経理に苦手意識があっても大丈夫。簿記3級で身につく実践的な知識が、個人事業主や中小企業の経営者に役立つ3つの理由

経理に苦手意識があっても大丈夫。簿記3級で身につく実践的な知識が、個人事業主や中小企業の経営者に役立つ3つの理由

事業をする上で、どんな業種を選んだとしても絶対に切り離せない業務の一つに「経理」があります。

「お金の細かい計算や入力などの事務作業はあまり好きじゃない。」と、

特にご自身で事業を始められる行動力やモチベーションのある方にとってバックオフィスに携わることは本意ではないかもしれません。

けれども、事業をやっていく以上は会計・経理の知識を学んでおくことをおすすめしています。

中でも、税理士として習得をおすすめしたいのが簿記3級の知識です。

学ぶとは言っても、基本的なことだけ理解していれば十分です。

その為、資格取得を目指す必要もありません。

もちろん、せっかく勉強するのであれば資格試験に挑戦していただいても良いと思います。
今はネット試験でも受験が可能ですので、忙しい中でもスケジュール調整をしやすくなっています。

日商簿記2級・3級ネット申込サイト

話を戻しましょう。

簿記3級には、初心者にとって最適なレベルでありなおかつ、小規模事業者の実務に即した知識が豊富に詰まっています。

この記事では、個人事業主や中小企業の経営者が、簿記3級の知識を学ぶことによって得られるメリットについて、実際の事例を交えながら解説します。

メリット1・簿記3級には、個人事業や中小企業の実務に役立つ実用的な知識が多い

簿記3級には、実際の会計業務に必要な知識が詰まっています。
具体的には、帳簿の作成方法や会計処理の基本、財務諸表の作成方法、税金の計算方法など、実際の業務で行う内容が盛りだくさんです。

これらの知識は実務に直結するため、簿記3級をしっかり学べば、スムーズに会計業務ができるようになります。

また、簿記3級は、簿記2級や1級と比べて、内容が実践的であるため、初心者にとっても理解しやすいものが多いのです。

例えば、簿記2級や1級は、企業の合併・買収や、株式発行などの複雑な会計処理に関する問題が多いですが、簿記3級は、現金出納帳や仕訳帳、決算書など、事業の会計業務で最低限必要な内容が殆どです。

事業の規模がまだ小さいうちは、3級の内容だけ学べば十分会計業務に役立てることができます。もしも今後事業が大きくなり、複雑な会計処理を行う必要が出てきたら、その時に優秀な経理部長を採用すれば良いのです。

その時に、3級レベルでも知識があれば、経理部長と会計についてコミュニケーションを取る際の助けになるでしょう。

メリット2・経営者が簿記3級を勉強すると、自分の会社の数字が分かり事業の課題が明確になる

この2つ目は経営者の力が問われます。

事業の経営者の必要条件として、「事業の数字を正しく把握している」というのが挙げられます。数字というのは言わば会社の「通知表」です。

「通知表」と聞くと少し嫌な響きかもしれませんが、実際に事業は数字で評価されます。

その数字を経営者自身が正しく理解しているかどうかというのは、実は事業が信用を得る上でかなり大きなポイントなのです。

簿記3級を勉強することで、財務諸表の読み方や作成方法が理解できるようになります。

財務諸表には、収益や支出、資産や負債など、企業の経営状況を示す数値が記載されています。

これらの数値を正しく理解することは、事業の現状を知り、解決すべき問題を発見し対処することにつながるのです。

例えば、ある事業を営んでいるAさんが、簿記3級を取得した(または学んだ)ことによって、自分の会社の財務諸表を正しく読むことができるようになりました。すると、以前は意識していなかった、従業員の人件費や原材料費が高すぎることに気付き、それらを見直すことにしました。原材料の調達先を変え、従業員の勤怠管理を改善を行い、その結果、全体的なコスト削減に成功し、利益を上げることができたのです。

