どうする?資金ショートで取引先に支払いできない!個人資産への影響は?

経営者の皆様、資金ショートで取引先に支払いができない・融資の返済ができない…という状況に直面した時、どのように対応すれば良いか、ご存知でしょうか?資金繰りの悪化は、経営者にとって最も深刻な問題の一つです。放置すれば、取引先との関係悪化、法的措置、そして最悪の場合、個人資産への影響も避けられません。

もちろん、そうならないように対策しておくことが最も重要ですが、経営において予期せぬ事態は避けられません。

万一の事態が起こってしまった時のための対応策として、今回は、支払不能時の対応策とその際の個人資産への影響について解説します。

法人の支払い不能時の状況と原因分析

支払不能に陥る原因は様々です。

売上減少、売掛金の回収遅延、予期せぬ支出の増加などが考えられます。

まずは、原因を特定し、現状を正確に把握することが重要です。

特に売上減少の場合は、市場の変化や競合他社の動向といった外部要因も考慮する必要があります。

また、売掛金の回収遅延の場合、取引先の信用状況や支払い条件なども確認しましょう。

支払いが滞った場合に起こりうる事態

① 取引先との関係悪化

支払遅延は、取引先からの信頼を失う原因となり、今後の取引に影響が出ることは避けられないでしょう。

取引先との関係悪化は、今後の資金調達にも影響を与える恐れがあります。

また、横のつながりで悪い噂が広まり、他の取引先との関係にまで悪影響を及ぼします。
そのため、誠意を持って対応することが重要です。

② 資金繰りの悪化

支払遅延が続くと、資金繰りがさらに悪化し、連鎖倒産のリスクも高まります。
また、資金繰りの悪化によって従業員の給与遅延や未払いが発生すると、従業員のモチベーション低下や大量離職につながるため、早急な対策が必要です。

③ 法的措置(差し押さえ、破産など)

債権者からの法的措置により、会社の資産が差し押さえられたり、破産手続きが開始されることもあります。
法的措置は、会社の信用を大きく損なうだけでなく、経営者の精神的な負担も大きくなります。

経営者に家族がいる場合は、その家族にも間接的に金銭的・精神的な負担がかかることもあります。

資金ショート、支払いができない時の対応策

① 資金調達(融資、助成金など)

金融機関からの融資や、政府・自治体の助成金制度を活用し、資金調達を試みましょう。
融資を受ける際は、事業計画書や資金繰り表など、必要な書類を準備しましょう。
助成金制度は、返済不要な資金を調達できる可能性があります。

これらの方法は時間がかかる場合が多く、必ず資金調達できるとは限りませんが、試す価値は十分にあります。

資金調達の手段として、融資・助成金のほかに下記の方法を別の記事で紹介しています。

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② 取引先との交渉(支払い猶予、分割払いなど)

取引先に事情を説明し、支払い猶予や分割払いの交渉を行いましょう。
具体的な返済計画を示し、単に「お金がないので払えません。」や「支払いが遅れます。(具体的な予定は未定)」と伝えるのではなく、支払い意思を明確にして、理解を得られるように努めましょう。

交渉は、誠意を持って行うことが重要です。決して、相手からの連絡を無視したりしてはいけません。

③ 経費削減

不要な経費を削減し、支出を抑えましょう。
経費削減の方法は、会社の規模や業種によって異なり、固定費の見直しや、変動費の削減など、様々な方法があります。

専門家と相談した上で行うようにしましょう。

④ 資産の売却

土地・建物・株式・車など、売却して現金化できるものがあれば、現金化していきましょう。

中でも株式は最も早く現金化できるものなので、一刻も早く資金調達をしたい場合は株式のような流動資産を優先して売却していきましょう。

⑤ 事業の見直し

不採算部門の撤退や、事業戦略の見直しを行い、収益改善を目指しましょう。

事業の見直しは、会社の将来を左右する重要な決断です。慎重に検討し、専門家の意見も参考にしましょう。

経営者の個人資産への影響

① 連帯保証人としての責任

融資を受ける際に、連帯保証人になっている場合、会社が支払不能になると、個人資産で返済する責任が生じます。
連帯保証人は、経営者本人だけでなく、配偶者や親族がなっている場合もあります。

連帯保証人になっている場合は、事前にリスクを理解しておくことが重要です。

② 役員責任

経営者の責任として、損害賠償請求を受ける可能性があります。役員責任は、経営者の過失や法令違反などが原因で問われることがあります。

役員責任保険に加入するなど、リスク対策を検討しましょう。

専門家への相談の重要性

支払不能という状況になってしまうと、専門的な知識と経験が必要です。対応に追われて冷静な判断ができなくなることも少なくありません。

そのような時は、税理士や弁護士などの専門家に相談し、適切なアドバイスを受けることをお勧めします。

専門家は、資金調達や取引先との交渉、法的措置など、様々な面でサポートしてくれます。

まとめ

資金ショートは、早期の対応が重要です。
現状を把握し、適切な対策を講じることで、最悪の事態を回避できる可能性が高まります。

一人で悩まず、専門家の力を借りながら、解決策を見つけ出しましょう。

可能な限り、支払不能になってから対応するのではなく、そのような状況に陥らないように事前に対策しておくことが重要です。

早めに専門家のサポートを受けて、資金ショートに陥らないように日頃から健全経営を目指していきましょう。

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税理士 山本聡一郎
山本聡一郎税理士事務所 代表税理士。1982年7月生まれ。名古屋市中区錦(伏見駅から徒歩3分)にてMBA経営学修士の知識を活かして、創業支援に特化した税理士事務所を運営。クラウド会計 Freeeに特化し、税務以外にも資金調達、小規模事業化持続化補助金などの補助金支援に力を入れている。
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