個人事業主は住宅ローンが通らない・・・。サラリーマンのうちにローンは通した方がいい。個人事業主の方やこれから独立を目指そうと考えている人は一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
この情報は本当か嘘かと言えば、私も税理士として個人事業主の立場から言わせてもらうと本当です。
今回は、なぜ個人事業主が住宅ローンを通すことに苦労するか、そして住宅ローンを通すためにはどうするべきかお伝えします。
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なぜ、個人事業主は会社員に比べ住宅ローンが通りにくいのか?
なぜ、個人事業主は会社員に比べ住宅ローンが通りにくいのでしょうか?簡潔に答えを言ってしまうと、収入の安定性です。
売れっ子芸能人でも住宅ローンが通らない現実
よく、売れっ子の芸能人や俳優であっても、住宅ローンが通らなかったというニュースを見かけることがあります。
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住宅ローンは基本的に35年などの長期のローンとなります。ですので、芸能人の方が35年間も人気を保ちながら活動できるのは、ひと握りです。
そういえば、最近、あの俳優さんテレビで見なくなったね・・・というのはよくある話ですよね。
金融機関の立場としては、お金を貸し出す以上、返済できないという貸倒のリスクは極限までに減らしたいというのが本音です。今が絶好調であっても、10年後、20年後も返済できるのであろうかと保守的に考えるものです。
個人事業主は会社員に比べ所得の安定性は劣る
芸能人の例は極端な例でしたが、個人事業主も所得の安定性は会社員に比べ劣ってしまいます。
昨今の新型コロナの蔓延で、売り上げが前年比に比べ半分になってしまったという個人事業主の方も少なくはありません。
一方、会社員の方はどうでしょうか?新型コロナの影響が給与になかったという方は少ないかもしれませんが、それでも個人事業主の方のように給与が半分になったということはほとんどないでしょう。
また、大手の企業となれば、一度、正社員等で雇用されれば終身雇用として定年を迎えるまで安定的な所得が望めます(終身雇用が崩壊しつつあることはさておき・・・)
繰り返しにはなりますが、金融機関は物事を保守的に考えますので、会社員であれば安定的な給与が見込めるし安心して貸し出すことができると考えますので住宅ローンの審査は通りやすいと言えます。
一方で、個人事業主の場合は、安定性が欠けますので、住宅ローンの審査の基準として、過去2・3年分の確定申告書を求められ、自ら所得が安定していることを証明しなければなりません。
個人事業主が住宅ローンを通すためにするべきこととは
①確定申告書は期限内に提出すること
当たり前の話ですが、確定申告はしっかりと期限内に提出するようにしましょう。
確定申告書は一見、税金を計算するための書類と思われがちですが、会社員が源泉徴収票で所得で証明する一方で、個人事業主の方がご自身の所得を証明するため、確定申告書が唯一のあなたの所得を示す書類です。
ですので、中には、税務署にバレるまで確定申告をしないでおこうというのは、脱税はもちろんですが、確定申告書が無い限り、あなたの所得を証明することができないので、住宅ローンが組めないのはもちろん、賃貸マンションが借りることができない、子供を保育園に預けることができないなど様々な支障が出てくるのです。
また、期限を守らずに確定申告書を提出していない方は、金融機関にとっては返済期限も守ってくれないのではないかと考えられても文句は言えません。
最近、副業が流行っていますが、副業である程度の所得が生じた場合には確定申告をしなければという意識づけをしましょう。
②過度な節税はしない
上述のように金融機関は安定した所得がある方にお金を貸し出したいと考えます。私の自己紹介の中で、過度な節税はしないとお伝えしております。
理由としては、節税の基本は所得(利益)を減らすことです。売上を調整することはできませんが、必要経費などは、無駄なサービス、ものを購入すれば作り出すことができます。
しかし、節税をすることにより所得が減らすことができますが、一方で、金融機関の評価は下がることになります。ですので、住宅ローンを起こす予定が無くても、事業性の融資も同様の考え方となります。
③連続年度で黒字を出す
くどいようですが、金融機関は安定を求めます。
ですので、赤字のマイナス決算の連続はもちろん、マイナス決算や黒字を繰返したりするなどの不安定な業績は嫌う傾向があります。
連続で黒字決算を迎えることは、住宅ローンを組む目的以前に経営を行う上で重要なことです。安定的な所得(利益)を作り出せる企業体にしていきましょう。
適正な確定申告書の作成を依頼するなら税理士へ
ここまで、個人事業主が住宅ローンを組むためのポイントをお伝えいたしました。個人事業主の社会的評価の一つとして確定申告書が挙げられます。
現在、様々なサービスの登場により、確定申告書の作成が昔と違いハードルが下がりました。ただし、確定申告書の作成のハードルが下がっただけで、正確な確定申告書ができるとは別の話です。
私も新規の相談などで、様々な確定申告書を拝見しましたが、この数字はあり得ないよな・・・、絶対、ここ間違ってるだろ。と気づくものです。金融機関も同様に気づくと思われます。
本来は、適正な所得が出ているにも関わらず、適正に確定申告書を作成できずに、税務調査でやられてしまったはもちろん、住宅ローンを通すことができなかったという話もよく相談で伺います。
こんなはずじゃなかったとなる前に、将来的に住宅ローンを組む予定があるなら適正な確定申告書を作るために、税理士に相談しましょう。
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