インボイス制度はひどい!?新たな負担軽減措置と補助金支援策

先日、ニュースでアニメの声優がインボイス制度の導入に対して反対の声明を出しました。

「アニメ破壊しないで」声優が涙の訴え インボイス制度に懸念「地獄しか待ってない」

 古い指標にはなりますが、財務省の平成28年度の調査によると、法人・個人事業主の約6割超が消費税を納める義務がない免税事業者といわれています。

 この6割超の事業者の方がいま、インボイス制度を導入するか否かを2023年10月までに迫られています。一方で、国側もインボイス制度を普及させようと新たな負担軽減措置と補助金支援策を公表しております。

インボイス制度はひどい!?新たな負担軽減策と補助金支援策

 今回は、インボイス制度はひどい!と嘆くだけではなく、その負担軽減措置と補助金支援策をご紹介します。

なお、YouTubeにてもインボイス制度の情報をまとめております。ご参照ください。

消費税の仕組みとインボイス制度とは

 消費税を負担するのは私たち消費者です。コンビニなどで買い物すると必ずと言ってもいいほど、消費税が課されています。しかし、すべての消費者が自らの購入したものやサービスを家計簿などつけて消費税を計算し、税務署に納めると効率的ではありません。

 そのため、店舗や生産者などの事業者が、消費者が負担した消費税を預かり、消費者に代わり納税額を計算し消費税を税務署納めることになっています。消費税は「預かり税」とも言われたりします。

仕入税額控除

 事業者が消費税の納税額を計算する場合、仕入税額控除という仕組みが取られます。事業者が一旦、消費税を預かる一方でその事業者も仕入業者等に消費税を支払っているはずです。預かった消費税のすべてを国に納付してしまうと支払った消費税と二重で支払うため、この仕組みが取られています。

① 売上時に預かった消費税

②仕入等などで支払った消費税

③ ①−②=納税額

以上の仕組みが仕入税額控除です。

2023年10月からは仕入税額控除の対象はインボイスのみ

 2023年10月1日から、インボイス制度(適格請求書等保存方式)が導入されます。実務面で何が変わるかは以下の記事が参考となります。

インボイス制度はいつから始まる?実務面で何が変わるのか解説

 インボイス制度が始まると、税務署長に申請して登録を受けた課税事業者(適格請求書発行事業者)のみが発行を許される「適格請求書(インボイス)」の保存が仕入税額控除の要件となります。

 つまり、インボイスが発行できない免税事業者との取引は仕入税額控除の対象外ということになります。

 免税事業者との取引で消費税を支払ったとしても、その支払った消費税を差し引いて納税額を算出できないため、その分納める消費税が増えることになります。

なぜインボイスが導入されるのか?消費税の益税問題

 では、なぜ今になりインボイスが導入されることになったのでしょうか?それは消費税の益税問題が背景にあります。

 上述の通り、消費税は最終消費者からの預かり税です。しかし、免税事業者であれば消費税を預かっても消費税の申告・納税が免除されているため、預かった消費税がそのまま利益(益税)となってしまうことが長年問題視されていました。

 この益税を解消するためにインボイスが導入されることとなったのです。

インボイス制度に向けての新たな負担軽減措置とは

2割特例(インボイス発行事業者となる小規模事業者に対する負担軽減措置)

 令和5年度税制改正大綱により、免税事業者がインボイス発行事業者を選択した場合の負担軽減措置を図るため、納税額を売上税額の2割に軽減する措置が設けられます(2023年10月1日〜2026年9月30日)。

 なお、この制度を利用するときは事前の届出も不要となっており、申告時に2割特例を適用するかどうかの選択が可能です。 

少額特例(一定規模以下の事業者に対する事務負担の軽減措置)

 令和5年度税制改正大綱により、中小事業者への支援措置として1万円未満の課税仕入れ(経費等)についてはインボイスの保存がなくても帳簿の保存のみで仕入税額控除ができる少額特例が設けられることとなりました(2023年10月1日〜2029年9月30日)。

 対象者は2年前の課税売上高が1億円以下または1年前の上半期の課税売上高が5千万円以下の事業者が対象となります。

インボイス制度への対応に向けての補助金の支援策

IT導入補助金(デジタル化による事務負担軽減)

 IT導入補助金は企業や団体等がITシステムやソフトウェアを導入する際に、費用の一部を補助してくれる制度です。

IT導入補助金2023

 この補助金は、業務効率の向上や生産性の向上、ヒューマンエラーの軽減など、インボイス処理に関連する課題の解決を支援してくれます。

小規模事業者持続化補助金(課税転換に伴う販路開拓支援)

 小規模事業者持続化補助金は、持続的な経営に向けた経営計画に基づく、小規模事業者等の地道な販路開拓等の取組や、あわせて行う業務効率化の取組を支援するため、それに要する経費の一部を補助するものです。

小規模事業者持続化補助金

 免税事業者からインボイス発行事業者に転換する事業者に対し、令和4年度第2次補正予算において、全ての申請枠で補助上限を一律に50万円上乗せされることとなりました(最大250万円補助)。

インボイス制度でお困りならぜひご相談ください

 今回はインボイス制度の仕組みから、負担軽減措置と補助金の支援策についてお伝えしました。いよいよインボイス制度の導入までカウントダウンが始まりました。

 それにも関わらず、いまだにインボイス制度の導入をどうするべきか迷われている事業者もまだまだいます。インボイス制度が始まったら何をしなければならないのか?不安を抱えている事業者は多いのではないでしょうか?

 弊所ではインボイス制度に対応できるためにクラウド会計の大手の会計Freeeを導入支援に力をいれております。インボイス制度でお困りであれば、ぜひ一度ご相談ください。

You Tube「【創業支援】税理士の山さん」にて最新の税務・経営の情報発信

山本聡一郎税理士事務所では、ホームページにおけるコラムによる情報発信のみならず、2023年10月よりYou Tubeチャンネル【創業支援】税理士の山さんをスタートしております。

最新の税務はもちろん、経営など役にたつ情報を発信しておりますので、ぜひチャンネル登録のほどよろしくお願いいたします。

youtube バナー

 

 

無料相談ご予約・お問い合わせ

 

ページの上部へ戻る

トップへ戻る

0120549514電話番号リンク 問い合わせバナー