起業をお考えの方にとって、資金の調達は大きな課題の一つかもしれません。助成金や補助金など、返済の必要がない支援制度が国や地方公共団体などから提供されていることをご存じでしょうか。
本記事では、女性起業家が活用できる助成金や補助金、資金調達方法について具体的に解説します。女性の起業を後押ししてくれる制度もありますので、ぜひ支援を活用しながらビジネスに必要な資金を確保し、大きく前進するためにお役立てください。
このページの目次
女性起業家におすすめの助成金
おすすめの助成金としては、独立行政法人 中小企業基盤整備機構の助成金「地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)」や、厚生労働省の「雇用関係助成金」などが挙げられます。
これらの助成金には柔軟性があり、包括的なサポートがあるだけでなくさまざまなニーズにも応えられるため、起業する女性におすすめです。
【地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)】
地域中小企業応援ファンドとは、地域のコミュニティ発展に貢献する事業の創業や、新規ビジネスの開拓を目指す起業家向けの助成金制度です。中小企業やベンチャー企業の創業を計画している方々を主な対象としています。
助成金の支給は各都道府県のファンドが運営する形で行われ、固定ではなくファンドによって助成内容が異なる点が特徴です。申請は原則、起業予定の会社の本店所在地がある都道府県で行う必要があります。
助成率は平均で半分から3分の2程度であり、この助成金には返済義務がなく、中には数年間にわたって支援を受けられるファンドもあります。
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・女性起業家にもおすすめのポイント
地域の新規事業開発を通じて資金面や経営面での支援が成立すれば、女性起業家は新しいビジネスアイデアを実現しやすくなるでしょう。
また、事業の成長段階に応じて製品開発や市場拡大などを支援してくれるケースもあり、特にスタートアップ段階にある女性起業家にとっては有益と考えられます。
【厚生労働省の雇用関係助成金について】
事業主を支援するためのさまざまな制度が、厚生労働省が提供する雇用関係助成金です。
仕事と介護の両立支援や、育児休業取得・職場復帰に取り組む「仕事と家庭の両立支援関係等の助成金」、母子家庭の母などを雇い入れる「雇入れ関係の助成金」などが含まれます。
雇用関係助成金は、主に以下の8つの分野に分類されています。
- 雇用維持関係の助成金
- 在籍型出向支援関係の助成金
- 再就職支援関係の助成金
- 転職・再就職拡大支援関係の助成金
- 雇入れ関係の助成金
- 雇用環境の整備関係等の助成金
- 仕事と家庭の両立支援関係等の助成金
- 人材開発関係の助成金
それぞれの助成金には金額や助成率が個別に設定されており、事業主が利用しやすいようになっています。従業員を持つ女性起業家にとっても、さまざまな課題に対応するための支援策となるでしょう。
女性が起業する際に役立つ融資と支援制度
起業を考える女性におすすめしたい資金面での支援制度には、以下のようなものがあります。
- 日本政策金融公庫の「女性、若者/シニア起業家支援資金」
- 日本政策投資銀行の「女性新ビジネスプランコンペティション」
- 一般社団法人「日本起業アイディア実現プロジェクト」の資金支援策
それぞれについて、以下で詳しくみていきましょう。
【女性、若者/シニア起業家支援資金】
日本政策金融公庫は、開業して7年以内の女性起業家を対象に事業資金の融資を提供する制度を実施しています。
この支援は「国民生活事業」と「中小企業事業」に分けられ、それぞれ融資条件が異なります。
「国民生活事業」では、融資限度額が7,200万円まで、運転資金は最大4,800万円までと定められていますが、特に注目すべきは、無担保かつ保証人不要で最大3,000万円までの融資が可能な「新創業融資制度」が利用できる点です。
一方「中小企業事業」では、融資限度額が最大7億2千万円(直接貸付)に達し、その中の運転資金が2億5千万円までとなっています。どちらの事業も、日本政策金融公庫の全国各支店で申し込みや相談が可能です。
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【女性新ビジネスプランコンペティション】
コンペティションとは、開催者が複数の提案や作品を募集し、その中から最も優れたものを選んで報酬を支払う形式のことです。
日本政策投資銀行が主催する「女性新ビジネスプランコンペティション」は、起業して5年以内の女性起業家が対象で、受賞者には最大1,000万円の事業奨励金が贈られます。
また、受賞後1年間はビジネスの成功を後押しするための事後支援が提供される点も特徴です。
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【「日本起業アイディア実現プロジェクト」の資金支援策】
20歳以上の女性起業家を対象にしたプロジェクトで、2015(平成27)年から毎年実施されています。応募資格は広く、職業や既存の起業状況に関わらず、学生も含めた女性なら誰でも応募可能です。
既に起業している女性でも、新たな事業を始める場合は応募できます。
受賞者には最大200万円の支援金が提供されますが、支給は受賞後に設立された株式会社に対してです。支給元である一般社団法人は株主に該当しません。
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まとめ
厚生労働省の「雇用関係助成金」や、日本政策金融公庫の「女性、若者/シニア起業家支援資金」など、女性が起業する際に活用できる支援制度を紹介しました。
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