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知らずに違反?経営コンサルタントが注意すべき税理士法の落とし穴
近年、経営コンサルタントの活躍の場が広がる一方で、税理士法違反のリスクも高まっています。特に、中小企業の経営者は、税務に関する知識が不足していることが多く、コンサルタントの助言を鵜呑みにしてしまうケースも少なくありません。
コンサルタント自身も、知らない間に税理士法違反行為をしてしまったということがあります。
今回は、経営コンサルタントが税理士法違反に陥らないために、注意すべき境界線について解説します。
コンサルタントに限らず、事務系のサポートをされている事業者・フリーランスの方もぜひ一度この記事をチェックしてみてください。
税理士法で定められた税理士業務の範囲
税理士法では、税理士の独占業務として、以下の3つを定めています。
- 税務相談: 税務に関する具体的な相談に応じること
- 税務書類の作成: 税務署などに提出する書類を作成すること
- 税務申告の代行: 税務署などへの申告手続きを代わりに行うこと
これらの業務は、税理士資格を持たない人が行うと、税理士法違反となります。
税理士法は、税務に関する専門家である税理士が、納税者の権利を保護し、適正な納税を支援するために設けられています。
税理士の独占業務は、税務に関する専門的な知識と経験が必要とされるため、税理士以外の人が行うと、納税者に不利益が生じる可能性があるからです。
経営コンサルタントが税理士法違反となるケース
経営コンサルタントが前章でお伝えした税理士の独占業務を行うと、税理士法違反となり、罰則を受ける可能性があります。
税務に関する相談や書類作成の依頼があった際は、顧問税理士に依頼するようにしましょう。
※税理士資格を持つコンサルタントや、税理士が在籍する業者であれば問題はありません。
アドバイスや代行はNG
基本的に税理士資格のない人が、節税アドバイスや決算書類の作成を行うことは禁止されています。
よくあるのは「税理士さんも教えてくれない節税テクニックがあります。」というようなフレーズですが、これは完全に税理士法違反になります。
入力処理は、「ただの作業」であれば可
会計ソフトへの入力処理は、税務書類の作成に該当する可能性があります。
特に、税務判断を伴う入力や、税務申告に必要な数値を算出する入力は、税理士法違反となるリスクがあります。
例えば、減価償却の計算や、税務上の特例の適用判断などは、税務判断を伴うため、税理士が行うべき業務です。
経営コンサルタントは、会計ソフトの入力処理を行う場合でも、税務判断を伴う入力は避け、税理士に相談するようにしましょう。
ただし、領収書の内容(日付、価格など)をマニュアル通りに入力するだけの「作業」を、顧問税理士の監督下で行う場合は問題ありません。
よく資格のないパート職員や自営業の妻が経理業務をするケースがありますが、それが成立するのは、判断が必要のない作業の部分だけを担っているためです。
経営者本人が自力で決算書を作成するのは違反にはならない
会社法や法人税法などの法律では、決算書の作成自体は経営者自身が行っても問題はないとされています。
ただし、これは「法的に問題がない」というだけに過ぎず、税務、会計の専門的な観点からはリスクが残ります。
決算書作成業務を自ら行うことは、時間や労力がかかります。
また、誤った決算書を作成してしまい税務調査で指摘を受け、追徴課税などのペナルティが課される恐れもあります。
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税理士法違反の具体的事例
経営コンサルタントが税理士法違反となる具体的な事例を3つご紹介します。
事例1:節税コンサルティングと税務判断
経営コンサルタントが、顧問先の企業の税務状況を分析し、「この特例を使えば節税できます」「この費用を計上すれば税金を減らせます」など、具体的な節税方法を提案する。
これは、税務判断を伴う税務相談に該当し、税理士法違反となる可能性があります。
事例2:決算書作成と税務書類の作成
