法人を設立したけれど、「その後に何をすればいいか分からない…」と不安に感じていませんか?
実は、会社を作った後には、税務署や自治体への各種届出書の提出が必要不可欠です。これらを怠ると、青色申告が認められなかったり、源泉税の納付漏れで思わぬペナルティを受けてしまうこともあります。
特に名古屋市で法人設立をされた方は、国税だけでなく愛知県や名古屋市への書類提出も必要となり、煩雑に感じる方が多いのが実情です。
このページでは、名古屋で創業支援に力を入れている税理士が、法人設立後に必要な税務届出をわかりやすく解説します。
「税務のことは正直よく分からない」「提出漏れが心配」という方は、ぜひ最後までお読みください。
このページの目次
法人設立後に必要な税務手続きとは?
会社設立はスタートライン。届出を怠るとどうなる?
法人設立を終えたら、「これでひと段落…」と思っていませんか? 実は、設立後こそやるべき税務手続きが山ほどあります。
届出を怠ると、青色申告が認められなかったり、源泉税の納付漏れでペナルティを受けたりと、後々面倒なトラブルに発展しかねません。
特に名古屋市のように提出先が複数ある地域では、書類の種類や期限がバラバラになりやすく、創業者が一人で抱え込むのはかなり大変です。
税務署・都道府県・市区町村への提出先を整理しよう
法人を設立した場合、提出すべき先は大きく3つに分かれます:
- 国税(税務署)
- 県税(愛知県税事務所)
- 市税(名古屋市栄市税事務所)
それぞれに別々の書類があり、提出期限も異なるため、早めに全体像を把握しておくことが大切です。
届出書類の提出期限と優先順位を把握する
多くの書類には「法人設立日から〇日以内」という提出期限があります。
以下は一例です:
届出書 | 提出期限 |
法人設立届出書 | 設立後2か月以内 |
青色申告承認申請書 | 設立後3か月以内または最初の事業年度の確定申告期限までの早い方 |
給与支払事務所の開設届 | 給与支払開始から1か月以内 |
期限を過ぎると損をするケースもあるため、優先順位をつけて順番に進めていきましょう。
税務署に提出すべき主な届出書とその内容
① 法人設立届出書
これは法人の誕生を税務署に知らせる最も基本的な書類です。会社の基本情報や設立目的、事業年度などを記載します。
添付書類には、定款のコピー、登記事項証明書、株主名簿などが必要です。
② 青色申告の承認申請書
青色申告を活用すると、欠損金の繰越控除や30万円未満の資産の一括償却など、税制上の大きなメリットを受けられます。
この申請書は、設立後すぐに提出しないと、その年度から適用できない場合があるため、忘れずに提出しましょう。
法人の場合、設立日から3か月以内または最初の事業年度終了日までのいずれか早い日が提出期限です。期限を過ぎると、その事業年度から青色申告が使えなくなるため注意が必要です。
③ 給与支払事務所等の開設届出書
役員や従業員に給与を支払う予定がある場合に提出が必要です。給与の支払いが発生する前に出しておくと、源泉所得税の納付もスムーズになります。
④ 源泉所得税の納期の特例の承認申請書(該当する場合)
源泉税は原則として毎月納付ですが、従業員が常時10人未満の場合、特例を申請することで半年ごとの納付に切り替えることができます。納付の手間を減らすためにも、活用を検討しましょう。
地方自治体(県税・市税)に提出する届出書とは?
愛知県(県税事務所)に提出する届出書
愛知県税事務所には、「法人設立・設置届出書」を提出します。県民税や事業税の課税対象になるため、所在地や代表者情報、事業内容などを記載します。
提出先は、所在地を管轄する県税事務所です。名古屋市内の法人であっても、県税の管轄は名古屋中、名古屋東、名古屋西など複数あるため注意が必要です。
名古屋市(市税事務所)に必要な届出内容
名古屋市税事務所にも「法人設立届出書」を提出する必要があります。法人市民税の申告に関わる書類で、県税の届出と内容が似ていますが、別途提出が必要です。
自治体によって異なる書類と注意点
愛知県や名古屋市以外に支店や営業所を設置する場合は、それぞれの自治体にも届出が必要となるケースがあります。
「本店所在地が名古屋市内かどうか」で提出先・手続きが変わることもあるので、事前に確認しておきましょう。
届出書の提出方法と便利な提出ルート
持参・郵送・e-Tax/eLTAXの違いと選び方
税務署には「持参」または「郵送」「e-Tax」で提出可能です。最近では電子申請(e-Tax/eLTAX)を活用する企業も増えています。
- e-Tax(国税):
税務署関係の届出書に対応。事前登録が必要。 - eLTAX(地方税):
県税・市税に対応。複数自治体にまとめて提出可能。
電子申請は便利ですが、最初の設定に手間がかかるため、導入時は税理士に相談するのがおすすめです。
届出ミスを防ぐための事前チェックリスト
- 提出書類に不備はないか
- 添付書類は揃っているか
- 署名・捺印を忘れていないか
- 提出期限を過ぎていないか
提出後は、控え書類をきちんと保管しておくことも大切です。
税理士に依頼するメリットと安心感
税理士に依頼すれば、届出書の作成から提出、控えの整理まで一括で対応してもらえます。
「うっかり忘れた」「期限が過ぎていた」といったトラブルを防ぎ、安心して経営に集中できます。
名古屋で法人設立した方へ|税理士からのアドバイス
税務の「抜け漏れ」が起きやすいタイミングとは
設立から1~2か月の間は、代表者自身が営業や資金繰りに忙しく、届出業務を後回しにしてしまいがちです。
しかしこの期間こそ、税務の土台を築く重要な時期です。早めに対処することで、後々の手間とリスクを大幅に軽減できます。
帳簿の整備と会計ソフト導入は早めに
届出とあわせて、会計ソフトの導入・記帳ルールの整備も同時に進めておくのが理想です。
freeeやマネーフォワードなどのクラウド会計を活用すれば、創業初期でも経理の負担を減らすことができます。
税理士との顧問契約はいつするのがベスト?
「届出書の提出が終わってから…」と考える方もいますが、設立直後から顧問税理士に相談しておくことで、手続きの抜け漏れや無駄な出費を防ぐことができます。
早い段階で信頼できるパートナーを持つことで、創業期を安心して乗り越えることができるのです。
まとめ:届出の不安は専門家に相談するのが一番です
法人設立は経営のスタートラインに過ぎません。
その後の税務届出や会計体制の整備が、会社の土台を築き、安定した経営につながります。
名古屋市で法人を設立された方、税務手続きに不安を感じている方は、ぜひ一度、山本聡一郎税理士事務所にご相談してください。
必要な書類の洗い出しから、提出まで丁寧にサポートし、創業期の不安を一緒に解消してまいります。