オペレーティングリース節税はなぜ人気?航空機・船舶リースの仕組みと失敗しないための選び方

オペレーティングリースでの節税を検討中の経営者様へ。この記事では、航空機や船舶リースがなぜ人気なのか、その節税の仕組みを分かりやすく解説します。オペレーティングリースは減価償却の仕組みを利用して初年度に大きな損金を作れるため、利益の繰延効果が高いのが特徴です。本記事を読めば、メリットだけでなく元本割れなどのリスクや失敗しない商品の選び方まで理解でき、自社に最適な節税策か判断できるようになります。

このページの目次

オペレーティングリースが節税対策として経営者に選ばれる理由

事業が好調で想定以上の利益が出た際、多くの経営者が直面するのが「高額な法人税」という課題です。もちろん、納税は国民の義務であり、利益に応じた税金を納めることは企業の社会的責任でもあります。しかし、手元に残るキャッシュを最大化し、次の事業投資や内部留保に回したいと考えるのもまた、経営者として当然の判断でしょう。

数ある節税対策の中で、特に近年、高収益企業の経営者から強い支持を集めているのが「オペレーティングリース」を活用した手法です。なぜ、この手法が選ばれるのでしょうか。その背景には、他の節税商品にはない、オペレーティングリースならではのユニークな特徴とメリットが存在します。

この章では、オペレーティングリースが多くの経営者を惹きつける理由を、3つの主要な観点から詳しく解説します。

1. 突発的な利益に対応できる即効性の高さ

企業の利益は、必ずしも毎年安定しているとは限りません。大型案件の受注や資産売却などにより、特定の事業年度だけ利益が突出することは珍しくありません。このような突発的な利益に対して、決算期が迫った段階からでも対応できる即効性が、オペレーティングリースが選ばれる最大の理由の一つです。

例えば、役員報酬の変更や設備投資による節税は、計画的な準備と実行に時間が必要です。決算直前になってからでは間に合わないケースがほとんどでしょう。しかし、オペレーティングリースは、決算対策として商品を選定し、契約・出資手続きを行えば、出資初年度に支払額の大部分(一般的に70%〜80%)を損金として計上することが可能です。これにより、決算間際であっても、短期間で大きな利益を計画的に圧縮し、課税所得をコントロールすることができます。

2. 本業に集中しながら効率的な節税が可能

経営者の最も重要な仕事は、もちろん本業の事業を成長させることです。節税のために、本業とは直接関係のない不動産を購入・管理したり、新規事業を立ち上げたりするのは、多大な時間と労力を要し、経営資源を分散させてしまうリスクがあります。

その点、オペレーティングリースは、航空機や船舶といった大型資産のリース事業に対して「匿名組合契約(TK)」という形態で出資する仕組みです。実際の資産の購入、管理、運用、そして最終的な売却まで、すべて専門知識を持つリース会社(営業者)が行います。出資者である経営者の企業は、出資金を払い込むだけで、その後の煩雑な手続きや管理業務に携わる必要がありません。これにより、経営者は本業に集中しながら、効率的に節税効果を得ることができるのです。

3. 利益の繰延による計画的な税負担の平準化

オペレーティングリースは、税金を単に消滅させる「節税」ではなく、利益を将来の年度に繰り延べる「課税の繰延」という側面が強い手法です。これは一見デメリットに聞こえるかもしれませんが、実は戦略的な財務運営において大きなメリットとなり得ます。

以下の表は、オペレーティングリースと他の代表的な節税策との違いを比較したものです。

オペレーティングリースと他の節税策の比較
節税策 損金計上のタイミング 損金の規模 出口(将来のキャッシュイン)
オペレーティングリース 初年度に集中 大きい(数千万円〜) リース期間満了時に分配金(益金)として発生
役員報酬の増額 毎月定額 比較的調整しやすい なし(個人の所得となる)
生命保険(全損・半損) 保険料支払時 中程度 解約時に返戻金(益金)として発生
中小企業倒産防止共済 掛金支払時(年間最大240万円) 小さい(上限あり) 解約時に手当金(益金)として発生

表からもわかるように、オペレーティングリースは初年度に大きな損金を作り、リース期間が満了する数年後(一般的に7年〜10年後)に、リース資産の売却益などが分配金として自社に戻ってきます。この分配金は会計上「益金」として扱われます。

この仕組みを利用し、将来的に役員の退職金支払いなど大きな損金が発生する年度や、設備投資などで利益が減少する年度に、分配金(益金)が入るように出口を設計することで、益金と損金を相殺させることが可能です。これにより、複数年度にわたって税負担を平準化し、安定したキャッシュフロー経営を実現する、という戦略的な活用が経営者に高く評価されています。

