「サラリーマン副業」会社にバレないための5つの対策

ここ数年の起業ブーム、平成28年の「働き方改革実現会議」、新型コロナによる自宅待機・リモートワークなどの働き方の変化により、サラリーマンで副業される方が急増しました。

けれども、いまだに「日本の半数以上の企業が社員の副業を禁止している」と言われています。もしも勤めている会社が副業を禁止している場合、副業が発覚することで、出勤停止や降格・減給など何かしらの処分が下されるかもしれません。また、副業が原因で会社に損害を与えてしまった場合は、懲戒解雇や最悪の場合は損害賠償を請求されてしまうリスクもあります。

サラリーマンで副業をされている方、またはこれから始めようと考えられている方は、その辺りを十分注意する必要があります。

理想としては「副業を推奨している会社」で堂々と副業をすることですが、そのような会社は日本ではまだまだ少数派です。また、会社としては「副業を禁止していない」と言ってはいるものの、社内では部下の副業に対して「本業に集中できなくなるのでは…。」と、難色を示す上司も少なくありません。

ご自身が所属する会社が「副業」に対してどのようなスタンス・方針であるのかを事前にしっかり確認した上で、副業の計画を立てていきましょう。

ここからは、会社にバレない「サラリーマン副業」について5つの対策を紹介していきます。

あらかじめお伝えしておきたい事は、どのような対策を取ったとしても「バレるリスクをゼロにすることはできない」ということです。

そのため、どれも効果を100%保証をするものではありませんので、その点だけはあらかじめご了承ください。

バレない対策①住民税を普通徴収で納付する

副業が会社にバレる一番の原因は「住民税」と言われています。

住民税は前年の所得額に応じて納付額が決まるため、副業で所得が増えると住民税の額が上がります。

給与所得者の場合、住民税は「特別徴収」と呼ばれる方法で納付されます。所得税の源泉徴収と同じように、給与から天引きして事業者が各個人に代わって市区町村に納付するというやり方です。給与天引きなので、もちろん会社側が手続きを行います。昇給していないにも関わらず住民税の金額が増えると、会社は副業を疑うのです。

そこで、「普通徴収」と呼ばれる方法を選べば、住民税に関する通知書も納付書も自宅に届くので会社に知られることはありません。

けれども、自治体によっては給与所得者の「普通徴収」を認めていないところもありますので、ご自身がお住まいの自治体がどうなのか調べてみる必要があります。

また、これまでずっと特別徴収だった人が、突然「普通徴収」に切り替えることで、「副業」を疑われてしまうケースもあります。

サラリーマン副業会社にバレないための5つの対策

バレない対策②必ず確定申告を行い、所得額の調整を行う

副業でも必ず確定申告は行ってください。(年間所得20万円以下は不要)

ここで紹介する内容は少しテクニックが必要になります。

副業の所得は、売上ー経費=所得 という形で計算されます。

まず、経費部分をうまく調整して、副業で大幅な赤字や黒字を出さないようにします。

来年度の住民税の額が変わらないようサラリーマンの所得額からできるだけ大きく増減しないように調整するのです。副業の所得を0円にすると、実質の所得はサラリーマンの所得だけになるので、住民税の額は変わりません。

所得が多めに出てしまった場合は、医療費控除や生命保険控除などの控除とうまく相殺して前年の所得に近づけることもできます。

①で紹介した、普通徴収ができない場合には、これらの方法が有効です。

ただし、これらを行うには、正しい税金の計算方法や節税に関する知識を学ぶ必要があります。

また、売上を増やしすぎないなど、計画的にお金の流れを調整する必要があるので上級者のテクニックとも言えます。

余談ですが、副業の赤字はサラリーマンの所得と相殺することが可能です。これを「損益通算」と呼びます。相殺すれば全体の所得は下がるので所得税や住民税を節税できます。少々のことでは問題はありませんが、あまりに金額が大きい場合は会社に副業がバレてしまうリスクが上がってしまうので、あまり大幅な赤字を出さないようにしましょう。

※「年間所得が20万円以下の場合は確定申告は不要だから会社にバレない」と言われていますが、これは所得税の話です。

確定申告が不要でも、所得がある場合は住民税の申告は必要です。利益の10%住民税は加算されます。申告を行わないと住民税の未納が発生します。納付が遅れた場合、延滞税がかかります。延滞税は14.6%と決して安いものではありませんので、確定申告を行わない場合は住民税を忘れずに申告するようにしましょう。