簿記3級の知識があれば、自分の会社の財務状況を正しく把握し、事業の改善点を見つけることができるようになります。

つまり、経営者が簿記3級を学ぶことは、事業を成功に導くための重要な手段の一つとなるのです。

メリット3・簿記3級の知識を身につけると、税理士により良い相談ができるようになる

簿記3級を学び、税務申告書の作成方法や税金の計算方法など、税金に関する基本的な知識を身につけることで、税理士とのコミュニケーションが円滑になります。

税理士からのアドバイスを正しく理解することができ、より良い相談ができるようになるからです。

例えば、ある事業を営んでいるBさんは、簿記3級を取得した(勉強した)ことによって、税理士との相談において、より的確なアドバイスを得ることができるようになりました。

以前は、自分で作成した仕訳帳を持ち込んで、税務申告書を作成してもらっていたため、自分の会社の財務状況について正確に把握していなかったのが、簿記3級の知識を身につけたことで、税理士からのアドバイスを正しく理解し、節税につながるアイディアを得ることができたのです。

まとめ 

このように個人事業主や中小企業経営者が簿記3級の知識を身につけることは、事業をする上で様々なメリットが得られます。

まさに、簿記3級の知識の取得は、事業を成功に導くための重要なステップと言えます。

しかし、注意しなくてはいけないことは、簿記3級の知識を得ても、それだけでは事業を成功に導くのに十分ではないということです。
あくまで事業のメインは「売上を伸ばすこと」です。

また、簿記3級は、経理関係の資格としては基礎中の基礎とは言われていますが、知識を身につけるには、それなりに時間と労力を必要とします。

誰でも簡単に習得できるものでもないのです。

そのため、この知識が直接売上アップには繋がらないことを十分に理解した上で、事業における優先順位を誤ることなく、学ぶ時間を上手に確保していきましょう。

最後に 会計のことは税理士にご相談ください

ここまで、簿記3級の知識を学ぶメリットをお伝えしてきましたが、事業の会計業務を全てカバーするには専門家の力も必要です。

事業を既にやられている方は経験があるかもしれませんが、予想もしないイレギュラーなことは頻繁に起こっています。

  • 請求書を発行したが、先方の都合で入金が半月遅れると言われてしまった。こんな時の対処方法はどうすれば良いのか。
  • 金額を間違えて請求書を出してしまい、先方も気付かずに振り込んでしまった。どのように処理すれば良いのか。一番簡単な方法を知りたい。
  • 緊急対応だったので、印刷代実費分を立て替えた。処理方法や領収書はどうすれば良いのか。
  • インボイス制度がもうすぐ始まるが、登録事業者になった方が良いのか判断ができないので誰かに相談したい。

※インボイス制度について書かれた過去の記事はこちら

 「インボイス制度はいつから始まる?実務面で何が変わるのか解説」

 「まだ間に合う!個人事業主がすべきインボイス対策とは」

など、イレギュラー対応や事業の細かな相談は例を挙げるとキリがありません。

そんな時には、ぜひ税理士にご相談ください。

気軽に質問ができるように、信頼できる税理士と顧問契約を結ぶことをおすすめします。

「せっかく自分で簿記を学んだのに、顧問契約を結ぶメリットはあるの?」と思われるかもしれません。

けれども、税理士の仕事は、先ほど紹介したようなイレギュラー案件へのアドバイスだけではありません。税務調査や訴訟に対応するための専門知識や経験を持っており、事業者にとって重要なアドバイスや支援を提供することが可能です。これはその道のプロだからこそできることです。

つまり、税理士と契約を結ぶことで税務調査や訴訟など、税務上のトラブルに備えることができるということです。

訴訟やトラブルが起こるかどうかは不確定ですが、実際に起こってしまうと、対応に追われてかなりの時間と労力が失われます。けれどもそのような時にこそ、士業に上手に頼って、取り組みの優先順位が高い事業の方に注力していただきたいと思っています。

事業者の皆様は、会計の基礎の学びが終わりましたら、税理士のような専門家の力を上手に借りて自分の事業の発展を目指して全力投球してください。

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