オペレーティングリースとは?基本的な仕組みを解説

オペレーティングリースとは、航空機や船舶、海上輸送用コンテナといった特定の大型資産を、企業が賃貸借する取引形態の一つです。この取引の基本的な枠組みは、リース事業を運営する会社(リース会社)が資産を購入し、その資産を借りたい企業(航空会社や海運会社など。レッシーと呼ばれます)に一定期間貸し出すというものです。

節税を目的とする経営者や法人は、このリース事業に「出資」という形で参加します。具体的には、リース事業のためだけに設立された特別目的会社(SPC)に対して出資を行い、その事業から生じる損益の分配を受けることになります。このリース事業への出資を通じて、会計上の損益を取り込む仕組みが、オペレーティングリース節税の根幹をなしています。

リース期間が満了すると、リース会社は資産を中古市場で売却します。その際の売却益は、出資額に応じて出資者である法人に分配されるのが一般的です。つまり、オペレーティングリースは単なる賃貸借取引ではなく、投資の側面も併せ持った金融商品としての性格を持っています。

ファイナンスリースとの違い

リース取引には、オペレーティングリースとファイナンスリースの2種類が存在します。両者は会計処理や法的な位置づけが大きく異なり、節税を考える上でこの違いを理解することは非常に重要です。ファイナンスリースは実質的に「分割払いで資産を購入する」ような金融取引に近い一方、オペレーティングリースは純粋な「レンタル(賃貸借)」に近い取引です。

両者の主な違いを以下の表にまとめました。

項目 オペレーティングリース ファイナンスリース
取引の目的 資産の賃貸借(レンタル) 資金調達(実質的な資産の売買)
契約の性質 賃貸借処理 売買処理(所有権移転外は賃貸借処理も可)
リース料総額 物件価格の一部(ノンフルペイアウト) 物件価格+諸経費のほぼ全額(フルペイアウト)
中途解約 原則として不可 原則として不可
契約終了後の資産 リース会社に返却 借手への所有権移転、または再リース
会計処理(借手側) 支払リース料を費用計上(損金処理) 減価償却費と支払利息を費用計上

このように、オペレーティングリースは「ノンフルペイアウト(リース料総額が物件取得価額の90%未満)」かつ「中途解約不能」という要件を満たす賃貸借取引と定義されています。この「賃貸借」であるという点が、後述する節税スキームの鍵となります。

匿名組合契約(TK)の仕組み

日本の投資家(法人)がオペレーティングリース節税を行う際、そのほとんどが「匿名組合契約(とくめいくみあいけいやく)」というスキームを利用します。これは商法で定められた契約形態で、特定の事業のために複数の出資者から資金を集める手法の一つです。

匿名組合契約には、主に2者の登場人物がいます。

  • 営業者:実際にリース事業を運営する者。通常、この事業のためだけに設立された特別目的会社(SPC)が担います。
  • 匿名組合員:事業に対して出資を行う投資家。節税を目的とする法人がこれにあたります。

この仕組みの流れは以下の通りです。

  1. 匿名組合員(投資家)は、営業者(SPC)と匿名組合契約を締結し、事業資金を出資します。
  2. 営業者(SPC)は、集めた出資金と金融機関からの借入金を元手に、航空機などのリース資産を購入します。
  3. 営業者(SPC)は、航空会社などのレッシーに資産を貸し出し、リース料収入を得ます。
  4. 営業者(SPC)は、リース事業から生じた利益または損失を、出資持分に応じて匿名組合員(投資家)に分配します。

この仕組みにおける最大のポイントは、匿名組合の事業で発生した会計上の損失を、出資者である匿名組合員が自社の損金として算入できる点にあります。オペレーティングリース事業では、初年度に定率法による多額の減価償却費が計上されるため、会計上大きな損失が発生します。この損失を自社の利益と相殺することで、課税所得を大幅に圧縮し、結果として法人税の納税を将来に繰り延べることが可能になるのです。この損益分配のルールについては、国税庁のウェブサイトでも解説されています。(参考:国税庁 匿名組合契約に係る損益の帰属の時期について

オペレーティングリースで節税できる仕組み

オペレーティングリースが節税対策として注目される最大の理由は、匿名組合契約(TK)というスキームを通じて、リース事業から生じる会計上の損失を出資者が自身の所得と合算(損益通算)できる点にあります。これにより、課税所得を一時的に圧縮し、納税額を抑える効果が期待できます。ここでは、その具体的な仕組みを3つのポイントに分けて詳しく解説します。

減価償却を利用した初年度の大きな損金計上

オペレーティングリースの節税効果の源泉は、高額なリース資産(航空機や船舶など)の「減価償却費」にあります。減価償却とは、資産の取得にかかった費用を、その資産が使用できる期間(法定耐用年数)にわたって分割して費用計上していく会計処理のことです。

