プロパー融資とは?メリット・デメリットと審査の流れ

プロパー融資とはメリットデメリットと審査の流れ

プロパー融資は企業の資金調達において重要な選択肢の一つです。

しかし、その特性や審査基準を理解せずに進めるのはリスクがあります。本記事では、プロパー融資の基本知識や利用におけるポイントを解説します。

プロパー融資の基本知識

プロパー融資とは?

プロパー融資とは、金融機関が独自の判断で融資を行うもので、保証会社などの保証を必要としない融資です。

保証料が不要で融資額に制限がないことが特徴ですが、その反面、審査が厳格であるため、事前に企業の経営状況をしっかりと整備しておく必要があります。

創業したての際に使われる融資はほとんどが保証料がかかる融資となります。

プロパー融資の歴史と背景

プロパー融資は、歴史的には、銀行が取引先企業の信用力や経営状況を深く理解した上で、独自の判断で融資を行っていたことに起源があります。

かつては、日本においてもプロパー融資が主流でしたが、バブル崩壊後の不良債権問題や金融規制の強化などを経て、保証付き融資が普及しました。

近年では、金融機関の経営効率化やリスク管理の観点から、プロパー融資の利用が再び増加傾向にあります。

プロパー融資の特性

プロパー融資は、保証付き融資と比べて、以下のような特性があります。

  • 保証料が不要: 保証会社に保証料を支払う必要がないため、資金調達コストを抑えることができます。
  • 融資額に制限がない:保証付き融資のように融資額の上限が設定されることが少なく、企業のニーズに合わせて柔軟に融資を受けることができます。
  • 金利が低い傾向:金融機関が直接企業の経営状況を評価し、リスクを判断しているため、保証付き融資に比べて金利が低い場合が多いです。
  • 審査が厳格:金融機関は、企業の財務状況、経営成績、事業計画などを総合的に評価し、融資の可否を判断します。そのため、保証付き融資に比べて審査が厳しく、書類作成や事前準備に時間を要します。

保証付き融資との違い

保証付き融資は、信用保証協会などの保証機関が融資の保証を行うため、金融機関は比較的審査が緩和されます。

そのため、プロパー融資に比べて融資を受けやすくなっていますが、保証料が発生するというデメリットがあります。

プロパー融資と保証付き融資のどちらが適しているかは、企業の経営状況や資金調達の目的によって異なります。

プロパー融資を受けるメリット

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プロパー融資は、保証料が不要で、融資額に制限がないなど、多くのメリットがあります。特に、以下のようなケースで有効な選択肢となります。

  • 大規模な設備投資や事業拡大など、多額の資金が必要な場合
  • 急な資金需要に対応する必要がある場合
  • 長期的に安定した資金調達を行い、金利負担を抑えたい場合
  • 企業の信用力が高く、金融機関から高い評価を得ている場合

プロパー融資の注意点

プロパー融資は、メリットも多い一方で、注意すべき点もいくつかあります。

・審査の厳格さ

プロパー融資の審査は、保証付き融資に比べて厳格です。

金融機関は、企業の財務状況、経営成績、事業計画などを総合的に評価し、融資の可否を判断します。特に、利益率やキャッシュフローの安定性、返済能力などが重視されます。

そのため、プロパー融資を受けるためには、事前にしっかりと準備を行い、企業の経営状況を改善しておく必要があります。

・返済期間の設定

プロパー融資は、保証付き融資に比べて返済期間が短めに設定されることがあります。

これは、金融機関がリスクを最小限に抑えたいと考えているためです。そのため、プロパー融資を受ける際には、短期的な返済計画を立て、返済能力をしっかりと見極める必要があります。

