小規模法人・個人事業主におすすめ・法人カードを導入するメリット3選

法人や個人事業主にとって、法人カードは、日々の業務において便利で効率的な支払い手段となります。
法人カードとは、事業用のクレジットカードのことを指します。ビジネスカードとも呼ばれており、法人だけでなく個人事業主も利用することができます。

今回は、小規模の法人や個人事業主が法人カードを使うメリットを3つ紹介します。

今回の記事を読まれることで、法人カードのメリットを上手に利用して、時間・労力・お金という3点のコストを下げることが可能になるでしょう。

①キャッシュレス化で支払いや小口現金管理の手間がなくなる

法人カードを利用することで、支払いや小口現金のやり取りをキャッシュレス化することができます。

現金を用意する手間が省けるため、時間の節約になります。

また、小口現金の管理は想像以上に手間がかかります。現金なので慎重に扱わなくてはいけない上に、定期的に残高をチェックする必要もあります。

つまり、現金のやり取りを減らすだけでも業務が格段に楽になるため、ぜひ取り入れたいものです。

ここ最近では、キャッシュレス化に伴い、決済方法がクレジットカードや電子マネー限定というサービスも増えました。

忙しい経営者に欠かせないオンラインコミュニケーションツールや、業務効率化ツールなどのサブスクの支払いも、ほぼクレジットカード決済です。

このようにクレジットカードがないと利用できないサービスも増えてきているので、ぜひとも法人カードを1枚は作るようにしましょう。

②経費利用は金額が大きいため、カードのポイントがたまりやすい

事業では、個人のお財布からは想像できない金額を支払うことがよくあります。

それらを法人カードで決済することで、ポイントの恩恵を受けることができるのです。

決済の金額が高い分、還元されるカードのポイントは増えていきます。

ポイント還元率はカードの種類や条件によって異なるため、カード選びの際は必ず確認するようにしましょう。

事業での支払いは、できるだけ現金よりも法人カードで決済するようにしましょう。それだけで、その分のポイントを得ることができます。

また、多くのカードは、ポイントをカード利用分の支払いに充てることができるので、法人カードを利用するだけで、経費を使いながら経費削減が可能になります。

現金支払いではポイントは一切つきません。

個人事業主や小規模の法人がポイントで毎月数千円分でも恩恵を受けることは、想像以上に大きなメリットがあります。
業種にもよりますが、数千円分の利益を出すためにどれだけ売上げる必要があるか、ぜひ計算してみてください。
それが、仮に1-2万円くらいだとします。
そうなると、支払い方法を法人カードに変えるだけで、毎月1-2万円分の売上げを確保したことと同じ効果があるということなのです。

③クラウドサービスの利用で経理入力の手間がなくなる

法人カードを利用することで、クラウドサービスとの連携が可能となります。クラウド会計について詳細を確認したい方はこちらの記事がお勧めです。

創業時からクラウド会計を導入するメリット・デメリットとは?

クラウド会計により、経理入力の手間を大幅に削減することができるのです。

例えば、法人カードと経理システムを連携させることで、法人カードの利用履歴が自動的に経理システムに反映されます。これにより、経理業務の時間や手間を大幅に削減することができます。

さらにこれの良いところは「入力ミスを防げる」という点です。

できるだけ手入力しなくて済むように、可能な限り法人カード決済に切り替えていきましょう。

また、法人カードは、個人用カードと異なり、法人名義で発行されるため、業務とプライベートを明確に分けることができます。

これにより、業務とプライベートの混同を避け、経理処理の精度や信頼性を高めることができるのです。

法人カード利用の注意点

個人用カードでも同じことが言えますが、カードは計画的に利用しましょう。

一番注意しなくてはいけないのが、使い過ぎによる支払いの滞納です。法人カードの支払い滞納は信用情報に傷が付くなど、デメリットしかありません。

まだ売上が安定していない創業直後は出費も増えますし、代表者もまだ資金繰りに慣れていない状態なので、特に注意しなくてはいけません。

また、クレジットカードの請求書や利用明細は、電子データとして適切に保管しておく必要があります。(※電子帳簿保存法により電子データの保存が義務化されました。)
毎月決めたタイミングで、カード会社のマイページから明細書をダウンロードしておきましょう。

法人カードの選び方

ここでは、法人カードを選ぶ際の基準について、簡単にお伝えします。

・利用限度額

法人カードを選ぶ際は、事業に必要な金額をカバーできるように、利用限度額を確認して選ぶことが必要です。一般的にはカードのランクが上がると利用限度額が上がりますが、審査が必要な場合もありますので、その点は確認するようにしましょう。

・ポイント還元率

ポイント還元率は、経費の多いビジネスマンにとっては重要なポイントです。ポイント還元率が高ければ、業務での支払いが多い場合でもポイントをためることができ、コスト削減につながります。

・年会費

年会費は、法人カードのランニングコストの一つです。年会費が高いカードを選ぶと、利用ポイントや特典などで得たメリットが相殺されてしまう場合があるため、自社の利用状況に応じて年会費を比較し、選ぶようにしましょう。

けれども、年会費が高いカードはサービスがとても充実しています。そのため一概に年会費が無料・安い方が良いとも言えません。サービス内容に価値があるのであれば、年会費を支払ってでも利用した方が良い場合もあります。

・サービス内容

カード発行会社によって提供されるサービス内容が異なります。例えば、クラウドサービスを提供しているカードもあり、経理処理の効率化に役立ちます。また、海外旅行保険や空港ラウンジサービスなど、ビジネスシーンで活用できるサービスもあります。自社のニーズに合わせて、サービス内容を比較することが重要です。

・カードの利用範囲

法人カードを、国内だけでなく海外でも利用する予定はありますか?自社の業務に合わせて、利用範囲を確認して選ぶようにしましょう。

以上を踏まえて、自社の業務ニーズに合った法人カードを上手に選んでいきましょう。

ここでは具体的には触れませんが、どんな法人カードが自分の事業に合うのか、周囲の経営者やお金の専門家に相談してみても良いでしょう。

個人事業主や小規模法人の場合、どうしても代表者の業務負担が大きくなるため、その負担を少しでも軽減する工夫が必要になります。

そのためにも、特に会計関係では(直接売上につながらない業務だからこそ)上手にツールを使ったり専門家に相談していただきたいと思います。

法人カードをコスト(時間・労力・お金)削減のツールとして上手に使ってください。

経理処理の簡略化については、ぜひ一度税理士にご相談ください

法人カードを使うメリットの一つとして、クラウドサービスとの連携による経理処理の簡略化をお伝えしました。

クラウドサービスの導入手続きはご自身でも可能ですが、十分なサポートを受けるには税理士にご依頼いただくことをお勧めいたします。

クラウドサービスのご利用以外にも、税理士としてアドバイスできることがたくさんあります。
これから法人カードや、クラウドサービスの導入をご検討されている方はぜひ一度、ご相談ください。

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税理士 山本聡一郎
山本聡一郎税理士事務所 代表税理士。1982年7月生まれ。名古屋市中区錦(伏見駅から徒歩3分)にてMBA経営学修士の知識を活かして、創業支援に特化した税理士事務所を運営。クラウド会計 Freeeに特化し、税務以外にも資金調達、小規模事業化持続化補助金などの補助金支援に力を入れている。
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