リース事業では、事業開始初年度にリース料として得られる収入よりも、この減価償却費の方がはるかに大きくなるケースが一般的です。例えば、1億円を出資してリース事業に参加した場合、初年度に8,000万円前後の会計上の損失が発生する商品も存在します。このリース事業から生じた会計上の損失を出資額を上限として自社の利益と損益通算することで、課税対象となる所得を大幅に圧縮できるのです。これが、オペレーティングリースが特に決算間近の利益対策として活用される理由です。

節税の鍵となる定率法での会計処理

なぜ初年度にこれほど大きな損失を計上できるのか。その鍵を握るのが「定率法」という減価償却の計算方法です。減価償却には主に、毎年一定額を費用計上する「定額法」と、初年度の償却額が最も大きく年々減少していく「定率法」の2種類があります。

オペレーティングリース、特に航空機リースでは、多くの場合で定率法が採用されます。これにより、投資初期に減価償却費が集中し、短期間で大きな損金を作り出すことが可能になります。航空機(ターボジェット発動機を搭載するもの)の法定耐用年数は10年、大型のコンテナ船は15年など、資産ごとに定められており、この期間と定率法を組み合わせることで、特有の損益曲線が描かれます。

定額法と定率法の違いを以下の表にまとめました。

項目 定率法 定額法
償却費の推移 初年度の償却額が最も大きく、年々減少していく。 毎年、均等額を償却していく。
特徴 資産の価値が大きく減少する初期に、多くの費用を計上できる。 計画が立てやすく、計算がシンプル。
オペレーティングリースでの効果 初年度に大きな損金を作り出し、高い節税効果を生む要因となる。 初年度の損金計上額が小さくなるため、あまり採用されない。

※法定耐用年数の詳細については、国税庁のウェブサイトをご参照ください。主な減価償却資産の耐用年数表(国税庁)

利益の繰延であることの理解が重要

オペレーティングリースを利用する上で、最も理解しておくべき重要なポイントは、これが税金の支払いタイミングを将来に先送りする「利益の繰延」であるという点です。決して、税金が永久に免除されるわけではありません。

仕組みは以下の通りです。

  1. リース期間中(入口):減価償却によって作り出された損失を計上し、当期の法人税などを圧縮します。
  2. リース期間満了時(出口):リースしていた資産(航空機など)を市場で売却します。この時、減価償却が進んで簿価が下がっているため、売却額が簿価を上回れば「売却益」が発生します。この売却益は出資者に分配され、雑所得として課税対象となります。

つまり、リース期間中に圧縮した税金は、期間満了時に利益(キャピタルゲイン)という形で戻ってくるため、そのタイミングで納税義務が発生するのです。したがって、この利益が計上されるタイミングで役員退職金の支払いや大規模な設備投資、赤字事業との相殺など、将来の「出口戦略」をあらかじめ計画しておくことが極めて重要です。出口戦略なく安易に利用すると、将来的に多額の税金を支払うことになり、かえって資金繰りを悪化させるリスクがあることを肝に銘じておきましょう。

オペレーティングリースの主な種類と特徴

オペレーティングリースと一言で言っても、その投資対象となる資産は多岐にわたります。それぞれに特徴やリスク、期待できるリターンが異なるため、自社の状況に最も適した商品を選ぶことが重要です。ここでは、節税対策として活用される代表的な3つのオペレーティングリース「航空機」「船舶」「コンテナ」について、その特徴を詳しく解説します。

どのリース資産を選ぶかによって、投資額、期間、リスクの性質が大きく変わるため、それぞれの違いを正しく理解し、慎重に比較検討しましょう。

航空機リース(JOLCO/JOL)

オペレーティングリースの中でも最も代表的で、多くの経営者に選ばれているのが航空機リースです。特に、購入選択権付日本型オペレーティングリースであるJOLCO(Japanese Operating Lease with Call Option)が主流となっています。

航空機は法定耐用年数が比較的短く設定されており(例:飛行機(旅客機、ヘリコプター等)は種類により5年〜10年)、定率法による減価償却を適用することで、出資初年度に大きな損金を計上できるのが最大の魅力です。リース先は国内外の大手航空会社が中心となるため、比較的信用力が高い案件が多いのも特徴です。

一方で、投資単位は一口数千万円からと高額になる傾向があります。また、リース期間も10年前後と長めです。リスクとしては、航空会社の倒産(クレジットリスク)や、世界経済の動向、テロやパンデミックといった地政学リスクによる航空需要の減少、そして為替変動などが挙げられます。リース期間満了時の航空機中古市場の価格変動も、最終的なリターンに大きく影響します。

船舶リース

船舶リースも、航空機リースと並んで人気のあるオペレーティングリースの一つです。投資対象となる船には、鉄鉱石などを運ぶバルクキャリア(ばら積み船)、原油を運ぶタンカー、コンテナを運ぶコンテナ船など、様々な種類があります。