経営コンサルタントが、顧問先の企業の会計ソフトのデータをもとに、決算書や税務申告書を作成する。
これは、税務書類の作成に該当し、税理士法違反となります。
特に、減価償却費の計算や税額計算など、税務判断を伴う計算を行う場合は、税理士法違反となる可能性が高いです。
事例3:税務調査の対応と税務代理
経営コンサルタントが、顧問先の企業の税務調査に立ち会い、税務署との交渉や書類の提出などを行う。
これは、税務代理に該当し、税理士法違反となります。
税務調査の対応は、税務に関する専門的な知識と経験が必要とされるため、税理士の独占業務とされています。
経理事務代行の落とし穴
近年、経理事務代行サービスを利用する企業が増えています。
しかし、経理事務代行サービスの中には、税理士法違反となる可能性のある業務を行っている業者も存在します。
経理事務代行サービスを利用する際は、税理士法違反のリスクを十分に理解しておく必要があります。
例えば、
- 税務相談
- 税務書類の作成
- 税務申告の代行
これらの業務は、税理士の独占業務であり、税理士資格を持たない人が行うと、税理士法違反となります。
経理事務代行サービスを選ぶ際は、これらの業務を行っていないか、事前に確認することが重要です。
経理事務代行サービスを選ぶ際は、以下の点に注意しましょう。
- 税理士資格を持つ人が在籍しているか
- 税理士法を遵守しているか
- 契約内容をよく確認する
これらの点を確認することで、税理士法違反のリスクを回避し、安心して経理事務代行サービスを利用できます。
税理士と経営コンサルタントの業務の違い
税理士は、税務・会計の専門家として、税務相談や税務書類の作成、税務申告の代行などを行います。
一方、経営コンサルタントは、経営戦略や業務改善など、経営全般に関するアドバイスを行います。
税理士は、税務・会計に関する専門的な知識と経験に基づいて、顧客の税務・会計に関する課題を解決します。
経営コンサルタントは、経営に関する幅広い知識と経験に基づいて、顧客の経営課題を解決します。
税理士法違反のリスクと罰則
税理士法違反は、2年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
また、社会的な信用を失うリスクも高まります。
税理士法違反は、顧客だけでなく、経営コンサルタント自身の信頼も失う行為です。
税理士法を遵守し、顧客との信頼関係を築きましょう。
経営コンサルタントが税務に関する業務を行う際の注意点
経営コンサルタントが税務に関する業務を行う際は、以下の点に注意する必要があります。
- 税務に関する相談には、一般的な情報提供にとどめる
- 税務書類の作成や税務申告の代行は、税理士に依頼する
- 税務に関する情報提供を行う際は、税理士の監修を受ける
これらの注意点を守ることで、税理士法違反のリスクを回避できます。
税務に関する業務を行う際は、常に税理士法を意識し、適切な対応を心がけましょう。
税理士との連携の重要性
経営コンサルタントは、税理士と連携することで、顧客に質の高いサービスを提供できます。
税理士と協力し、顧客の税務・会計に関する課題を解決しましょう。
税理士との連携は、顧客の満足度を高めるだけでなく、経営コンサルタント自身の専門性向上にもつながります。
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まとめ
経営コンサルタントは、税理士法違反に注意し、税理士との連携を強化することで、顧客からの信頼を高めることができます。
税務に関する専門的な知識が必要な場合は、税理士に相談することをおすすめします。
税理士との連携は、顧客の税務・会計に関する課題を解決するだけでなく、経営コンサルタント自身の専門性向上にもつながります。
税理士資格をお持ちでない経営コンサルタントや事務代行業者の方は信頼できる税理士とアライアンスを組んでおくことで、よりビジネスの成長に繋げることができます。
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フリーランスの自宅事務所における家事代行費用の経費計上ガイド

