法人の土地活用は税金対策が可能?押さえておきたい3つのポイント

法人が所有する土地を活用すると、税金対策につながる可能性があります。例えば、固定資産税や相続税の軽減、経費計上による法人税の節税などです。

不動産の活用はさまざまなメリットがあり、安定した収入の確保や経営状況に応じた資産管理のしやすさも大きな魅力です。その一方で、空室リスクや税制改正などの注意点も存在します。

本記事では、法人の土地活用における税金対策の仕組みやメリット、リスクについて解説します。

ポイント1. 土地活用で節税できる税金の種類を知ろう

法人が土地を有効に活用することで、さまざまな税金を節税できる可能性があります。

ここでは、節税に役立つ主な税金の種類とその仕組みについて解説します。

固定資産税の軽減

固定資産税とは、不動産を所有している人に毎年課税される税金です。

更地のまま土地を所有していると固定資産税は高額になる傾向がありますが、住宅を建てると軽減措置が適用されます。

例えば、住宅用地の特例を利用すると固定資産税が最大6分の1に減額されるため、大幅な節税効果が期待できます。

都市計画税の軽減

都市計画税は市街化区域にある不動産に課される税金ですが、住宅を建てると最大3分の1に軽減されます。

更地に比べて、建物があるほうが地域の発展に貢献するとみなされるためです。この軽減措置は、法人が賃貸物件を建てる場合にも適用される可能性があります。

相続税対策

土地を現金のまま相続すると、その金額の評価額がそのまま相続税の課税対象となります。しかし、現金を不動産に変えると相続税評価額を下げられます。

さらに、土地を賃貸物件として活用すれば「貸家建付地」として評価されるため、相続税の負担をより軽減することが可能です。また「小規模宅地の特例」を活用すると一定の条件を満たせば土地の評価額を大幅に引き下げられます。

贈与税の節税

財産を生前に贈与するなら現金よりも不動産として贈与したほうが、税負担を抑えられる可能性があります。不動産の評価額が、現金よりも低く算定されるケースが多いためです。

また、貸家建付地として認められると土地の評価額がさらに引き下げられ、結果として贈与税の負担を軽減できる可能性があります。

ただし、この制度を活用するには貸家としての賃貸実績があることや、一定の使用制限を満たす必要があるため事前に専門家に相談することが大切です。

所得税の節税

土地活用で発生するローンの利息や管理費用、減価償却費などを経費として計上すると、所得税の課税所得を減らすことが可能です。特に法人の場合、減価償却費を活用すれば、長期的な節税効果が期待できます。

さらに、青色申告を行えば最大65万円の特別控除が受けられるため、税負担を大きく軽減できるでしょう。

ポイント2. 法人が土地活用で得られる税金対策以外のメリットを知ろう

法人が土地を活用すると節税効果だけでなく、経営や資産管理の面でもさまざまなメリットを得られます。

ここからは、法人の土地活用によって得られる税金対策以外のメリットを見ていきましょう。

安定した固定収入の確保

法人が賃貸経営を行うと、賃貸契約に基づき、毎月安定した賃料収入が期待できます。契約期間が長期にわたるケースが多く、特に法人契約(企業が社宅や事務所として借りる場合)では解約リスクが低く、安定した収益を確保しやすいためです。

また、都市部や人口が増加している地域では賃貸需要が高く、長期的な収益が見込めるため空室リスクを抑えやすくなるでしょう。

さらに、オフィスビルや商業施設の賃貸、駐車場経営など最適な方法を選べば事業資金の管理がしやすくなり、経営の安定化にもつながるメリットがあります。

経費計上と欠損金の繰越

法人の場合、以下のような費用を経費にできます。

土地活用にかかるさまざまな費用を経費として計上できるため、個人よりも幅広い経費処理が可能です。

  • 役員報酬
  • 退職金
  • 生命保険料
  • 建物の管理費用
  • ローンの利息
  • 減価償却費

また、法人は赤字(欠損金)が発生した場合、その損失を最大10年間繰り越して、将来の黒字と相殺できます。個人事業主の場合、繰り越せるのは最大3年間であることを考えると大きなメリットでしょう。

経営状況に合わせた利益や損失の調整

法人が土地活用を行うなら、活用方法やタイミングを工夫すると利益や損失をコントロールしやすくなります。

例えば、以下のような方法です。

  • 利益が大きく出た年 → 設備投資を行い、経費を増やして法人税を抑える
  • 赤字が発生した年 → 欠損金の繰越を活用して、翌年以降の税負担を減らす
  • 将来的な資産価値を考慮 → 一時的に土地を遊休地にせず、長期的な視点で賃貸経営を行う

法人の土地活用は単なる税金対策だけでなく、経営の安定や資産形成にもつながります。状況に応じ、柔軟に活用しましょう。

ポイント3. 法人が土地活用で税金対策を行う際のリスクや注意点を知ろう

土地活用には多くのメリットがありますが、気をつけるべきポイントもあります。

より効果的に運用するために、リスクや注意点もチェックしておきましょう。

空室リスク

賃貸物件を運営する場合、空室が発生すると収入が減少し、ローンの返済が困難になる可能性があります。

特に、人口減少地域や需要の少ないエリアではリスクが高いため、市場調査を十分に行い、長期的な入居者確保の戦略を立てる必要があるでしょう。

◆税制改正のリスク

税制は定期的に改正されるため、現在の優遇措置が将来的に変更される可能性があります。

固定資産税や相続税の減税措置が変わると、想定していた節税効果が減少するケースも少なくありません。税理士などの専門家と相談し、最新の税制情報を把握しましょう。

売却時の税率の違い

法人が不動産を5年以上保有した後に売却すると、個人の売却税率(約20%)よりも法人の税率(約30%)が高くなるため、売却益が大きい場合は注意が必要です。

出口戦略を考えたうえで、法人化のメリット・デメリットを検討しましょう。

法人化のコストと税負担

法人を設立するには、登記費用や運営コストがかかります。

また、赤字であっても法人住民税が課されるため、維持費用を考慮した資金計画が必要です。

事前に費用対効果を検討し、法人化が本当に適しているか慎重に判断しましょう。

まとめ

法人の土地活用は固定資産税や相続税の軽減、経費計上による法人税の節税など、効果的な税金対策につながります。安定した収入源の確保となる点や、経営状況に応じた資産管理の柔軟性も大きなメリットです。

ただし、空室リスクや税制改正、法人化に伴うコストなどの注意点もあるため、慎重に計画を立てましょう。

名古屋市で法人の土地活用や税金対策を検討されている方は、税務の専門家である「山本聡一郎税理士事務所」へご連絡ください。状況に合わせた最適な土地活用プランをご提案し、節税効果を最大限に高めるサポートをいたします。まずはお気軽に無料相談をご利用ください。

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税理士 山本聡一郎
山本聡一郎税理士事務所 代表税理士。1982年7月生まれ。名古屋市中区錦(伏見駅から徒歩3分)にてMBA経営学修士の知識を活かして、創業支援に特化した税理士事務所を運営。クラウド会計 Freeeに特化し、税務以外にも資金調達、小規模事業化持続化補助金などの補助金支援に力を入れている。
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