社長が決算書を読めるようになることで得られる3つのメリットとは

社長が決算書を読めるようになることで得られる3つのメリットとは

年末や年度末は、多くの会社が決算を迎える時期です。

決算を終えると、「決算書」と呼ばれる書類が何十枚もファイリングされて顧問税理士から送られてきます。社長の皆さまは、送られてきた決算書にしっかり目を通されていますか?売上高と純利益だけ確認したら、そのまま棚の奥にしまい込んでしまう…、ということはありませんか?
決算書は会社の現状を把握するための大切な資料ですので、社長は必ず細かな部分まで目を通し、重要な部分だけでも内容を理解していただきたいと思います。

社長が決算書を読めることで得られるメリットは数多くあります。しかし、起業したばかりの社長の殆どが、決算書の読み方を知らないと言われています。

特に創業して間もないと、会社の売上確保に全エネルギーを集中させないといけない、経営が安定していないなどの理由で、社長が財務を顧問税理士に丸投げしたままということがよくあります。その場合、「会社の財務状況を把握しているのは顧問税理士だけ」というケースも少なくありません。

けれども、年に一回の決算書は会社の現在地を知ることができる貴重な機会です。社長本人がしっかり目を通して、顧問税理士と一緒に振り返りを行うようにしましょう。

「自分は一人社長だから、会社の経理のことは大体分かっているから大丈夫。」と、おっしゃる方もいますが、果たして本当にそうでしょうか?家計でも同じですが、「そんなにお金使ったかな?」と、思った以上に経費を使っていたというのはよくあります。厳しく管理してくれる人がいない一人社長ほど、気を付けなくてはいけません。

決算書は複数の書類で構成されていますが、中でも「財務三表」と呼ばれる「貸借対照表【BS】」と「損益計算書【PL】」と「キャッシュフロー計算書」が重要です。

「BS/PL」と聞いただけで嫌な顔をされる方も多いですが、これらを読めるようになるのはそこまで難しくありません。読み方については、また後日別のコラムでご紹介できればと思います。

今回は、社長が決算書を読めるようになることで得られる3つのメリットをお伝えしていきます。

1・売上高販管費率を知ることで、効果的な改善策を打ち出せる

①決算書は、社長の「成績表」

決算書は、会社の実情を分かりやすく教えてくれるツールです。だからこそ、経営の改善点を見つけるためにも、これを活用しない手はありません。

売上や粗利益だけではなく、経費に注目すると様々なことが分かります。

業界や会社の規模によって「売上高販管費率」と呼ばれる、売上に対する販管費(販売費及び一般管理費の略語)割合の平均値が存在します。決算書を見て、自社の数字が該当する業界の売上高販管費率から大きく逸脱していないかも重要なチェックポイントです。

売上高販管費率は売上に対して費用がいくらかかっているかを計算しますが、これが低ければ経営効率が良いとされています。平均は20%ほどと言われていますが、業界や会社規模によって違いがあるため、一度ご自身の業界の平均を確認してみることをお勧めします。

こちらのページで売上高販管費率の計算方法が分かります。

販管費の中には、会社が商品・サービスを販売するためにかかる費用と、会社全体の運営にかかる費用も含まれています。

決算書を読むことで、
・売上に対して特定の経費(接待交際費など)の比率が高すぎないか

・販管費が全体的に高すぎないか

・会社の固定費が高すぎないか

など、様々な問題点が分かります。

高すぎる場合は、なぜそこまで経費を使ったのか見直す必要があります。なぜなら、不要な出費を抑えることも重要ですが、税務調査が入った時に指摘されるかもしれないからです。不自然に高い販管費は税務署も不審に思います。「プライベートの出費を経費にしていないか」など、故意にやっていなかったとしても疑いを持たれてしまう危険性もあります。

私たちは学生の頃、「成績表」を学校からもらっていました。各教科のテストの点数や順位・総合評価を見て、自分がクラスでどのくらいの位置にいるのか、自分はどの教科が得意・苦手なのかをそこから読み取っていたかと思います。

決算書は、まさに社長の「成績表」です。会社の現状を把握するためにも、しっかりと目を向けていきましょう。ただし、それは「改善」のためです。例え現在が赤字でも、改善して次に活かせば良いだけです。

②同業者の中で、自分がどのくらいの位置にいるのかが分かる

同業者の中で「自分がどのくらいの位置にいるのか」を知ることも重要です。同業者とは言っても、会社の規模やメインサービスに違いがあるため、完全な比較はできませんが、参考にすることは可能です。

けれども、ライバル会社の決算書を見ることはなかなか難しいものです。「決算書を見せて」と言っても、見せてくれるところは少ないでしょう。そもそも上場企業と違い、中小企業の決算書は公開されていません。未上場企業専門の四季報が存在しますが、掲載されているのは、売上100億円以上の中小企業の情報ばかりです。