共働き家庭の増加により、家事代行サービスの需要は年々増えています。
これらのサービスは、自宅事務所で働くフリーランスや個人事業主にとっても、「仕事に従事する」時間を生み出す手段として重宝されることが増えてきました。
実際に自宅事務所を持つフリーランスの方々から、家事代行費用の経費計上について多くの問い合わせが寄せられています。
けれども、もともと家事代行といえば、食事の準備(炊事)や洗濯、風呂掃除などプライベートでの利用が主であり、事業経費にできるか気になるところですよね。
今回の記事では、フリーランスの方が家事代行費用を経費計上できるのか、またその際の条件や注意点について、税理士監修のもと詳しく解説します。
フリーランスの自宅事務所で家事代行費用を経費にできるのか?

フリーランスの自宅事務所における家事代行費用を経費にできるかは、「その支出が事業に関連しているか」によって決まります。
税務上、経費として認められる支出は、事業遂行に直接必要な費用に限られます。
家事代行が経費として認められる可能性があるケース
フリーランスの自宅事務所において、以下のような場合、家事代行費用の一部が経費として認められることがあります。
・自宅事務所や倉庫スペースの清掃
・商品や資料を保管しているスペースの整理整頓
・仕事部屋の定期的な掃除や片付けのための代行作業
これらの作業は事業の運営に必要なものとして判断される可能性があり、経費として計上できる余地があります。
家事代行が経費として認められないケース
一方で、以下のようなケースでは事業と直接関係がないとみなされ、経費として認められません。
・リビングやキッチンなど、プライベートな空間全体の清掃
・家族のための料理や洗濯などの一般的な家事
・事業運営とは無関係な個人的な利用
これらは税務上「個人的な支出」と見なされるため、経費計上には適しません。
家事代行費用を経費に計上するための条件

フリーランスが自宅事務所の家事代行費用を経費計上する際、税務調査で指摘を受けないようにするためには、以下の条件をクリアする必要があります。
事業スペースとプライベートスペースを明確に区分する
自宅を事務所として利用している場合、事業に使用するスペースを明確に区分することが重要です。
たとえば、事務所として使用している部屋の面積を算出し、全体の何割が事業利用なのかを記録します。
これに基づいて家事代行費用を按分することで、経費計上の正当性を証明できます。
領収書や明細書を保管する
家事代行業者から発行される領収書や明細書には、利用内容が具体的に記載されています。
これらに「事務所清掃」などの事業関連項目が明示されている場合、経費として認められる可能性が高まります。
必ずこれらの書類を保管し、税務調査時に提出できるようにしておきましょう。
按分ルールを設定する
家事代行費用全額を経費にするのではなく、事業部分に限って按分する必要があります。
按分率は、床面積や使用頻度などを基準に算出し、合理的な説明ができるようにしておきましょう。
家事代行費用を経費計上する際の注意点

証拠書類をきちんと管理する
税務調査では、費用の妥当性を証明するための書類が必要です。家事代行サービスの契約書や領収書を保管し、具体的な利用目的が分かるようにしておきましょう。
特に、自宅事務所の清掃に関連する利用内容が明示されている場合は、経費として認められやすくなります。
消費税の処理を正確に行う
課税事業者の場合、家事代行費用の一部に消費税が含まれるため、その処理を正確に行う必要があります。
事業関連の消費税分を控除する際は、家事代行業者から受け取った請求書や領収書をもとに計算します。
減価償却資産との混同を避ける
家事代行費用は通常、外注費として経費処理されますが、自宅事務所のリフォームや設備購入費は減価償却資産として扱われることがあります。
それぞれの処理方法を混同しないよう注意が必要です。
家事代行費用を経費にした成功事例

事例1:プログラマーAさん
Aさんは自宅の一部を事務所として使用しています。週に一度、事務所スペースの清掃を目的に家事代行サービスを利用し、その費用の30%を経費として計上しました。
税務調査時には、床面積の割合と利用明細を提出し、適切な経費処理として認められました。
事例2:ライターBさん
Bさんは資料保管スペースを兼ねた自宅事務所を運営しており、資料整理や清掃のために月1回家事代行サービスを利用。その費用を按分し、経費計上しました。
領収書とサービス内容の説明を用意したことで、税務署からの指摘を回避できました。
家事代行費用を経費にする具体的な方法

