資本金の役割を正しく理解して、起業の第一歩を踏み出そう

起業を考える際、最初に頭に浮かぶのは、アイデアや事業内容かもしれません。しかし、これらをビジネスとして実現させるには資金が必要となります。そのための重要な要素が「資本金」です。

「資本金」という言葉を、誰もが一度は耳にしたことがあるかと思いますが、漠然と「会社の規模を示すもの」だと思われることが多いものです。
「資本金」の設定は起業において一番最初のステップになります。その為、起業するのであれば、この「資本金」について正しく理解する必要があるのです。

今回は、主にこれから会社設立を考えられている方に向けて「資本金」について解説していきます。

なお、弊所が運営するYou Tubeチャンネルにて資本金の重要性や決め方をまとめた動画を紹介しておりますので、ぜひチェックしてみてください。

資本金とは何か

資本金とは、会社を設立する際に必要となる基礎的な財源であり、事業運営のための原資となるお金のことを指します。この金額は、会社設立時の登記に必要となります。資本金は、会社の経済的な信用や安定性を示す指標の一つともなっています。

資本金の重要性

資本金は、新たなビジネスがスタートする際に避けて通れない要素です。

この資金が、初期の経費、事業の運営資金、予期せぬ出費に対応するための保険の役割を果たします。また、資本金は会社の信用度を示す指標でもあり、取引先や投資家に対する信頼性を担保します。

しかし、資本金が多ければ必ずしも会社が成功するわけではありません。大切なのは、その使い道と適切な運用です。

資本金の設定について

資本金の設定は、事業計画や事業規模、ビジネスモデルによって大きく変わります。また、企業形態(例えば、合同会社や株式会社など)によっても設定金額は異なります。

起業家としては、自身のビジネス計画や将来見込みを考慮して、最適な資本金を設定することが求められます。

資本金1円での起業は可能なのか?

日本では、株式会社を設立する際の最低資本金制度がなくなり、理論的には1円の資本金から起業が可能となりました。(J-net 21より)

これは一見、「まとまった資金がなくても起業ができる」と解釈できますが、資本金1円の会社設立にはいくつかのデメリットがあります。

以下にその主なポイントを挙げてみましょう。

①信用性の低下

資本金が「1円」場合、「経済的に余裕がない」または「資本金に対する理解が浅い」という評価を受ける恐れがあります。これは、取引先や投資家、顧客から見て信用性を低下させる要因となります。また、資本金が少ないと、銀行からの借入れや公的な補助金の取得が難しくなる可能性もあります。

②初期投資の制約

資本金が少ないと、新たな設備投資や人材の採用、広告・宣伝など、ビジネスを立ち上げるために必要な初期投資ができず、立ち上げから会社のビジネス計画や資金繰りにつまずつ恐れがあります。

③予期せぬリスクへの対応力不足

資本金が「1円」または極端に少ない場合、初期段階での予期しない出費やリスクに対する対応力がどうしても乏しくなります。

経営環境の変化や不測の事態に即座に対応できる余裕があるかどうかで、スタートアップでの生死が分かれます。

結論として、資本金1円からのスタートは制度的には可能ですが、「資本金1円企業」にはそれ相応のリスクがあることは理解しておく必要があります。

最適な資本金額を知りたいという方へ

「資本金はいくらが最適か」という問いに対して、一概に正しい答えは存在しません。

資本金の最適な額は、具体的なビジネスプラン・企業の業種・市場環境・事業の規模・期待されるリスクなど、多くの要素によって変わります。

以下に、資本金を決定する際に考慮すべきいくつかの要素を挙げてみます。

①初期費用

事業を開始するために必要な設備投資、人材の採用、広告や宣伝、初期の運営費用など、始めるために必要な費用を見積もります。

②運転資金

事業を継続的に運営するために必要な資金です。初期の売上が見込めない期間や、売上が安定するまでの間に必要な資金を計算します。

③リスク対策

予期しない出費や経済状況の変化など、リスクに対するバッファとしての資金額も計算が必要です。

④信用力
取引先や投資家、金融機関からの信頼を得るためには、一定の資本金が必要となることがあります。

これらの要素を考慮して、事業計画に基づいた適切な資本金を設定することが求められます。
また、資本金は必ずしも現金でなくても良く、不動産、機器、知的財産なども含むことが可能です。

ただし、過度に資本金を設定すると、その分だけ会社の税負担が増えるという点も考慮しておく必要があります。

例えば、資本金1000万円以上の法人を新規設立した場合、課税売上高が1,000万円に満たなくても1期目から消費税を納めなくてはいけません。資本金が1,000万円未満の場合に比べて税金負担が大きくなるのです。

資本金の設定は、正しい知識を得た後、十分考えた上で行う必要があります。

その為、経験豊富な会計士や税理士、弁護士などの専門家と相談し、具体的なビジネスプランに基づいた適切な資本金を設定することをお勧めします。

合わせて知っておきたい資本金の知識

資本金の増資と減資

資本金は、会社設立後に増資や減資をすることが可能です。

増資は事業拡大のための資金調達や信用力向上のために行われます。しかし、増資には新たな出資者を見つける必要があり、また一定の手続きを経る必要があります。

一方、減資は会社の資本金を減らす行為です。経済状況の変化や事業規模の縮小、余剰資金の還元など様々な理由で行われます。減資も一定の法的手続きが必要であり、取引先や投資家に与える影響も考慮する必要があります。

資本金と資本準備金

資本金だけでなく、資本準備金についても理解しておくと役立ちます。

資本準備金は会社が自己資本を増やすために設ける金額で、資本金とは別に設定されます。

これは、事業拡大のための資金や、予期せぬリスクに備えるための安全網として機能します。

資本金の額を決めることは、会社設立の重要なプロセスです。

しかし、一度決めた資本金が永遠に変わらないわけではありません。会社の成長や変化に対応して、適切な時に増資や減資を行い、また資本準備金を設けることで、会社の健全な運営と発展を目指しましょう。

まとめ

起業を考えている方にとって、資本金は事業のスタートラインです。しかし、資本金の額だけが会社の価値を決定するわけではありません。資本金をどのように運用し、ビジネスを発展させるかが重要です。
どんなに小さな資本であっても、適切な計画と運用によって大きなビジネスを築くことが可能です。資本金設定は大切な決断ですが、それ以上に大切なのはその後の資金運用と事業の成長戦略です。

起業に関することは税理士にご相談ください

今回は、起業時に大切な資本金とその設定について解説いたしました。

起業では決めることが数多くありますが、どれも事業計画を考慮した上で慎重に決めるべき重要事項ばかりです。

何となく決めたことが、後に事業の足を引っ張ってしまうことはよくあります。
資本金は「ただ見せるための数字」ではなく、実際に会社経営への影響が大きいものなので注意が必要です。

起業をされるご予定の方は、資本金の設定も含めぜひ山本聡一郎税理士事務所までご相談ください。

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税理士 山本聡一郎
山本聡一郎税理士事務所 代表税理士。1982年7月生まれ。名古屋市中区錦(伏見駅から徒歩3分)にてMBA経営学修士の知識を活かして、創業支援に特化した税理士事務所を運営。クラウド会計 Freeeに特化し、税務以外にも資金調達、小規模事業化持続化補助金などの補助金支援に力を入れている。
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