事業用の車を持つならリース・一括購入・ローンどれがおすすめ?税理士が解説します

事業用の車を持つならリース・一括購入・ローンどれがおすすめ?税理士が解説します

今回は、「そろそろ事業用の車を導入しようか」とお考えの方に向けた記事です。

車の購入を検討されている方から「リース・購入・ローンの中でどれがお得ですか?」というご質問をよくいただきます。「お得」について考える場合は、支払い金額だけではなく、時間や労力などの金銭以外のリソースについても一緒に考えることを推奨しています。

結論としては、それぞれメリット・デメリットがありますので、目的や求めるものに応じて上手に選んでいただくのが良いかと思います。

今回は一般的な事例を使って解説していきます。

リースでは支払額が一定であるのに対して、購入では一括支払いするか、ローンを組むことになります。「一度に大きなお金が出ていく・月々定額を支払う」という大きな違いがありますが、他にも経理処理・保険・メンテナンス・車両管理の手間など両者は細かなところで違いがあります。

全ての方にとっての正解はありませんが、強いてお伝えするのであれば、「このような状況であればこちらがおすすめです。」という形でお伝えすることは可能です。一つの参考にしていただければ幸いです。

事業用車両の一括購入がおすすめのケース

これら3点に該当する場合は、一括購入の方が総合して良いと判断されます。

  • 余裕資金がある
  • 走行距離が長めである
  • 車両管理や経理処理に時間や手間を割くことができる

①余裕資金があり

車の購入では(新車の場合)百万~数百万円のお金が出て行きます。購入するのであればキャッシュに余裕があることが前提となります。車を購入したために会社の運転資金がカツカツになるようでは購入はおすすめできません。
車両の購入を「節税の手段」とすることも、ある程度資金に余裕があるからこそできることです。リースの方が節税効果が高いとは言われていますが、「利益が大幅に出る」と予め分かっている年に計画的に事業用車両を購入するのであれば、それはそれで上手に節税していることになります。

ただし、過去のコラムで書いたように、予想外に出た利益を減らすために期末に慌てて車両購入をしても節税効果は得られにくいものです。節税目的の車両購入を検討するのであれば、前期の時点で計画的に行う必要があります。

過去のコラムはこちら「本当に節税?新人経営者が決算前にやる間違い節税5選」

それくらいキャッシュに余裕があるところが、車両を購入するのに適しているということです。

②走行距離が長めである

カーリースの場合、走行距離に制限が設けられていることが多いので、県をまたぐ移動が多く走行距離が長い場合や、走行距離が毎月バラバラで予想を立てにくい場合は、車両を購入する方が向いている場合があります。

もちろんカーリースでも走行距離無制限というオプションもあります。カーリースを強く希望される場合は、無制限のオプションを利用すれば契約は可能です。

③車両管理や経理処理に時間や手間を割くことができる

車両を購入した場合、税金の納付や損害保険の手続きを全て自身で行う必要があります。車検や修理対応も全てです。

またリースと違い、車両購入は「車両運搬具」という会社の資産になり、一括で経費にすることができず、減価償却を行う必要があります。また、車両を手放す際にも償却の計算が必要なので何かと手間がかかります。

これらの車両管理や経理処理について任せられる担当者がいる場合、車両購入が適していると言えます。

管理部門がある企業をイメージしていただくと分かりやすいかと思います。

カーリースがおすすめのケース

こちらの3点に該当する場合は、カーリースの方が適しています。

  • まとまった資金の準備が難しい
  • 走行距離が比較的一定で計画が立てやすい
  • 車両管理や経理処理に時間を費やすのが厳しい

①まとまった資金の準備が難しい

「車は必要だが、まとまった資金がない」というのであればカーリースにしましょう。

もちろん、契約期間や使用期間によってカーリースの方が購入よりも総額が高くなる可能性はあります。(単純計算すると、車両の一般的な減価償却期間以上に乗り続けるのであれば、長く乗れば乗るほど、購入の方が1ヶ月当たりの車両代は下がっていきます。)

けれどもリースの場合、頭金も必要ありませんし、重量税や自動車税、保険料もリース料金に含まれています。さらに手続きや納付処理も全てリース会社が行ってくれるので手間要らずです。

月々のリース料金を支払えばすぐに新車に乗れる、というのもカーリースの嬉しいところですね。

ただし、注意点があります。一度リース契約をすると、途中では辞められないということです。

リースは通常3年-5年契約ですが、その途中で解約する場合は違約金を取られるので注意してください。車種を変更する場合は、変更できるプランがあるのであらかじめ途中で車種変更の必要性が出てくるかを考えてプランを選ぶようにしましょう。

