誰しもが転職する、新しい事業を始めることに対し、不安を感じることはないでしょうか?不安を感じることは人間として当たり前のことです。その不安を感じる理由としては「現状維持バイアス」という心理が働いています。今回は、「現状維持バイアス」についてとその克服方法についてご紹介します。
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変化をすることに恐れる「現状維持バイアス」とは?
現状維持バイアスとは、変化によって得られる可能性がある「得(リターン)」よりも、変化することにより失う可能性のある「損失(リスク)」に対して、過剰に反応してしまう傾向のことをいいます。
現状維持バイアスの人間が生まれ持ってもつ本能
人によって程度の差がありますが、誰もが持っている人間の本能といわれています。人間がまだ狩りをして生活していた時代、自分たちが住んでいる土地を離れて未開の地に行くことはどんな危険が潜んでいるかわからず、命の危険すらあり、大きなリスクが伴いました。
よって、私たちの祖先は出来る限り、現状維持を望み変化することをおそれ、人間はそうして何千万年も暮らしてきました。現状維持バイアスは人間の遺伝子レベルに刻まれたプログラムといっても過言ではありません。
現状維持バイアスは私たちの生活の中に溢れている
私たちは知らず知らずのうちに現状維持バイアスの影響を受けています。
具体的には、もっとやりたい仕事があるのに、変化することをおそれ転職することができない。ダメ男とずっと一緒にいても駄目なことがわかっているのになかなか別れることのできない女性。仕事においても新しい方法・ツールを導入すれば効率化できることがわかっているのになかなか導入することができない企業。
このように、私たちの生活において、現状維持バイアスは無意識的に働いています。
現状維持バイアスを克服するための3つの方法とは?
では、この現状維持バイアスを克服するためには、どうすればいいのでしょうか?克服方法は様々な方法がありますが、代表例として3つ紹介します。
現状維持バイアスは誰でも発動することを認識する
第一に誰しもが現状維持バイアスというプログラムを持っていて、無意識的に発動していることを認識しておくことが必要となります。
つまり、変化より現状維持を過度に評価しやすい性質を持っているということを理解していきましょう。
最悪の事態が生じた場合を数字で考えてみる
第二に、最悪を想定した場合を数字で考えてみることです。
なぜなら、現状維持バイアスに陥る根本的な理由は、損失の回避です。損失とは金銭が失われてしまう場合や現在あるものがなくなってしまったり等様々です。その最大限の損失を数字で具体的かつ明確に表して認識してみましょう。
第三者からのアドバイスをもらう
そして、最後に第三者からのアドバイスをもらうようにしましょう。
なぜなら、第三者は、現状維持バイアスの影響を受けていないため、客観的で理性的なアドバイスをくれる可能性が高いからです。
最後に
いかがだったでしょうか?私事ですが、私自身は、「迷ったら、とりあえずやってみる!」と考えています。税理士を目指す前はまったく違う業種で働いていました。長年のキャリアを捨て、様々な葛藤と戦いながら、税理士を目指すために勉強しながら税理士事務所に転職しました。おそらくこれが私にとっての「現状維持バイアス」だったと思いますが、克服したからこそ現在の自分があると思っています。
今までのキャリアを捨てて、創業することは不安があるかもしれません。しかし、これも現状維持バイアスの影響といえます。上述のとおり、適正な判断を行うためには、現状維持バイアスの影響を受けていない第三者からのアドバイスをもらうことが有効です。山本聡一郎税理士事務所では、これから創業を考えている方に対し、無料相談を実施しております。あなたの考える事業計画をぜひお聞かせください。税理士としての専門家としてはもちろん、第三者からの視点でアドバイスをさせていただきます。