バレない対策③給与所得ではなく、事業所得・雑所得にする

「副業」と聞いて、スキマ時間でのアルバイトをイメージされる方もいますが、アルバイトの給料は給与所得に該当しますので、会社に内緒の場合はお奨めしていません。

なぜ給与所得がいけないのか、理由は住民税の徴収の仕組みにあります。

給与所得は全て合算されて住民税額が計算され、主たる給与支払者(今回の場合は本業で勤める会社)から特別徴収されます。それにより住民税が上がったことが会社に知られてしまい、副業がバレてしまうのです。

そのため、副業では給与所得ではなく、事業所得か雑所得にしましょう。

なお、事業所得の場合、日々の取引を記録する帳簿を作成する必要があります。その際は会計ソフトなどを利用していきましょう。

また、開業届や青色申告承認申請書を出すことにより様々なメリットを受けることができます。これらの手続きをしたから、会社にバレるということはありません。

開業届を出すことによるメリットをまとめた記事がこちらになります。

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バレない対策④ネット発信では自分の名前を出さない・副業を口外しない

副業が会社にバレるのは、お金関係の手続きからだけではありません。何気ない会話からも副業を知られてしまうことはあります。

副業を始めると、ネットを活用する機会も増えてきます。

そこで、SNSやブログを使って発信をする際は、極力自分の本名が表に出ないように工夫することが必要です。SNSであれば屋号で公式アカウントを作ったり、ブログも屋号や匿名で配信するのが良いでしょう。

また、副業で調子が良くなったり、「人脈を広げたい」と思うと、つい軽い気持ちで副業をしていることや、事業の話を身近な人にしてしまいそうになりますが、話す相手はしっかり選ぶようにしましょう。何気ない話が上司の耳に届いてしまうこともあります。また同僚からの密告で副業がバレてしまうこともあります。

自分が発信する情報については、伝える内容・相手を十分に考慮した上で注意深く行うことが大切です。

サラリーマン副業会社にバレないための5つの対策

バレない対策⑤ポイ活・モニター・フリマアプリの活用は副業に該当しない

最後は「バレない対策」というより、副業として禁止されないものを紹介します。

「会社がどうしても副業に対して厳しい」ということであれば、まずはポイ活・アンケートモニター・フリマアプリの活用から始めてみるのはいかがでしょうか。

副業には厳しくても、ポイ活・アンケートモニター・フリマアプリでの販売なら「副業に該当しない」という会社はたくさんあります。自分の不用品をただ売るだけであれば、事業ではなく、プライベートな活動の一環として捉えられます。けれども、輸入してせどりまで行ってしまうと、これは立派な副業であると解釈されてしまいますのでご注意ください。

他にもアフィリエイトブログやハンドメイド販売などありますが、これらも趣味の延長と言える範囲内であれば「事業ではない」と言い切ることができます。

けれどもこちらもあまりに月々の収入が高額になる場合は、「副業」扱いされることもありますので、ご注意ください。

以上、「サラリーマン副業、会社にバレないための5つ対策」を紹介いたしました。

副業にご興味がある方は、ぜひ今回の記事を参考にしていただければ幸いです。

副業も「一つの事業」であることには変わりません。事業を始めるのであれば、最低限お金のことについてしっかり学んでおく必要があります。

税金の仕組み、経費とはどんなものがあるのか、どのような所得の種類があるのか、節税・事業主向けサービスなど、知るべきことは非常にたくさんあります。これらを知れば、会社にバレないためにの対策を自分で考えて上手に活用することができます。

また、副業を(事業として)良い方向に成長させることが可能です。

副業に関することは、山本聡一郎事務所にご相談ください

サラリーマンの副業は法律では禁止されていません。むしろ日本社会全体ではサラリーマンの副業を推奨しています。けれども、未だに副業を禁止してる会社も数多く存在します。

「サラリーマンを辞めるつもりはないが、副業も何とか続けていきたい」という方は、できるだけ気持ち良く・心配事もなく副業が続けられるように、税金やお金、事業に関する知識を身に付けていきましょう。

  • 副業を始めたけれど、お金に関する知識が全くない
  • サラリーマン副業を検討している
  • 主婦でパートと両立できる副業を探している
  • 副業の始め方を知りたい

これらの副業に関するご相談も、山本聡一郎税理士事務所にお任せください。

 

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税理士 山本聡一郎
山本聡一郎税理士事務所 代表税理士。1982年7月生まれ。名古屋市中区錦(伏見駅から徒歩3分)にてMBA経営学修士の知識を活かして、創業支援に特化した税理士事務所を運営。クラウド会計 Freeeに特化し、税務以外にも資金調達、小規模事業化持続化補助金などの補助金支援に力を入れている。
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