按分率を計算する
自宅全体の面積に占める事務所部分の割合を算出します。これを基に、家事代行費用を合理的に按分します。
この按分計算は、今回の家事代行以外にも冷暖房費や家賃など自宅事務所に関する様々な経費の計算で使用しますので、一つ明確な基準を作っておきましょう。
明細に記載されたサービス内容を確認する
領収書や契約書に「事務所スペース清掃」など具体的な利用内容が記載されている場合、経費として認められる可能性が高まります。
税理士に相談する
税務上の判断が難しい場合、税理士に相談することで適切な経費処理が可能になります。
不明点があれば早めに専門家の助言を受けましょう。
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フリーランスのためのベストな自宅事務所経費管理

フリーランスが自宅事務所の経費を適切に管理するためには、体系的なアプローチが必要です。このような基準やフローを作っておくことで、家事代行に限らず、自宅事務所に関する経費の計算の際にも役立ちますので、これを機にぜひ取り入れてみてください。
1・年間の家事代行サービス利用計画の策定
・定期的な清掃スケジュールの設定
・予算配分の明確化
・利用頻度の最適化検討
2・事業用途と私用の明確な区分管理システムの確立
・専用の事業用清掃時間帯の設定
・作業内容の明確な区分け
・利用目的ごとの記録管理
3・デジタル領収書管理ツールの活用
・スキャンデータの保管
・クラウドバックアップの実施
・カテゴリー別の整理
4・月次での経費精算と確認作業の実施
・定期的な経費計算の実施
・按分比率の見直し
・領収書と実績の照合
※月次が難しい場合は3ヶ月に1度など
5・税理士との定期的な確認と相談
・経費計上の妥当性確認
・最新の税制への対応
・記録方法の改善提案
このような体系的な管理をすることで、フリーランスの家事代行費用はもちろん自宅事務所に関する経費を適切に計上することが可能になります。
さらに、これらの取り組みは税務調査への対応力も強化します。
最初は大変ですが、徹底して管理を行うことでいざ税務調査が来ても慌てる必要はなくなります。
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まとめ フリーランスの自宅事務所における家事代行費用の経費計上

自宅事務所での家事代行費用を経費として計上するには、「事業との関連性」を証明することが重要です。
事務所スペースの清掃や整理整頓にかかる費用は、条件を満たせば経費として認められる場合があります。ただし、按分や証拠書類の保管を徹底することが必要です。
フリーランスの方々が自宅事務所で活用する家事代行サービスについて、経費計上の判断に迷った場合は、必ず税理士に相談して適切に対応しましょう。
正しい経費計上により、効率的な事業運営と適切な税務申告の両立が可能となります。
税務調査は売上いくらから?基準と対策法を徹底解説
計画倒産詐欺の手口と対策完全ガイド|専門家が解説する最新の手口と予防法

近年急増している計画倒産の詐欺手口について、企業経営者や取引担当者が知っておくべき重要な情報を、分かりやすく解説します。
詐欺の手口は年々巧妙化しており、対策を知らないと大きな被害に遭う可能性があります。
この記事では、計画倒産とは何か、最新の詐欺手口、そして効果的な対策方法について詳しく説明していきます。
計画倒産詐欺とは

計画倒産による詐欺は、企業や個人が意図的に倒産を計画し、取引先や債権者から不当に利益を得る悪質な手口です。
近年、この種の詐欺被害が増加しており、企業経営者は特に注意が必要です。
計画倒産詐欺の典型的なケース
支払い前倒産
取引先から商品やサービスを受け取りながら支払いを行わず、突然倒産を申請する手口。
一見、大口客のように振る舞って商品を大量仕入れしますが、入金前に倒産されて売掛金の回収ができなくなるケースです。
資産隠し
倒産前に資産を他の名義や海外口座に移して、債権者からの回収を困難にする詐欺の手口。
本来は十分な資金があるにも関わらず、資金ショートによる倒産を装い、お金を持ち逃げしてしまうのです。
債務逃れ
意図的に債務を増やし、倒産後に債務を帳消しにすることで財産を保持する悪質な手法。
倒産するつもりなのに、公募社債など、一般の投資家から資金を集めるだけ集めて、急に「経営破綻した」と逃げてしまうパターンです。
株式会社は有限責任のため、経営者本人が保証人になっていない場合は、会社が倒産すれば経営者はそのまま逃げられてしまうのです。
最新の詐欺手口と特徴