航空機と同様に、初年度に大きな損金を計上できるため、高い節税効果が期待できます。投資単位も数千万円からと高額で、リース期間も10年を超える長期になることが一般的です。船舶の法定耐用年数は船の種類によって異なりますが、航空機と同様に減価償却メリットを享受できます。

船舶リースの最大のリスクは、海運市況の大きな変動です。バルチック海運指数に代表されるように、海運市況は世界経済の動向に非常に敏感で、航空機市場以上に価格のボラティリティ(変動率)が高い傾向にあります。そのため、リース期間満了時の売却価格が想定を大きく下回る可能性もあれば、逆に大きく上回る可能性も秘めており、ハイリスク・ハイリターンな特性を持つと言えるでしょう。もちろん、海運会社の倒産リスクや為替リスクも存在します。

コンテナリース

航空機や船舶に比べて、より手軽に始められるのがコンテナリースです。海上輸送で使われる国際規格のコンテナを投資対象とします。

最大の特徴は、投資単位が一口数百万円からと、比較的小額から始められる点です。そのため、初めてオペレーティングリースを検討する企業や、複数の資産に分散投資したい場合に適しています。リース期間も5年〜7年程度と比較的短く、資金計画が立てやすいのもメリットです。

コンテナリースは、複数のコンテナをまとめて一つのプールとして運用し、その収益を投資家に分配する「プール方式」が一般的です。これにより、特定のリース先の倒産リスクが分散される効果があります。ただし、航空機や船舶に比べて個々の資産価値が低いため、初年度に計上できる損金の額は小さくなります。

リスクとしては、世界の貿易量の変動によるコンテナ需要の増減や、コンテナの中古市場価格の下落、そして為替変動などが挙げられます。管理会社の運用手腕が収益に直結する点も注意が必要です。

以下に、それぞれのリースの特徴をまとめました。自社の利益状況やリスク許容度に合わせて、最適な商品を選択するための参考にしてください。

オペレーティングリースの種類別特徴比較
項目 航空機リース(JOLCO/JOL) 船舶リース コンテナリース
主な投資対象 旅客機、貨物機など バルクキャリア、タンカー、コンテナ船など 海上輸送用コンテナ
投資単位の目安 数千万円〜 数千万円〜 数百万円〜
リース期間の目安 約10年 約10年〜15年 約5年〜7年
初年度損金割合 大きい(約70%〜80%) 大きい(約70%〜80%) 中程度(約60%〜70%)
主なリスク 航空会社の倒産、航空機市況の変動、為替変動、地政学リスク 海運会社の倒産、海運市況の大きな変動、為替変動 世界の貿易量の変動、コンテナ市況の変動、為替変動
特徴 代表的な商品で案件が豊富。リース先の信用力が比較的高め。 ハイリスク・ハイリターンの傾向。市況による価格変動が大きい。 少額から始められる。リスク分散がしやすい。

オペレーティングリース節税のメリット

オペレーティングリースが多くの経営者から支持される理由は、単に税金の支払いを先延ばしにするだけでなく、企業の財務戦略に柔軟性をもたらす複数のメリットがあるためです。ここでは、オペレーティングリースを活用することで得られる3つの主要なメリットを詳しく解説します。

メリット1 短期間で大きな損金を作れる

オペレーティングリース最大のメリットは、出資した初年度に、出資額の大部分を損金として計上できる点にあります。通常、航空機や船舶のような高額な資産は、購入してもその全額を一度に経費にすることはできず、耐用年数に応じて分割して費用計上する「減価償却」という会計処理を行います。

オペレーティングリース(匿名組合契約)では、この減価償却の計算に「定率法」を用いることが一般的です。定率法は、資産の未償却残高に一定の償却率を掛けて計算するため、特に償却の初期段階、つまりリース開始初年度に最も大きな減価償却費を計上できる仕組みになっています。これにより、出資額の70%〜80%程度が初年度の損金として認められるケースが多く、課税対象となる利益を大幅に圧縮することが可能になります。この即時性の高い大きな損金創出効果が、多くの企業にとって魅力的な選択肢となるのです。

※減価償却の具体的な計算方法については、国税庁のウェブサイトもご参照ください。No.2106 定率法(国税庁)

メリット2 決算対策として活用しやすい

オペレーティングリースは、決算期が迫ったタイミングでの利益対策としても非常に有効です。事業年度末に想定以上の利益が見込まれる場合、効果的な節税策を打つには時間が限られています。設備投資や役員報酬の変更といった他の節税策は、事前の計画や手続きに時間を要するため、期末の「駆け込み」での対応は困難です。

その点、オペレーティングリース商品は、決算月やその直前に募集される案件も多く、利益額がほぼ確定した段階で、必要な損金額に合わせて商品を選び、契約することが可能です。このタイミングの柔軟性が、突発的な利益への対応策として高く評価されています。

