法人の節税対策!不動産を売却する目的や法人税の仕組みを解説

不動産を売却したときに課せられる税金は、法人と個人事業主で異なります。仕訳の勘定科目についても法人と個人事業主で異なるため注意が必要です。

今回は法人が不動産を売却した際の節税効果や、仕訳、会計処理について詳しく解説いたします。

不動産を売却するときの経費と仕訳

法人が不動産を売却する際に発生する費用の多くは、経費にすることが可能です。仲介手数料、売却するための広告費用、管理費など、さまざまな費用を経費として計上することができるので、節税効果が期待できます。

勘定科目は、仲介手数料とローンを振り上げ返済した際の手数料を「支払手数料」、固定資産税の清算金を「租税公課」、その他清掃費用などを「業者委託費」として計上することができます。

また、減価償却によって帳簿上の不動産の価値を減少させていくことができます。売却する際の不動産の価値は「簿価」で計算するので、減価償却を利用すれば税の負担を減らすことが可能です。

そして法人の場合、不動産売却により利益が発生した場合は「固定資産売却益」、損失が発生した場合には「固定資産売却損」の勘定科目になります。

不動産売却の際に課せられる税金

個人事業主が不動産を売却した際に出た利益は「譲渡所得」といい、住民税と所得税の課税対象になります。

譲渡所得税は利益の金額や所有期間で税率が変わり、長期保有によって税率が低くなります。

一方で法人には「法人税」が課せられ、税率は固定されていて個人事業主よりも優遇されています。

ここからは、法人が不動産を売却した際に課せられる法人税とその他の税金について解説いたします。

1.法人税

【課税所得×法人税率=法人税】

課税所得×税率で法人税の金額が決まります。課税される所得から経費を引いて計算しましょう。

不動産売却時の経費は前項に記載している通りです。税率は資本金1億円以下の法人で年800万円以下の部分は15%、資本金1億円以下の法人で年800万円以上の部分と資本金1億円以上の法人は23.20%です。

ただし、これらは赤字の場合には納税義務がありません。

2.法人事業税

【課税所得×法人事業税率=法人事業税】

事業によって得た利益を地方自治体に納税する法人事業税は、課税所得に法人事業税率をかけて計算します。

税率は自治体によって変わりますが、法人税と同じく、赤字のときや所得がない年は納税義務がありません。不動産を売却すると利益を得ることが考えられるので、法人事業税がかかることを覚えておきましょう。

3.法人住民税

【法人税割+均等割=法人住民税】

個人が住民税を納付しているのと同じように、法人も住民税を納付します。

都道府県民税と市町村民税の合計が法人住民税となります。赤字の年でも納税義務があり、法人税や法人事業税とは大きく異なります。

不動産の売却の有無も関係なく納付するものなので、こちらも把握しておきましょう。法人税に自治体が定める税率をかけて計算した「法人税割」に、資本金や従業員の人数で金額が決まる「均等割」を足して法人住民税の金額が決まります。

4.その他の税金

法人が不動産を売却した際には、印紙税と消費税が課せられることも考えられます。

売却価格に応じて税率が定められている印紙税は、不動産売買契約書に貼り付けて納付します。そして消費税に関しては、免税事業者の場合は非課税となります。課税事業者の場合は消費税が課せられることを把握した上で売却価格を決定しましょう。

不動産を売却するときにできる節税方法

先述した計算式から分かるように、課税所得により納税額は大きく変わります。

そこで、法人の税負担をなるべく少なくするために、不動産を売却したときにできる節税方法をご紹介します。

1.新たに不動産を購入する

不動産を売却した年度に新たに不動産を購入することで、さまざまな経費を計上することができるため有効な節税対策につながります。不動産購入費用や仲介手数料を減価償却費として計上することができます。

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2.役員に賞与や退職金を支払う

役員に支払うお金は損金となります。賞与や役員報酬を一時的に増やすなどにより、利益を減らすことができるのです。ただし個人の所得が増えることにもなるので、社会保険料が増える可能性があることに注意が必要です。

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3.会社の設備を購入する

会社の設備を新調することで、経費として計上することができます。社用車やコピー機、パソコンなど業務に必要となるものを購入すれば、その分だけ所得を減らすことが可能です。

まとめ

山本聡一郎税理士事務所では、法人の節税対策についての相談も積極的に承っています。

「不動産の売却を検討しているけど税負担が気になる」「自分の会社に合った節税方法を教えてほしい」とお悩みの場合は、ぜひ一度無料相談をご利用ください。不動産の売却や節税についての適切なアドバイスを行います。

税金やお金のプロである税理士に相談することは、安定した経営につながります。数多くの会社のサポート経験がある山本総一郎税理士事務所にまで、お気軽にご連絡ください。

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税理士 山本聡一郎
山本聡一郎税理士事務所 代表税理士。1982年7月生まれ。名古屋市中区錦(伏見駅から徒歩3分)にてMBA経営学修士の知識を活かして、創業支援に特化した税理士事務所を運営。クラウド会計 Freeeに特化し、税務以外にも資金調達、小規模事業化持続化補助金などの補助金支援に力を入れている。
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