ライバルの決算書を見ることができない以上は、業界の平均値から計算して自社がどのくらいなのかを把握するようにしましょう。

余談ですが、どうしても中小企業の決算書を見たいという場合は、調査会社に依頼をすれば見ることが可能です。主に取引先に対する信用調査で依頼をする企業が多く、有名なところでは「東京商工リサーチ」や「帝国データバンク」などですが、調査は数千円から数万円の費用がかかります。

また、法人でも小規模事業者の場合は、決算書と実態が大きく違うこともあるので、信用調査の情報でも鵜呑みにしないことが重要だと言われています。

③経費節減以上に、見えてくる「動き方の改善点」

無駄な経費を発見すると、最初に「使うお金を減らさなくては」と考えがちですが、さらにもう一つ先も考えてみましょう。

例えば「お付き合い」で使った経費について考えてみましょう。そもそも会社がお金を使う時というのは「何かの動きがあること」が前提となります。すると、ある経費が無駄だと思ったのであれば、それに付随する動きについても、本当に必要な動きだったのか見直しが必要になるということです。

・お付き合いで使ってしまった経費はないか

・それは本当に売上に繋がっているのか
・売上にならないなら、そのお付き合いをそもそも見直す必要があるのではないか

など、決算書の数字から分かることは数多くあります。

このように決算書を読むことで、お金に関する多くの問題が見えてきますが、同時にお金使いだけでなく、動き方(時間と労力の使い方)についても改善点を読み取ることができるのです。

2・顧問税理士とより連携が取りやすくなる

社長が決算書を読めるようになることで、顧問税理士との連携が取りやすくなります。

税理士目線で見た「経営の改善点」について、社長と共有したいと思った時、社長自身が決算書を読める読めないによって、共有できる範囲が大きく異なるからです。

また社長自身が決算書を読める場合、経営の問題点を早々に自覚するので、改善のスピードが速くなります。

税理士としては、顧問先に対して「より健全な資金繰りをしていただきたい」「改善できるところがあれば改善していただき、業績をどんどん伸ばしていって欲しい」と常に願っています。

以前、別のコラムで「経営者が簿記3級の知識を持っていると税理士により良い相談ができる」ということをお伝えしましたが、決算書を読む力があれば、さらに共有できる範囲が広がるので、経営の改善をスピーディーに進めることができます。

3・会社の決算書が読めると、株式投資の際に役立つ

経営をすることで「余剰資金をどのように活用するか」など、お金の運用や投資について、多くの方が関心を持つようになります。

決算書を読む力がつくと、株式投資などを行う際に、上場企業に対してどのような経営をしているか、自分で評価できるようになるので、投資先を決める際の判断に迷いがなくなっていきます。何となく、現在の株価や会社のイメージだけで決めてしまうよりは、決算書の中身も判断基準に入れた方が、より精度が増した予想が可能です。

もちろん「決算書の数字が好ましい場合」でも、将来株価が上がるかどうかは未知数です。投資の世界に「確実」は存在しないことは、しっかり理解しておきましょう。

上場企業の決算書は公開されているので、誰でも目を通すことができます。各企業のホームページに「IR情報」「投資家情報」などの名称でリンクが貼られているのでぜひ一度チェックしてみてください。

他にも下記サイトで閲覧が可能です。

https://disclosure2.edinet-fsa.go.jp/WEEK0010.aspx

EDINETでは上場企業の有価証券報告書などを無料で検索することができます。

決算書を読む練習をするのであれば、公開されている上場企業のものを数多く見てみるのも良いでしょう。

練習のつもりで見ていたのが、少しずつ「上場企業の実態を知る・投資先の現状を知る」という目的に変化してきたのであれば、「決算書を読めるようになってきた」ということになります。

上場企業と小規模事業者では比較できませんが、それでも決算書を読む練習として、上場企業含め数多くの企業の決算書に目を通す経験は大切です。

まとめ 決算書を読めると、経営改善のスピードと質が上がります

今回は、社長が決算書を読めることで得られるメリットについて3つお伝えしてきました。

・売上高販管費率を知ることで、効果的な改善策を打ち出せる

・顧問税理士とより連携が取りやすくなる

・会社の決算書が読めると、株式投資の際に役立つ

このように、決算書を正しく読めることで得られるメリットは大きく、必ず経営の役に立ちますので、ぜひご自身でも少しずつ勉強してみていただきたいと思います。

もちろん、社長の皆さまは会計のプロになるわけではないので、詳細まで詳しくなる必要はありません。それは顧問税理士がサポートする領域です。

けれども、決算書に目を通した際に見えてくる「反省すべきところ」など、社長自ら気付くことができれば、問題点を素早く改善させることができます。

「決算書の読み方についてアドバイスが欲しい」という方は、山本聡一郎税理士事務所にお気軽にご相談ください。

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税理士 山本聡一郎
山本聡一郎税理士事務所 代表税理士。1982年7月生まれ。名古屋市中区錦(伏見駅から徒歩3分)にてMBA経営学修士の知識を活かして、創業支援に特化した税理士事務所を運営。クラウド会計 Freeeに特化し、税務以外にも資金調達、小規模事業化持続化補助金などの補助金支援に力を入れている。
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