主な節税策との比較
節税策 実行タイミングの柔軟性 損金額の規模 特徴
オペレーティングリース 高い(決算間際でも対応可) 大きい(初年度に集中) 利益の繰延。将来、利益として戻ってくる。
設備投資 低い(計画的な実行が必要) 投資額による(減価償却) 事業に必要な資産を取得。資金は事業資産に変わる。
役員報酬の増額 低い(期首から3ヶ月以内) 役員報酬額による 定期同額給与の原則があり、期中の変更は原則不可。
経営セーフティ共済 比較的高い(年払いが可能) 中くらい(年間最大240万円) 掛金は全額損金。解約時に利益(雑収入)となる。

メリット3 リース期間満了時に売却益を狙える

オペレーティングリースは、節税(利益の繰延)だけでなく、投資としての側面も持ち合わせています。リース期間が満了すると、リース会社は航空機や船舶などのリース資産を中古市場で売却します。その売却代金から諸経費を差し引いた金額が、出資者に分配金として払い戻されます。

この際、中古市場の市況が良好で、購入時の想定よりも資産価値が上がっていれば、当初の出資金を上回る分配金(キャピタルゲイン)を受け取れる可能性があります。もちろん、これは為替レートや市況に左右されるためリスクも伴いますが、大きなリターンを得られるチャンスがある点は、他の節税商品にはない魅力と言えるでしょう。

また、この分配金が利益として計上されるタイミングで、役員退職金の支払いや、大規模な設備修繕、新規事業への投資など、大きな損金が発生するイベントを計画的にぶつけることで、出口での税負担を効果的に相殺する「出口戦略」を描くことも可能です。

【注意点】オペレーティングリース節税のデメリットとリスク

オペレーティングリースは、うまく活用すれば大きな節税効果が期待できる一方、金融商品としての側面も持ち合わせているため、相応のデメリットやリスクが存在します。メリットだけに目を奪われず、これから解説する注意点を十分に理解し、許容できるかどうかを慎重に判断することが、失敗しないための絶対条件です。

元本割れのリスク

オペレーティングリースへの出資は、預金や国債とは異なり、元本が保証されているわけではありません。経済状況や市場環境の変化によっては、出資金を下回る金額しか回収できず、損失が発生する「元本割れ」の可能性があります。主な元本割れリスクの要因は次の通りです。

リスクの種類 リスクの概要 確認すべきポイント
為替変動リスク 主に米ドル建てのため、出資時よりリース満了時に円高が進むと、円換算での受取額が目減りする。 為替予約など、為替変動をヘッジする仕組みの有無。
中古市況による鑑定評価額の下落リスク リース満了時の航空機や船舶の中古市場価格が、想定より下落すると売却損が発生する。 リース資産の汎用性や市場での需要。鑑定評価額の妥当性。
カントリーリスクと地政学リスク リース先の航空会社(レッシー)が所在する国の政情不安や、レッシー自体の倒産(クレジットリスク)により、事業が継続できなくなる。 レッシーの信用格付けや財務状況。所在国の政治・経済の安定性。

為替変動リスク

航空機や船舶といったリース資産は、国際的に取引されるため、契約の多くが米ドル建てで行われます。そのため、出資時(円をドルに交換)と、リース期間満了後の資産売却時(ドルを円に交換)の為替レートが変動することにより、円ベースでの手取り額が変わってきます。例えば、出資時に1ドル150円だったレートが、売却時に1ドル120円といった円高になってしまうと、ドル建てでは利益が出ていても、円に換算した途端に元本割れを起こす可能性があります。一部の商品には、このリスクを軽減するための「為替予約」が付いている場合がありますので、契約前に必ず確認しましょう。

中古市況による鑑定評価額の下落リスク

リース期間が満了した航空機や船舶は、その時点の中古市場で売却されます。この売却価格は、当初の事業計画で想定された「鑑定評価額」を基にしていますが、あくまで予測値です。世界的な景気後退、原油価格の急騰、新たな技術を搭載した新型機材の登場、パンデミックによる航空需要の激減など、予測不能な要因によって中古市場が冷え込むと、鑑定評価額が大幅に下落し、大きな売却損につながる恐れがあります。特に、燃費性能が劣る旧型の航空機や、特殊な用途の船舶は市況の影響を受けやすいため、リース資産の選定が極めて重要になります。

カントリーリスクと地政学リスク

リース先の航空会社や船会社(レッシー)が事業を行う国の政治・経済情勢もリスク要因です。政変、テロ、戦争、法規制の大幅な変更などが発生すると、レッシーの経営に深刻な影響を及ぼし、リース料の支払いが滞ったり、最悪の場合は資産が差し押さえられたりする可能性があります。これを「カントリーリスク」と呼びます。また、レッシー自体の経営が悪化し、倒産してしまう「クレジットリスク」も存在します。信頼できる販売会社は、カントリーリスクの低い国の、信用格付けが高い優良なレッシーを選定していますが、出資を検討する際は、レッシーの情報を可能な限り確認することが賢明です。