ここでも、実際の手口と特徴について紹介します。
① 突然の大量仕入れ
最近の詐欺手口として、倒産直前に通常の取引量を大きく上回る仕入れを行い、支払いを滞納したまま倒産するケースが増加しています。
【具体例】
・倒産直前に高額な機器や商品を仕入れ
・現金化して資産を隠す
・海外への資産移転
② 架空の取引で資金調達
新たな詐欺の手口として、架空の売上や取引を計上し、銀行や投資家から資金を引き出した後に倒産するケースが報告されています。
海外口座に送金したり、暗号通貨や宝石・高級時計などを購入して一時的に形を変えることで、破産管財人や裁判所の目を逃れてしまうことがあります。
③ 関係会社への資産移転
巧妙な詐欺手口として、倒産前に資産を親族や関係会社名義に移し、倒産後も実質的にその資産を利用するケースが増えています。
よくあるのは経営者の夫がわざと妻と離婚して「慰謝料」名目で不動産や株式を妻の名義に変え、夫は破産するというものがあります。
④ 偽装破産
最新の詐欺手口として、破産申請の際に、負債を実際よりも多く見せかけ、債権者に一部しか配当しないよう操作する手法が確認されています。
また、破産するフリをして、実際には破産しないで債権者を騙すとういう手法も横行しています。「どうせ回収できないし…。」と、債権者を諦めさせて強制執行を避けるのが狙いです。
このように様々な手口を紹介しましたが、計画倒産詐欺は深刻な問題となっており、海外送金や暗号通貨に関しても監視の目が強化されています。
テクノロジーの発達や管理体制の強化により年々不正を摘発する体制は強化されていますので、詐欺行為を行い逃げ切れる確率はほぼ皆無と考えて良いでしょう。
けれども、いくら詐欺が摘発されるとは言っても、実際に被害に遭ってしまうと取り返しのつかないことになる危険性も高いため、被害に遭わないように自衛することが大切です。
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計画倒産詐欺の兆候を見抜く方法

① 急な支払い条件の変更
詐欺の手口として多い、取引先が「前払い」や「手形取引」に急に変更を求めてきた場合は要注意です。
これは資金繰りの悪化や倒産準備の可能性を示す重要なサインとなっています。
② 財務状況の不透明さ
計画倒産の準備として、決算書類の提出を渋ったり、経営状況について具体的な説明を避けるケースが増えています。
このような行動は詐欺の前兆である可能性が高いため、早期発見が重要です。
③ 取引先の急成長や過剰な拡大
詐欺の手口として、短期間で急激に事業を拡大しているケースに注意が必要です。
その背後に無理な資金調達や不正が隠れている可能性が高いとされています。
④ 社長や経営陣の動きの変化
計画倒産詐欺の兆候として、高額な私的消費や突然の経営陣交代がある場合、倒産に向けた準備として資産隠しを行っている可能性があります。
詐欺被害を防ぐための対策方法

① 取引先の信用調査を徹底する
最新の詐欺対策として、新規取引開始時や大口取引の際には、徹底的な信用調査が不可欠です。
予算をかけてでも信用できる調査会社に依頼をするようにしましょう。
【具体的な対策】
・信用調査会社のレポート活用
・過去の決算書類の詳細分析
・取引先の評判調査
② 契約書の内容を精査する
詐欺被害を防ぐため、支払い条件や納期に関する条項を明確に記載し、未払いリスクを軽減する対策が重要です。
③ 担保や保証を求める
計画倒産対策として、特に高額取引では、担保の設定や保証人の確保が有効です。
④ 資産移転の兆候を把握する
最新の詐欺手口では、取引先が突然の資産売却や事業縮小を行うケースが増加しています。日常的な監視が重要です。
計画倒産詐欺の被害に遭った場合の対応