・金融機関との交渉

プロパー融資では、保証会社などの保証がないため、金融機関との交渉が重要になります。

融資条件や返済計画などについて、しっかりと交渉を行い、企業にとって有利な条件で融資を受けるようにしましょう。

プロパー融資の申請プロセス

プロパー融資の申請には、以下の手順が必要です。

1. 事前の準備

プロパー融資の申請には、以下の書類が必要となります。

  • 貸借対照表
  • 損益計算書
  • キャッシュフロー計算書
  • 事業計画書
  • 過去の取引実績

これらの書類は、金融機関が企業の経営状況を評価するために必要となるため、正確かつ詳細に作成する必要があります。

特に、事業計画書は、今後の事業展開や資金使途を明確に示すことが重要です。また、過去の取引実績は、企業の信用力を示す重要な資料となるため、しっかりとまとめることが大切です。

2. 金融機関への相談

事前に金融機関に相談し、融資の可否や条件について確認しましょう。

金融機関によっては、プロパー融資の専門窓口を設けている場合もあります。

3. 融資の申し込み

金融機関から融資を受けることが決まったら、正式に融資を申し込みます。

必要書類を提出して、審査を受けます。

4. 融資実行

審査に通過すれば、金融機関から融資が実行されます。

融資実行後には、返済計画に従って、きちんと返済を行うようにしましょう。

プロパー融資の成功へのステップ

プロパー融資は、適切に活用すれば、企業の成長に大きく貢献する資金調達手段となります。

しかし、その反面、審査が厳格で、返済計画の策定も重要となるため、十分な事前準備と正確な情報提示が不可欠です。

プロパー融資を受けるためのステップは以下の通りです。

1. 経営状況の分析と改善

まず、自社の経営状況をしっかりと分析し、プロパー融資の審査基準を満たせるように改善することが重要です。

特に、利益率、キャッシュフロー、返済能力などを強化する必要があります。

2. 資金調達の目的と計画の明確化

プロパー融資は、目的が明確で、実現可能な計画に基づいて行われることが重要です。

資金調達の目的を明確にし、具体的な計画書を作成しましょう。

3. 適切な金融機関の選定

プロパー融資は、金融機関によって審査基準や融資条件が異なります。

自社のニーズに合った金融機関を選び、事前に相談を行いましょう。

4. 専門家への相談

プロパー融資の申請は、専門知識が必要となるため、税理士や金融コンサルタントなどの専門家に相談することをおすすめします。

専門家は、企業の経営状況や資金調達の目的を理解した上で、最適な融資条件や申請方法をアドバイスしてくれます。また、金融機関との交渉を代行してくれる場合もあります。

5. 返済計画の策定

プロパー融資では、返済能力をしっかりと見極め、無理のない返済計画を立てることが重要です。

返済計画は、金融機関との交渉の際に提示する必要があり、審査の重要な要素となります。

プロパー融資は、適切に活用すれば、企業の成長に大きく貢献する資金調達手段となります。

しかし、その反面、審査が厳格で、返済計画の策定も重要となるため、十分な事前準備と正確な情報提示が不可欠です。

プロパー融資を受ける際には、企業の経営状況、資金調達の目的、返済能力などをしっかりと見極め、専門家のアドバイスを参考にしながら、慎重に判断することが重要です。

融資を検討している場合にはぜひご相談ください

今回は、プロパー融資についてお伝えしました。

創業期は保証協会による融資が主流となりますが、返済実績を残し、後々にプロパー融資を目指すことが王道となります。

つまり、金融機関に対する実績を作ることです。今は融資は必要ないと思われる方もいるかもしれませんが、まずは信用実績のために

少額の借入を起こしてみるのもおすすめです。

山本聡一郎税理士事務所では、金融機関と連携させていただいていることで、数多くの融資サポートの実績があります。

融資を検討している方はぜひご相談ください。

なお融資についてもっと知りたい方はこちらの記事がおすすめです。

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税理士 山本聡一郎
山本聡一郎税理士事務所 代表税理士。1982年7月生まれ。名古屋市中区錦(伏見駅から徒歩3分)にてMBA経営学修士の知識を活かして、創業支援に特化した税理士事務所を運営。クラウド会計 Freeeに特化し、税務以外にも資金調達、小規模事業化持続化補助金などの補助金支援に力を入れている。
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