カーリースのサービスも多種多様で、さらに利用しやすくなっています。ご自身のビジネスプランやキャッシュフローを考慮してベストなサービスを選んでください。

②走行距離が比較的一定で計画が立てやすい

リースは走行距離に制限があるものが多いため、走行距離が比較的一定で計画が立てやすい場合はリースが向いています。
例えば、営業用の車でも、移動範囲は市内のみであれば、ある程度の月々の走行距離は予想を立てることができます。

けれども先ほども記載したように、カーリースでも走行距離無制限のプランはありますので、走行距離が長いという理由でカーリースを諦める必要はありません。

③車両管理や経理処理に時間を費やすのが厳しい

カーリースの場合、経理処理は非常に簡単です。リース料には、税金や保険・メンテナンス料も全て含まれていますので、毎月引き落としされる金額を「リース料」と仕訳すれば良いだけです。リース料は全額損金計上が可能なので、減価償却の計算も不要です。「カーリースは節税効果が高い」と言われているのはこれらの理由からです。経理担当者がいない小規模事業者であれば、経理処理が簡単で尚且つ全額経費にすることができるカーリースは非常にメリットがあります。

リースでは車検や保険更新などの手続きも必要ないので、車両管理の時間や労力も大幅に減らすことができます。

個人事業主や一人社長、管理部がまだない規模であればカーリースを一番にお薦めします。

注意!・カーリースには審査がある

個人・法人関係なく、カーリースを契約するには審査が必要です。

月々の支払いが発生するものなので、支払い能力があるかどうかを個人の収入や会社の業績などから判断されます。(支払い・返済の滞納がないかなどもチェックされています。)

そのため、「お金がないから低額から新車が持てるカーリースが良い」と考えるのではなく、キャッシュに余裕がある状態で初めて事業用車両導入を検討するくらいが良いでしょう。

ローンとリースは何が違うのか

最後にローンで購入する場合と、リースとの違いをお伝えします。

「審査あり・分割払い」ということで、どちらも同じように見られますが明確な違いがあります。

ローンの特徴は下記の3点です。

  • ローンの種類によって経理計上方法が変わる
  • 頭金が必要である
  • 月々の支払い額がリースよりも高くつくことがある

車両のローンには、信販会社系ローン・金融機関系ローン・ディーラー系ローンなどがあります。審査基準や金利だけでなく、経理計上方法もローンの種類によって大きく変わります。

さらに、ローンでは頭金必要が必要です。これがリースとは大きく違う点です。

また、月々の支払い金額は条件によって、リースよりもローンの方が高くなる場合があります。理由としては、リースは「車両の返却」が前提で、返却時の価値(残価)を引いて支払い額が設定されるためです。

仮に3年契約の場合、新車価格から「3年後の下取り価格分を差し引いた金額 ÷ 36ヶ月」が月々のリース料となります。

一方ローンの場合は、3年ローンであれば「新車価格 ÷ 36ヶ月 + 金利」となるため、1ヶ月あたりの支払い金額はローンの方が高くなるのです。

もちろんリース料には税金や保険料なども含まれているので、その分が上乗せされています。

例えば、360万円の新車を減価償却期間6年で計算してみましょう。(ここでは分かりやすく「定額法」で計算します。)

すると、3年後の下取り価格が180万円とすると、リースでは「180万 ÷ 36ヶ月 = 5万円」となりますが、ローンの場合は、「360万 ÷ 36ヶ月 = 10万円 + 金利」と、倍ほどの金額になります。

リース料に車両管理費や保険料が含まれているとしても、5万円 + α と考えれば、ローンとリースの大きな違いが分かるかと思います。

一括購入・リース、どちらがおすすめかは、車両の使用目的やキャッシュフロー、人員、将来の事業計画によって変わります。けれども、一括購入ではなくローンを検討されるのであれば、カーリースを選択肢に入れてみるのはいかがでしょうか?

事業用車両の導入で迷われてる方はご相談ください

今回紹介した内容はほんの一例です。

実際は紹介した事例に当てはまらないケースも多いかと思いますので、最終的な決定は自社の状況や今後の事業計画と照らし合わせて決めていただければと思います。

事業用車両の導入で迷われている方は、ぜひ一度山本聡一郎税理士事務所にご相談ください。

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