① 迅速に弁護士へ相談
詐欺被害に遭った場合の対策として、早急な専門家への相談が不可欠です。
会社がある程度の規模になった場合は、顧問弁護士をつけることも検討しましょう。
② 債権回収を進める
計画倒産による被害の場合、法的手段を活用した債権回収が重要な対策となります。
債権回収は粘り強さも必要です。毅然とした態度で戦う姿勢で挑みましょう。
③ 税務署や監督機関に通報する
詐欺対策として、関係機関への通報により、被害の拡大を防ぐことができます。
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小規模事業者の連鎖倒産から守る経営セーフティ共済がもたらすメリット
企業が取るべき予防措置

① 内部監査の強化
計画倒産による詐欺被害を防ぐため、定期的な内部監査の実施が重要です。
社内でも大口取引に関するルールを設けておくことでリスクを下げることができます。
② 取引先の選定基準を明確化
詐欺対策として、新規取引先の選定基準を厳格化し、信頼できる相手との取引に限定することが有効です。
先ほどもお伝えしましたが、初回取引の場合は調査会社を活用するようにしましょう。
まとめ:効果的な詐欺対策のポイント

計画倒産詐欺から企業を守るためには、最新の詐欺手口を理解し、適切な対策を講じることが不可欠です。
特に重要なポイントは
- 新しい詐欺手口に関する情報収集
- 社内の管理体制強化
- 専門家との連携
- 従業員教育の継続的実施
の4点です。
これらの対策を総合的に実施することで、詐欺被害のリスクを最小限に抑えることができます。
一度被害に遭ってしまうと、会社の経営に重大な影響を与えます。
不安な点がある場合は、積極的に専門家に相談するようにしましょう。
退職金を払うと節税になる?支給のメリットと役員退職金の準備方法とは
業務効率化を促進するIT導入補助金とは?補助額や条件も解説

数ある補助金制度の中でも最近一番注目を集めているのが「IT導入補助金」です。IT導入補助金の交付を申請し、事務局の審査を経て認められれば、中小企業や小規模事業者は必要なITツール(サービスやソフトウェアなど)の導入に補助金を役立てることができます。
今回は、2024年に実施されたIT導入補助金の概要をはじめ、申請の条件や流れ、申請枠ごとの補助率や補助額、および2025年のIT導入補助金の実施見込みについて、わかりやすく解説します。
IT導入補助金とは?

「IT導入補助金」とは、DXや業務効率化を目指す中小企業や小規模事業者を対象に、ITツール導入に必要な費用を部分的に補助する制度です。
ITツールとは、サービスやソフトウェアなどを指しますが、クラウドサービス利用費や相談対応を含めたサポート費も補助金対象になります。
また、申請にあたり中小企業や小規模事業者などの補助金申請者は、同事務局に登録済みのIT導入支援事業者(ITサービス事業者やITベンダー)とパートナーシップを結ぶことが条件になっています。
IT導入補助金の申請について

