結構大変!?小規模事業者持続化補助金の給付までのスケジュール

山本聡一郎税理士事務所の経理3年生の牧田です。気付けば前回のコラムから1年弱の月日が経ち・・・(汗)、この1年で、弊所のオフィスが移転したり、新しい従業員も増えたりと、多くの変化がありました。

 また、弊所では新たな取組みとして、小規模事業者持続化補助金の申請サポートをスタートしました!

 小規模事業者持続化補助金は、その使い勝手の良さから多くの小規模事業者さんから注目されており、「補助金 おすすめ」、「補助金 使いやすい」などと検索すると、様々なサイトやブログでほぼ必ず名前が上がってくる人気の補助金になります。

 今回は「補助金について知りたい!」という方に向けて、補助金と近い特徴をもつ助成金と比較するかたちで紹介していきます。

 補助金の特徴とは? 助成金とは何が違うの?

 まずは、補助金と助成金はそもそも何なのかについて、説明していきます。

補助金の特徴

  • 企業や個人事業主の事業活性化が目的
  • 経済産業省が公募する
  • 税金が財源となっている

助成金の特徴

  • 雇用の維持や労働環境改善・人材育成の支援が目的
  • 厚生労働省が公募する
  • 雇用保険料が財源となっている

双方とも原則的に返済の必要はなく、融資と違って担保や保証人を求められることもありません。

また、これらは厳格に区別されているわけではなく、補助金という名称であっても助成金に近い性格を持つものもあるようです。

補助金と助成金の決定的な違いの3点とは

それだけではなく、もっと分かりやすい違いが存在します。特に大きなものは以下の3点です。

①補助金は審査を受けて採択される必要があり、申請すれば確実に交付されるものではない

②補助金は助成金と比較して、公募期間が短い

③補助金は助成金と比較して、金額が大きい

ここからは、より詳しく補助金の特徴について、一つずつ解説していきます。

①審査を受けて採択される必要があり、申請すれば確実に交付されるものではない

 助成金は、ある一定の条件を満たせばほぼ確実にもらえるお金である一方、補助金は申請した事業内容が様々な観点で点数付けされ、上位から順に採択されていくという仕組みになっています。どちらも審査は行われますが、助成金の場合は書類が不備なく提出されているか、そもそも交付の条件に合っているかなど、いわば確認作業に近いのに対し、補助金の審査はそれらに加えて、申請内容の中身をしっかり見られることになります。

種類によって採択率も大きく異なりますので、知名度が高く、応募者が多い補助金は倍率が何十倍になるケースもあります。そのため、多くの時間と手間をかけて申請書を作り込んで補助金に応募したのに、不採択となってしまった・・・という話もよく耳にします。「応募したから交付が受けられる!」と、大船に乗ったつもりでいると大変危険なのです。

②助成金と比較して、公募期間が短い

 助成金は募集期間が長く、通年応募を受け付けているものもあります。一方で補助金については数週間~1ヵ月程度であるケースがほとんどです。「申請したい!」と思ったタイミングが公募期間外であれば、次の公募開始まで待たなければなりません。

また、一度応募して不採択となってしまった場合も同じく、次回の公募を待つ必要があります。仮に内容はとても良かったが、必要な書類が1つ足りなかったために不採択だったとしても、書類を揃えればすぐに再応募できるわけではないという点が、助成金との大きな違いの一つです。

③助成金と比較して、金額が大きい

 以上の点からみると、補助金は採択に至るまでのハードルがとても高いように感じます。しかし、大きな利点として、助成金と比較すると給付される金額が大きいことが挙げられます。

補助金はビジネスの活性化が大きな目的であるため、新規事業の開拓や研究開発の推進に向けて交付されるものが多く、交付上限額が高めに設定されています。事業内容や規模にもよりますが、多くは数十万~数百万円以上であり、中には数千万円の給付が受けられる補助金も存在します。助成金の場合は、おおむね数十万円、高くて100万円程度のケースが多いようです。

 それぞれの補助金によって上限額が異なり、補助率も変わってきます。例えば、事業実施に300万円かかり補助率が2/3の場合、そのうちの200万円が交付される金額、残りの100万円は自己資金となります。全額補助の補助金も存在しますが、要件が非常に厳しかったり、特定の都道府県に拠点を置く事業者のみが対象だったりと、活用が難しいことが多いようです。

申請から入金までの流れとは?小規模事業者持続化補助金にて解説

 補助金について、イメージは掴めたでしょうか?

 ここで「小規模事業者持続化補助金」を例に取り、具体的に流れを確認していきましょう。

 補助金をもらいたい! と思ったら、まずは申請書を作成する必要があります。申請書は応募するものによって独自の形式があり、応募するタイミングによってはフォーマットが変更されることもあります。必ずホームページを確認し、最新のものを使用するようにしましょう。

 主に、このような流れで進めることになります。

 これを見て、皆様はどうお感じになりましたか? 「意外とやることがいっぱいあるんだな・・・」と思われた方も多いのではないでしょうか?

 ですが、今回例に挙げた「小規模事業者持続化補助金」は、補助金の中では手続きが簡潔な方であると言われています。世の中には多くの補助金が存在し、その数は数千に上るとも言われています。

 国だけではなく、都道府県独自の補助金も存在し、現在公募されている正確な数を把握するのも非常に難しいようです。もっと複雑なものになると、審査の一環として面接を実施したり、事業実施中に中間報告を行う必要があったり、補助金によって手順は様々です。

 どの補助金でも各省庁のホームページを確認していただければ、補助金の交付対象や公募期間、提出すべき書類が記載された要項が提示されておりますので、このコラムを見て補助金に興味が出てきたという方は、ぜひ確認してみてください!

補助金を上手に活用して、事業をもっと拡大しませんか?

 今回は、前半で助成金と比較して補助金の特徴について解説、後半で小規模事業者持続化補助金を参考に、補助金の入金があるまでの流れを紹介いたしました。小規模事業者持続化補助金についてもっと知りたい方はこちらへ。

個人事業主も使える事業拡大のチャンスを掴む小規模事業者持続化補助金

 補助金については、経済産業省が提供している「ミラサポplus」をはじめとして、用途やフリーワードを用いた補助金の検索ができるサイトがいくつかあります。まずはそれらを活用し、自身の事業内容に合った補助金を探すところから始めてみませんか?

 また、弊所では「小規模事業者持続化補助金」の申請サポートを新たに開始しました。申請サポートを行った事業者が採択された実績を持つ職員が対応させていただきます。詳細はお気軽にお問い合わせください!

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税理士 山本聡一郎
山本聡一郎税理士事務所 代表税理士。1982年7月生まれ。名古屋市中区錦(伏見駅から徒歩3分)にてMBA経営学修士の知識を活かして、創業支援に特化した税理士事務所を運営。クラウド会計 Freeeに特化し、税務以外にも資金調達、小規模事業化持続化補助金などの補助金支援に力を入れている。
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