人事業からスタートすべきとご回答しています。理由としては、個人事業であれば、とりあえず、税務署に「個人事業主の開業届出」を提出するだけで、事業をスタートすることができます(厳密に言えば、「個人事業主の開業届出」の提出は必須でありません)。法人設立に比べれば、圧倒的にスピードが速く、コストをかけずに事業を開始することができます。

 一方、法人設立となると、定款作成や法人設立登記が必要となり、約2~3週間の期間を要します。また、法人設立するためには、登記するための費用がかかり株式会社であれば印紙代などの登記費用が20万円ほど、合同会社であれば6万円ほどかかります。さらに司法書士の専門家に依頼するとなると上記の費用にプラス5~10万円ほどの報酬が必要となります。

 このように考えますと、事業を開始するうえで圧倒的にハードルが低いのは個人事業だといえます。

事業を廃業するうえでも個人事業主の方が圧倒的に楽

 これから事業を開始する人にとって、酷な話かもしれませんが、事業をスタートして1年後に約3割の事業が廃業に追い込まれています。廃業に追い込まれる理由は様々ですが、事業を開始するうえではこの廃業するリスクも考える必要があります。

 法人を設立して、廃業をしなければならない場合、多くの手続きが必要となります。詳細は割愛しますが、大まかな分類すると法人の解散登記、そして、清算結了登記が必要となり、それぞれのタイミングで税務申告も必要となります。

 登記するということは、登記するうえでも登記費用がかかりますし、司法書士にお願いするとなるとさらなる報酬がかかることとなります。つまり、法人を開始するうえでも廃業するうえでも費用がかかります。

 一方、個人事業主の場合は、税務署に「個人事業主の廃業届出」を提出し、その年度の所得税の確定申告を行うことで、税務などの手続きは完了します。

まとめ

株式会社の方が個人事業よりも信用力があるという意見もありますが、会社法の改正前は、株式会社を作るうえで最低1,000万円必要でしたので、株式会社はそれなりの信用力があったのかもしれません。

しかし、会社法の改正後は資本金1円で株式会社を作成することができ、その当時はニュースでも話題になっていたことを覚えています。そのように誰でも株式会社を作ることができる今、ひと昔ほど前よりも信用力が落ちたといえます。

 ですので、事業を始めるときは、背伸びをせず、まずは、個人事業主からスタートすることをおすすめします。事業をはじめ、事業が軌道に乗り始めてから法人成りを検討しましょう。

 山本聡一郎税理士事務所では、個人事業主から事業をスタートした方に法人成りのシミュレーションサービスを実施しております。法人成りをしたら、個人事業主にはないメリットがある一方で、デメリットもあります。いつ法人成りすべきか共に考えていきましょう。

 

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