出口戦略の必要性

オペレーティングリースは、あくまで「利益の繰延」です。リース期間中の損金計上によって課税を先送りにしているだけで、税金が免除されるわけではありません。リース期間満了時には、資産の売却によって得られた利益が「雑収入」として計上され、法人税の課税対象となります。このとき、何の対策も講じなければ、繰り延べてきた利益に一度に課税され、結果的に大きな税負担が発生してしまいます。これを「出口問題」と呼びます。この問題を回避するためには、あらかじめ以下のような出口戦略を計画しておく必要があります。

  • 役員退職金の支払いタイミングに合わせる
  • 新たなオペレーティングリース商品に出資し、利益をさらに繰り延べる
  • 大規模な設備投資や修繕費の発生時期に合わせる
  • 将来的に発生が見込まれる赤字と相殺する

自社の事業計画や役員の年齢などを考慮し、数年後を見据えた計画的な出口戦略を立てられるかどうかが、オペレーティングリース節税を成功させる鍵となります。

原則として中途解約ができない流動性の低さ

オペレーティングリースは匿名組合契約に基づいており、一度出資すると、リース期間が満了するまで原則として解約できません。リース期間は航空機で7年~10年、船舶では5年~8年程度と長期にわたるのが一般的です。その間に、会社の業績が悪化したり、急な設備投資で資金が必要になったりしても、出資金を引き出すことは極めて困難です。そのため、会社の運転資金や近い将来に使う予定のある資金を投じるのは絶対に避けるべきです。必ず、当面使う予定のない「余剰資金」の範囲内で検討するようにしてください。この資金の固定化、すなわち流動性の低さは、経営者が必ず認識しておくべき重要なデメリットです。

税務調査による否認リスク

適正に組成されたオペレーティングリース商品は、多くの企業で活用されている合法的な節税スキームです。しかし、その損金算入が税務当局によって否認されるリスクがゼロというわけではありません。特に、その取引が「事業としての経済的合理性を欠き、もっぱら租税回避を目的として行われた」と判断された場合、損金算入が認められない可能性があります。過去には、国税庁が航空機リースに関する法人税の取り扱いについて通達を改正した経緯もあり(法人税基本通達等の一部改正について(法令解釈通達)参照)、税務当局がその動向を注視している分野であることは間違いありません。税務否認のリスクを最小限に抑えるためには、オペレーティングリースの組成実績が豊富で、コンプライアンスを遵守している信頼できる販売会社を選ぶことが不可欠です。また、契約前には必ず顧問税理士などの専門家に相談し、自社の状況に照らして問題がないかを確認することをお勧めします。

失敗しないオペレーティングリース商品の選び方

オペレーティングリースは、うまく活用すれば大きな節税効果と投資リターンが期待できる一方、高額な出資を伴う金融商品であり、商品選びを誤ると大きな損失につながる可能性もあります。表面的な利回りや節税効果の数字だけに惑わされず、リスクとリターンを総合的に見極めることが成功の鍵となります。ここでは、経営者がオペレーティングリースで失敗しないための、具体的な商品の選び方について4つの重要なポイントを解説します。

信頼できる販売会社を選ぶ

オペレーティングリース商品の品質は、それを取り扱う販売会社に大きく左右されます。どのような販売会社から商品を購入するかは、節税と資産運用の成否を分ける最も重要な要素の一つです。信頼できるパートナーを見つけるために、以下の点を確認しましょう。

チェックポイント1:金融商品取引業の登録

オペレーティングリース(匿名組合契約)の募集や私募の取扱いを行うには、原則として第二種金融商品取引業の登録が必要です。金融庁のウェブサイトで登録業者であるかを確認することは、信頼性を判断する上での第一歩です。

チェックポイント2:実績と専門性

長年にわたり多くの案件を取り扱ってきた会社は、豊富な経験とノウハウを蓄積しています。特に、航空機や船舶といった専門性の高い分野では、その業界に精通した専門チームがいるかどうかが重要になります。過去の取扱実績や、どのようなアセット(資産)に強みを持っているかを確認しましょう。

チェックポイント3:リスク説明の透明性

メリットだけでなく、為替リスク、中古市況の変動リスク、カントリーリスクといった潜在的なデメリットやリスクについて、具体的かつ丁寧に説明してくれる会社を選びましょう。シミュレーションを提示する際に、その前提条件(想定為替レート、将来の資産価値の想定下落率など)が楽観的すぎず、現実的な根拠に基づいているかを見極めることが不可欠です。