IT導入補助金の申請について、詳細を下記の表にまとめます。
IT導入補助金の申請枠
|
通常枠 |
事業のデジタル化を目指し、ITツール(システム/ソフトウェア)の導入により売上アップや業務効率化をサポート |
|
インボイス枠(インボイス対応類型) |
インボイス制度対応の会計/決済/受発注ソフトや、PC/タブレット/レジなどのハードウェアを導入することで、労働生産性アップをサポート |
|
インボイス枠(電子取引類型) |
インボイス制度対応の受発注システム導入する企業をサポート |
|
セキュリティ対策推進枠 |
サイバー攻撃対策として、サイバーインシデントによる潜在リスクの低減をサポート |
|
複数社連携IT導入枠 |
サプライチェーンや商業集積地に関わる複数の中小企業/小規模事業者がITツールを効果的に連携して導入する取り組みをサポート |
対象となる企業の条件
日本国内で法人登記されていて、事業を営んでいる下記の法人または個人が対象になります。
■中小企業(資本金か従業員数の一方が指定値以下の場合が対象となる)
|
業種 |
資本金 |
従業員数 |
|
製造業/建設業/運輸業 |
3億円 |
300人 |
|
卸売業 |
1億円 |
100人 |
|
サービス業 |
5,000万円 |
100人 |
|
小売業 |
5,000万円 |
50人 |
|
ゴム製品製造業 |
3億円 |
900人 |
|
ソフトウェア業/情報処理サービス業 |
3億円 |
300人 |
|
旅館業 |
5,000万円 |
200人 |
|
その他の業種(上記以外) |
3億円 |
300人 |
|
学校法人/医療法人/社会福祉法人 |
― |
300人 |
|
商工会/都道府県商工会連合会/商工会議所 |
― |
100人 |
|
中小企業支援法第2条第1項第4号に規定される中小企業団体 特別の法律によって設立された組合またはその連合会 (一般/公益)財団法人/社団法人 特定非営利法人 |
― |
主たる業種に記載の従業員規模 |
■小規模事業者
|
業種 |
従業員数 |
|
商業/サービス業 |
5人以下 |
|
サービス業のうち宿泊業/娯楽業、製造業その他 |
20人以下 |
申請の流れ
中小企業/小規模事業者および、パートナーシップを結ぶITサービス事業者/ITベンダーは、それぞれ申請手続きが異なります。
また、複数社連携IT導入枠については登録申請の流れが一部違うため、事前に確認しておきましょう。
|
中小企業/小規模事業者 |
ITサービス事業者/ITベンダー |
|
① 公募要領を確認 ② 「GビズIDプライム」アカウントを取得 「SECURITY ACTION」宣言を実施 ③ 「みらデジ経営チェック」を実施 ④ IT導入支援事業者を選定 ITツールを選択 ⑤ 交付申請(IT導入支援事業者と共同) |
① IT導入支援事業者の登録申請 ITツールを登録申請
② ITツールを提案
③ 交付申請(中小企業/小規模事業者をサポート) |
IT導入補助金事務局から補助金交付が決定されると、ITツールの発注/契約/支払いなどができます。その後、発注/契約/支払いなどを示す証憑を添付のうえ、共同で事業実績報告を提出します。
確定した補助金額を「申請マイページ」で確認すると補助金が交付されますが、最後にIT導入支援事業者の確認のもと事業実施効果報告を提出します。
IT導入補助金を申請するといくら補助金がもらえる?

スムーズに審査が通れば、補助金の受け取りができます。金額については下記の表を参考にしてみてください。
ITツール導入費用に対する補助金の割合が「補助率」で、ITツール導入費用×補助率を計算した金額が「IT導入補助金」と呼ばれます。
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補助率 |
1/2~4/5 |
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計算方法 |
受取補助金額=ITツール導入費用×補助率 |
|
補助額 |
通常枠: 最大450万円 インボイス枠(インボイス対応類型):最大350万円 インボイス枠(電子取引類型):最大350万円 セキュリティ対策推進枠:最大100万円 複数社連携IT導入枠:最大3,000万円(諸経費は最大200万円) |
申請枠ごとに補助率をはじめ、補助下限額と補助上限枠が定められているため、あらかじめ確かめておきましょう。
IT導入補助金は2025年も実施される?

現在、令和6年度向けのIT導入補助金の支援事業者が公募されています。この公募要領では2025年8月末まで事務局業務が継続するので、2025年前半もIT導入補助金が実施されると考えられるでしょう。
補助金についてのご相談は、名古屋市の山本聡一郎税理士事務所へ
中小企業/小規模事業者向けにITツールの導入経費を一部補助して、DXや業務効率化を推進する仕組みが「IT導入補助金」制度です。申請枠ごとに補助率および補助金額が異なるので、申請手続き前にあらかじめ確認しておきましょう。
名古屋市の山本聡一郎税理士事務所では、補助金や助成金についてのご相談も受け付けております。様々な種類のある補助金について詳しく知りたい方、プロの税理士による的確なアドバイスをお求めの方は、ぜひ当事務所にお任せください。無料相談も実施しておりますので、お気軽にご連絡をお待ちしています。
