創業融資は、創業時に必要な資金を金融機関から借りられる制度です。
創業融資の申し込みは、書類作成だけではなく知識や手間も必要になるため、経営者にとっては大きな負担になります。
創業融資にかかる手間を省くためには、税理士への依頼がおすすめです。ただ、税理士に創業融資のサポートを依頼すると料金がかかるため、相場が気になる人もいるでしょう。
今回は、創業融資を税理士に依頼する際にかかる料金の相場についてまとめました。費用がかかっても創業融資のサポートを税理士に依頼するメリットも併せて紹介します。
このページの目次
創業融資のサポートで税理士にかかる料金の相場は?
税理士は、税務だけでなく企業支援業務のプロです。創業融資に必要なサポートを受け付けている税理士事務所も多くあります。
税理士に創業融資のサポートを依頼する場合、手数料などの料金が必要です。創業融資で、税理士への依頼にかかる費用の相場をみていきましょう。
・成功報酬
創業融資のサポート料金を、成功報酬型で設定している税理士事務所は多くあります。成功報酬型は、融資が決定した場合のみ料金を支払う仕組みです。
成功報酬型で依頼した際、融資の審査が通らなかったときは報酬を支払わない形になります。成功報酬の相場は、融資額の2~4%です。
たとえば1,000万円の融資が受けられると決まったなら、税理士に支払う成功報酬の金額は20万~40万円になります。また、着手金を設定している事務所も少なくありません。
着手金を設定している税理士の場合は、そのぶん成功報酬の金額を低くしているケースがあります。ただし、着手金は融資が決まらなくても返金はされないため、注意が必要です。
また、成功報酬には最低金額が定められているケースも多く、最低報酬は12万円あたりが相場になります。
・非成功報酬
成功報酬型以外に税理士が行う創業融資のサポートは、単価型と顧問契約型の2種類です。それぞれの内容は以下のとおりになります。
【単価型】
単価型は、創業計画書をはじめとした書類作成や面談のアドバイスなど、ピンポイントな部分のみを依頼する方法です。この場合、必要な業務のみに料金が発生します。
1つの業務にかかる料金は税理士事務所によって異なり、10万円前後必要なところもありますが、3~5万円が相場です。
詳しい金額は、依頼を検討している税理士事務所のホームページで確認をしましょう。
融資の審査に自信があり、手間がかかる部分のみを税理士に依頼する形になるため、費用が抑えられます。
知識をしっかり持っており、ある程度自分で準備ができる人は単価型でも問題はないでしょう。
【顧問契約型】
税理士と顧問契約を結び、創業融資のサポートを依頼する方法もあります。
顧問契約を結ぶと、毎月顧問料を支払わなければいけません。顧問料は年間売上で上下しますが、最低でも月1万円以上の費用が必要です。
決算月などは別途10万円ほどの料金が発生するなど、継続した費用が必要になる代わりに、創業融資関係の手数料や成功報酬を割安で引き受けてくれることが多くあります。
税理士によっては、顧問契約のサービスに創業融資サポートが含まれているケースもあり、この場合は別途の支払いは必要ありません
ただし、顧問契約は月々の支払いが必要になるため、予想以上に費用がかかることもあります。契約の前には、長期的なお付き合いが可能な税理士かを慎重に判断して検討しましょう。
創業融資を税理士に依頼するメリットは?