チェックポイント4:アフターフォロー体制

契約はスタート地点にすぎません。リース期間中の運用状況のレポーティングや、最も重要となる出口戦略(リース期間満了時の売却)において、しっかりとサポートしてくれる体制が整っているかを確認することも忘れてはなりません。

リース対象資産を慎重に選定する

オペレーティングリースの対象となる資産は、航空機、船舶、コンテナが主流です。それぞれに異なる特性とリスクがあり、自社の投資方針に合った資産を選ぶ必要があります。

以下に、主なリース資産の特徴と選定時の注意点をまとめました。

資産の種類 主な特徴 選定時の注意点
航空機(JOLCO/JOL)
  • 投資規模が大きく、高い節税効果が期待できる。
  • 世界的に市場が確立されており、流動性が比較的高い。
  • ドル建て案件が中心。
  • 機種:中古市場で需要が安定しているナローボディ機(例:Airbus A320neoシリーズ)などが比較的堅実。
  • レッシー(借手):航空会社の信用力や財務状況を精査する。大手フラッグキャリアや財務の安定したLCCが望ましい。
船舶
  • バルク船、コンテナ船、タンカーなど多様な船種がある。
  • 世界経済や海運市況の影響を強く受ける。
  • 航空機に次いで投資規模が大きい。
  • 市況:海運市況のサイクルを理解し、将来性を判断する必要がある。
  • 環境規制:IMO(国際海事機関)の環境規制に対応した船舶か。将来の規制強化による資産価値下落リスクを考慮する。
コンテナ
  • 比較的少額から投資が可能。
  • 世界の貿易量に業績が連動する。
  • リース期間が比較的短い商品もある。
  • 分散投資:単一の貿易ルートに依存するのではなく、地理的に分散されたポートフォリオを持つ商品が望ましい。
  • 管理会社:コンテナの稼働率を維持し、適切に管理するオペレーターの実績が重要。

自社の事業計画に合ったリース期間か確認する

オペレーティングリースは「利益の繰延」であるため、出口戦略が極めて重要です。リース期間満了時に発生する売却益(雑所得)を受け入れるタイミングが、自社の中長期的な事業計画と合致しているかを必ず確認してください。

例えば、以下のような将来のイベントと出口のタイミングを合わせることで、より効果的な財務戦略となります。

  • 役員退職金の支払い
  • 大規模な設備投資の実施
  • 新規事業の立ち上げに伴う先行投資
  • 事業承継に伴う自社株の買い取り

単に今期の利益を圧縮するだけでなく、5年後、10年後の自社の利益水準やキャッシュフローを予測し、最適なリース期間(一般的には7年~12年程度)の商品を選定することが、失敗を避けるための賢明なアプローチです。

複数の商品を比較検討する

最初に出会った一つの商品だけで安易に契約を決めてはいけません。必ず複数の販売会社から複数の商品の提案を受け、客観的な視点で比較検討することが重要です。

比較する際には、以下のポイントに注目しましょう。

比較検討すべき主要項目

  • 投資利回り(IRR):表面的な利回りだけでなく、税効果や手数料をすべて考慮した内部収益率(IRR)で比較します。
  • レバレッジ比率:出資金に対する借入金の割合です。レバレッジが高いほどハイリスク・ハイリターンになります。
  • 手数料体系:組成手数料やアセットマネジメントフィーなど、どのような手数料が、いつ、いくら発生するのかを詳細に確認します。
  • 為替ヘッジ:ドル建て案件の場合、為替ヘッジの有無、ヘッジ率、ヘッジコストは収益を大きく左右する重要な要素です。
  • シミュレーションの前提条件:各社が提示するシミュレーションの「想定為替レート」や「中古資産の鑑定評価額」の前提が、保守的なのか楽観的なのかを比較します。この前提条件の違いが、最終的なリターンの差となって現れます。

これらのポイントを総合的に評価し、自社のリスク許容度と事業計画に最も適した商品を見極めることが、オペレーティングリース節税を成功に導くための最後の鍵となります。

オペレーティングリース節税を始めるまでの流れ

オペレーティングリースを活用した節税は、専門的な知識を要するため、自己判断で進めるのは困難です。信頼できるパートナーである販売会社を見つけ、二人三脚で進めていくことが成功の鍵となります。ここでは、実際にオペレーティングリース節税を始めるまでの具体的な4つのステップを、注意点と合わせて詳しく解説します。

STEP1 販売会社への問い合わせと相談

最初のステップは、オペレーティングリース商品を取り扱う販売会社に問い合わせることです。販売会社には、証券会社や銀行、リース専門会社などがあります。重要なのは、複数の会社に声をかけ、比較検討することです。

問い合わせや初回相談の際には、以下の情報を準備しておくと、話がスムーズに進みます。

  • 会社の基本情報(業種、設立年数など)
  • 今期の利益見込み額と、圧縮したい利益の概算額
  • 過去の決算書(2〜3期分)
  • 自社の事業計画と将来のキャッシュフロー見込み
  • リスクに対する許容度

