個人事業主必見!自宅で利用した光熱費などはどこまで経費にできる?

こんにちは。山本聡一郎税理士事務所、経理1年生の牧田です。

先日の記事が思った以上の反響をいただいており、非常に嬉しく思います。

私自身、まだまだ勉強途中の身でありますが、「初心者でもわかりやすく」をモットーに、コラムを通じて会計の知識を深められるような記事を書きたいと考えております。

ぜひ、前回の記事も合わせて、読んでいただければ幸いです。

自宅で仕事をする際の疑問点?どこまでが経費なの?

個人事業主の方の中には、昨年からの新型コロナウイルスの影響で、事務所や人が多く集まる場所を避け、自宅で仕事をされている方もいらっしゃると思います。

ふと、気になったことはありませんか?

「家で仕事をした分の一部でも、経費にできたらいいのになあ・・・」

場合によっては、経費にできるかもしれませんよ!

今回は「仕事に使った自宅・車の費用は、どこまで経費にできるのか?」について、コラムにしていきたいと思います。

今さら聞けない 経費とは? 前回のおさらい

前回のコラムにて「経費」の指す言葉の意味について、ご説明しました。

経費で落とすことができる食事代の違いとは

簡単にまとめますと、経費とは事業を行うために使用した費用のことで、

①仕入れや材料費など、売上に直接関わる支出

②利益を得るために要した支出

があてはまり、仕事に関係する支出は経費と考えることができ、確定申告や決算時に事業所得から差し引くことができます。

クライアントとの食事代や打ち合わせでの新幹線や電車代、作業で使用する消耗品の購入などは、いずれも仕事に関わる出費として、経費にすることができました。

支払った費用を事業用とプライベート用に分ける! 家事按分

では、自宅で仕事をした場合や、仕事で自家用車を使用した場合、電気代やインターネットなどの通信費・ガソリン代は経費にできるのでしょうか?

自宅は事務所とは違い、プライベートの空間でもあります。仕事とは関係なく家族で揃って食事をとったり、お風呂や睡眠をとるのも、基本的には自宅になるでしょう。

自宅にいる時間を100%仕事に使用している人は、まずいないと思われます。そうなったら、そこは自宅ではなく完全に事務所になってしまいますね。

車も同様に、100%仕事だけではなく、夕食の買い出しや旅行などでも使うことがあると思います。

そして、経費の考え方は「仕事に関係する支出かどうか」であることを踏まえると、「自宅で仕事をしていた時間分の費用は経費にできる」と言えます。

経費化するためには、生活のための費用と事業のための費用を分ける必要があるのですが、これを「家事按分(あんぶん)」といいます。

家事按分できる費用は、電気代などの水道光熱費・通信費・家賃・車両費などが挙げられます。

家事按分での事業用経費の求め方

水道光熱費・通信費

仕事での使用時間や日数を数え、全体の請求額のうち〇〇%を仕事で使用しているか、計算します。

例:自宅兼事務所を、月160時間程度、仕事で使用している。今月の光熱費は全体で2万円だった。

160時間÷720時間(30日×24時間)=0.222…≒20%

2万円×20%=4000円

経費にできるのは、4000円となります。

通信費の場合も、同様に計算できます。

家賃

仕事で使っているスペースの床面積(㎡)をもとに考えます。

例:2LDKで65㎡の自宅兼事務所のうち、10畳(約18㎡)を仕事で使用している。家賃は全体で10万円である。

18㎡÷65㎡=0.276…≒30%

10万円×30%=3万円

経費にできるのは、3万円となります。

家のいろいろな箇所で仕事をされている方の場合は、床面積を割り出すことに苦労するかもしれません。可能な限り、作業スペースをパーテーションで区切って、その中でのみ仕事をしたり、仕事と生活の部屋を完全に分けてしまうと、導きやすくなります。

車両費・駐車場代

ここで指す「車両費」は「ガソリン代・車両保険料・自動車税・車検費用・駐車場代」を指しています。主に自動車関連費用として、まとめて解説します。

水道光熱費や通信費と同じように、全体の請求額のうち〇〇%を仕事で使用しているか、計算します。

パーセンテージの導き方は、車両の使用回数や使用時間などいくつかありますが、トリップメーターを使って走行距離で考えると、シンプルで良いと思われます。

例:自家用車兼仕事用車両を、月100km程度、仕事で使用している。今月の全体走行距離は300kmで、自動車関連費用は8万円だった。

100km÷300km=0.333…≒30%

8万円×30%=2万4000円

経費にできるのは、2万4000円となります。

注意したい点は、車両本体の購入代金の考え方です。だいたいのケースで、車両価格は何十万円以上の高額な買い物になると考えられますが、10万円以上の物に対しては、原則「減価償却」を行う必要があります。

減価償却はまた別の機会に書きたいと思いますが、かんたんにご説明すると、「購入代金を何年かに分割して経費化する」というものです。

すなわち、車を購入したその年に全額経費として計上することができません。

また、仕事のために使用した高速道路の代金(ETCなど)やコインパーキング代は、家事按分せずに「旅費交通費」として全額経費にできます。

あなたが考えた家事按分は大丈夫?税務署からの指摘も要注意!

いずれの場合でも「仕事で使用した」という点が大原則なのは、変わりありません。特に家事按分のパーセンテージを求める際は、実態からかけ離れた数字を出してしまうと、万が一税務署に指摘を受けた時に説明が苦しくなり、経費として認められなくなってしまうおそれもあります。

そのため、同業者と比較するなどして、家事按分の割合が「世間一般の常識の範囲内」であるかどうか、検討した上で計上することが大切になってきます。

山本聡一郎税理士事務所では、多種多様な業種のクライアント様の税務をさせて頂いております。

人によってかかる経費の金額はさまざまですが、同じような業種の方はだいたい経費の金額も同じような額になることがほとんどです。

過去の実績などを踏まえ、どの程度であれば経費として問題なく認められる金額であるのか、その他の節税についてもご相談できる経験を積んできております。

無料相談も実施させていただいておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせ下さい。

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