創業融資サポートの税理士への依頼は、費用が発生します。資金が必要な創業時に、税理士に費用を支払うだけのメリットがあるか悩む人も少なくありません。
しかし、料金がかかってでも創業融資のサポートを依頼するだけの大きなメリットが税理士にはあります。税理士に依頼するメリットをみていきましょう。
・融資成功率があがる
創業融資を受けるためには、審査を通過する必要があります。日本政策金融公庫で創業融資を受ける場合の、審査通過率は50~60%が平均です。
税理士のサポートがない申し込みの場合は30~40%と審査通過率が下がるケースがあります。逆に、税理士に依頼をして申し込みをした場合は、審査通過率を90%まであげられる可能性が高いのです。
これは、創業融資への知識の浅い人が手続きをする際に、書類作成や面談の対策が不十分である可能性が高いからといわれています。その点、税理士は専門的な知識が豊富です。
税理士は、自身の持つ専門的な知識をもとに、審査に通過しやすくするための充実した書類作成ができます。面談の対策も考えてくれるため、審査通過率は格段に向上するでしょう。
また、税理士が作成した書類は信頼性が高いため、金利の面でも好条件で融資が受けられる可能性があります。税理士からの的確なアドバイスが受けられる点もメリットです。
創業融資の審査が通らないと、次に申込みできるまで時間が空くため、やりなおしがききません。
審査通過率をできるだけあげたい場合は、料金がかかっても税理士に依頼をしたほうが有利になります。
・融資申し込みの手間が省ける
創業融資の申込書類の記入は、専門的な知識が必要です。さらに、記入する項目も多いため書類作成にかかる手間が大きくなります。
書類作成時には、審査に通過するために具体的な数字を使っての記入が必要です。正しく記入がされていないと、審査の通過率も下がってしまいます。
創業時は資金調達以外にも考えることや、やるべきことが山ほどあるでしょう。そんな時に創業融資サポートを税理士に任せられたら、手間や時間を大幅に削減できるはずです。
税理士は、専門的な知識をもとに審査に通りやすい書類を作成してくれるため、不安も少なくなるでしょう。
創業融資への手間・時間・不安を少なくできる点は、税理士にサポートを依頼する代表的なメリットといえます。
・経営の相談もできる
創業時は、資金調達をはじめとした経営に疑問や不安が生まれるものです。税理士は、創業融資以外でも経営に関する疑問や不安にプロの目線でアドバイスをしてくれます。
経営が成功するかどうかは、創業の際にしっかりとした事業計画を持っているかが重要です。税理士は、事業計画が問題ないかの判断もしてくれます。
経営をしていく中で、補助金や助成金の申請をする場面もあるでしょう。補助金や助成金の申請についても、税理士がサポートをしてくれます。
税理士に創業融資のサポートを依頼することで、今後の経営で資金調達や税金に関する疑問や不安を相談するきっかけづくりができる点も、メリットです。
創業融資を依頼する税理士はどう選ぶべき?
創業融資のサポートを依頼するなら、信頼できる税理士を選ぶことが重要になります。費用面だけでなく、融資の実績や税理士の対応などを事前に確認して依頼をしましょう。
一口に税理士といっても、得意分野はさまざまです。創業融資のサポートを依頼するなら、融資の実績があることが大前提になります。
実績のある税理士は、それだけのノウハウを持っています。税理士事務所のホームページや相談時などで、実勢を確認しておくようにしましょう。
また、税理士が認定支援機関であるかも確認するとよいです。認定支援機関は、税理士の実勢と知識が、国からお墨付きをもらっている証拠になります。
日本政策金融公庫は、認定支援機関のサポートがあると優遇措置があり、審査が有利に進む可能性があるのです。
もうひとつ、税理士に融資担当者とのパイプがあるかも注目してみてください。融資担当者を紹介できる税理士は、それだけの信頼があります。
相談時の税理士の対応や口コミなども参考にして、信頼できるところで創業融資のサポートを依頼しましょう。
まとめ
創業融資制度は、創業時の資金調達で強い味方となってくれる存在です。しかし、申込から審査通過までの書類作成は、専門知識がないと大きな負担になります。
料金はかかりますが、税理士なら審査に通りやすい書類作成や面談対策などの必要なサポートが充実しており、創業者の負担を軽くしてくれるでしょう。
融資への手間や不安が少なくなれば、他の業務に集中することもできます。創業融資に少しでも不安がある方は、税理士にたよってみてはいかがでしょうか。
山本聡一郎税理士事務所は、創業時の資金調達に関する相談も受け付けています。
創業融資に必要な書類作成のサポートはもちろん、資金調達・経営の不安や疑問についての適格なアドバイスも可能です。
創業時の資金調達で税理士のサポートを検討している方は、お気軽にご相談ください。
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