会社設立時に活用したい新創業融資制度とは?必要な自己資金額や自己資金の要件について解説!

会社を設立して融資を受ける場合にはさまざまな方法があります。

実績や信用を問わず融資をしてもらいたいなら、日本政策金融公庫の「公庫融資」がおすすめです。

日本政策金融公庫は政府の金融機関であり、利潤追求を目的とせず、あくまでも国や地域の政策で経済発展を推進するために法律の範囲内で融資を行います。

ここでは、どんな創業者にも利用をおすすめしたい日本政策金融公庫の「新創業融資制度」について詳しく解説いたします。

新創業融資制度の定義とメリット

新創業融資制度とは、日本政策金融公庫 国民生活事業が創業やスタートアップの支援のため申込者へ有利な条件で融資を行う制度です。この制度を利用すれば、新規事業を始めるときや事業スタート後、必要な運転資金や設備資金に対し3,000万円(そのうち運転資金は1,500万円)を限度に融資を受けられます。

新創業融資制度の最大のメリットは、保証人と担保が原則不要で、代表者個人の責任が問われないことです。また申請から融資までの流れが1ヶ月から1.5ヶ月程度の短期間で済み、普通の融資制度よりも創業のスピードアップが可能です。

ただし、審査が設けられているため希望どおり融資してもらえないケースもあります。申請の際はできるだけ下記の要件を満たすようにしましょう。

新創業融資制度を利用できる要件

新創業融資制度の申請が可能となる要件を、「対象者に関して」と「自己資金に関して」に分けてそれぞれ解説いたします。

【対象者の要件】

  • 新しく事業を始める人、または事業を開始して税務申告を2期済ませていない人
  • 新しく開始する事業について、適正に事業計画を策定して、計画どおりに遂行することが十分にできると認められる人

【自己資金の要件】

  • 新しく事業を始める人や事業を開始して税務申告の1期を済ませていない場合、創業時に自己資金が創業資金総額の10%以上あることを確認できることが原則
  • ただし、自己資金の要件を満たす事項は次のとおりです。

⒈    通算5年以上勤務した経験がある企業と同業種の事業を始める人

⒉    大学などで習得した知識や技能と密に関わる職種で2年以上継続勤務の経験があり、同職種に関連した事業を始める人

⒊    市町村が作成の上で国から認定された特定創業支援等事業(産業競争力強化法で規定)としての創業セミナー/創業塾などを受け、事業を始める人

⒋    民間の金融機関(銀行・信用組合・信用金庫)および公庫からの協同融資で事業を始める人

⒌    新規性のある技術やノウハウなどを持っている場合

⒍    新商品などの実現に向け研究開発や試作販売を行うために、生産・提供に半年以上を必要とし、かつ3事業年度以内に黒字が見込める場合

⒎    「中小企業の会計に関する指針」または「中小企業の会計に関する基本要領」に適用される予定の人

 

自己資金とは

自己資金とは、事業遂行に用いられる予定の資金のことを指します。日本政策金融公庫から融資をしてもらう場合、必要とされる自己資金は創業資金総額によって変わります。

創業の際に使う予定の資産総額を創業資金総額と呼び、実際の融資を受けるときは創業資金総額から自己資金を引いた金額を借りるのが原則です。

一例をシミュレーションすると、自己資金100万円で創業資金総額が1,000万円の場合、1,000万円から100万円を引いた900万円が必要資金としての実際の融資額における上限となります。

もし自己資金が「なし」という状態でも新創業融資制度への申込み自体は可能ですが、少なくとも創業資金総額の10%の自己資金があるという要件は、審査を受ける際に必要となります。

また所定の条件を満たしていても、一般的に自己資金は多いほど好ましいと考えられていますので、余裕があるならば10%ではなく30%程度を目安に自己資金を用意しておくとよいでしょう。

【自己資金として認められやすいもの】

貯金(現金預金)、退職金、資本金(自分で貯蓄)、みなし自己資金、資産売却による資金、第3者割当増資など

【自己資金として認められにくいもの】

タンス預金、貯金箱の現金、親からの贈与金、クレジットカードなどの借入金(返済義務がある金)、

保険の解約払戻金や株/投資信託など換金に時間がかかるもの

新創業融資制度の年利率一覧

担保の有無、返済期間や使用目的などにより適用される利率は異なっています。

基準金利が少し高めに設定されているのはデメリットですが、保証人も担保も要らず資金を借りられる新創業融資制度はすべての創業者におすすめといえます。

*令和6年3月1日時点で適用される新創業融資制度の年利率は次のとおりです。

基準利率

  2.50 〜 3.60 %

特別利率A

  2.10 〜 3.20 %

特別利率B

    1.85 〜 2.95 %

特別利率C

  1.60 〜 2.70 %

特別利率D

    1.85 〜 2.55 %

特別利率E

    1.10 〜 2.20 %

特別利率J

  1.45 〜 2.55 %

特別利率P

    2.30 〜 3.00 %

特別利率Q

  2.10 〜 2.80 %

 

まとめ

開業や起業をしたいと考えている人や、事業開始後で税務申告が2期済んでいない人は、無担保・無保証人で融資が受けられる日本政策金融公庫の「新事業融資制度」を利用するのが最適と言えます。

また、融資の審査をスムーズにするためには、信頼される創業計画書を作成することも重要です。創業融資については専門的に扱う税理士などに相談すれば、的確なアドバイスやサポートを受けられて、審査通過率が高まり、融資を受けやすくなりますのでぜひ活用しましょう。

山本聡一郎税理士事務所は、融資に関するさまざまなご相談にも対応可能な実績多数の頼れる税理士事務所です。

無料相談も実施しておりますので、いつでもお気軽にお問合せください。

author avatar
税理士 山本聡一郎
山本聡一郎税理士事務所 代表税理士。1982年7月生まれ。名古屋市中区錦(伏見駅から徒歩3分)にてMBA経営学修士の知識を活かして、創業支援に特化した税理士事務所を運営。クラウド会計 Freeeに特化し、税務以外にも資金調達、小規模事業化持続化補助金などの補助金支援に力を入れている。
無料相談ご予約・お問い合わせ

 

ページの上部へ戻る

トップへ戻る

0120549514電話番号リンク 問い合わせバナー