この段階で、販売会社の実績や取り扱い商品の種類、サポート体制などを確認しましょう。また、顧問税理士がいる場合は、この段階から相談し、連携して進めることが税務上のリスクを低減させるために不可欠です。

STEP2 商品説明とシミュレーションの確認

次に、販売会社から具体的な商品説明を受け、投資シミュレーションを確認します。このステップは、商品の優劣やリスクを判断する上で最も重要なプロセスです。説明を受ける際は、必ず以下のポイントを詳細に確認してください。

提示されるシミュレーションは、あくまで過去のデータや想定に基づく予測値であり、将来の成果を保証するものではないという点を肝に銘じておきましょう。為替や中古市況が変動した場合の楽観・標準・悲観シナリオなど、複数のパターンのシミュレーションを提示してもらい、リスクの振れ幅を具体的に把握することが重要です。

オペレーティングリース商品 確認事項チェックリスト
カテゴリ 主な確認事項 チェックポイント
リース資産 資産の種類(航空機、船舶、コンテナ等) 得意な資産、市況が安定している資産か
契約内容 リース期間と出資単位 自社の事業計画や資金計画と合致しているか
為替(通貨) 契約通貨(米ドル建てが多い)、為替ヘッジの有無とその内容
関連当事者 レッシー(借手)の信用力 大手航空会社や海運会社か、格付けはどの程度か
組成会社・販売会社の実績 過去の取り扱い実績、満了案件の償還実績はどうか
費用 手数料の内訳 組成費用、管理報酬、成功報酬など、すべてのコストを把握する
リスク 元本割れリスクの要因 為替、市況、カントリーリスクなど、具体的なリスク要因の説明を求める

STEP3 契約手続きと出資金の払い込み

複数の商品を比較検討し、自社に最適な商品が見つかったら、契約手続きに進みます。契約に際しては、販売会社から「匿名組合契約書」や「契約締結前交付書面」「重要事項説明書」といった書類が交付されます。

これらの契約書類は非常に重要であり、不明な点や疑問点がなくなるまで、隅々まで読み込む必要があります。特に、手数料の体系、中途解約に関する条項、リスクに関する記述は入念に確認してください。必要であれば、弁護士や顧問税理士に契約書のリーガルチェックを依頼することも有効な手段です。

すべての内容に納得できたら、申込書や契約書に署名・捺印し、指定された期日までに、指定の金融機関口座へ出資金を払い込みます。法人の場合は、履歴事項全部証明書や印鑑証明書などの提出が求められますので、事前に準備しておきましょう。

STEP4 運用開始と確定申告での損金処理

出資金の払い込みが完了すると、いよいよオペレーティングリースの運用が開始されます。運用期間中は、販売会社から定期的に(通常は年に1〜2回)事業報告書や財産管理報告書が送付されてきます。これらのレポートで、リース料が問題なく支払われているか、資産価値に大きな変動がないかなどを確認します。

そして、決算期を迎えたら、確定申告で税務処理を行います。この会計処理と税務申告こそが、節税を実現するための最終ステップです。

販売会社から送付される「匿名組合の決算報告書」や関連書類に基づき、初年度に大きな損金を計上します。この際、必ず顧問税理士と連携し、適切な会計処理と申告を行ってください。税務調査で指摘を受けないためにも、匿名組合契約書や送金記録、事業報告書といった一連の証憑書類は、厳重に保管しておく必要があります。

匿名組合契約における損益の帰属や課税関係については、国税庁のウェブサイトでも解説されています。専門家と相談する際の参考情報として、一度目を通しておくと良いでしょう。
参考:国税庁 タックスアンサー No.6156 匿名組合契約に係る利益の分配の課税関係

以上が、オペレーティングリース節税を始めるまでの大まかな流れです。各ステップで慎重な判断を重ねることが、将来の成功につながります。

まとめ

オペレーティングリースは、減価償却の仕組みを活用して初年度に大きな損金を計上できるため、突発的な利益が出た際の有効な節税(利益の繰延)対策として経営者に人気です。しかし、これはあくまで利益を将来に繰り延べる手法であり、為替変動や中古市況による元本割れリスクも存在します。失敗を避けるためには、信頼できる販売会社を選び、自社の事業計画に合った商品を慎重に検討することが成功の鍵となります。

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税理士 山本聡一郎
山本聡一郎税理士事務所 代表税理士。1982年7月生まれ。名古屋市中区錦(伏見駅から徒歩3分)にてMBA経営学修士の知識を活かして、創業支援に特化した税理士事務所を運営。クラウド会計 Freeeに特化し、税務以外にも資金調達、小規模事業化持続化補助金などの補助金支援に力を入れている。
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