
「農業を副業に?」「農地も経験もないし、無理でしょ…」 そんな風に思っていませんか?
かつての農業は参入ハードルが高い世界でしたが、時代は変わり、新しい農業がサラリーマンや個人事業主の現実的な副業の選択肢として注目されています。
週末だけ自然に触れ、育てた野菜や果物が収入になる「農ある暮らし」。
これは単なる趣味にとどまらず、新しい収入源や資産形成にもつながるかもしれません。
この記事では、副業としての新しい農業の可能性を深掘りし、フルタイムで働きながらでも実践できる方法、収入を得るための具体的なルート、そして税務上のポイントまで、税理士の視点も交えながら徹底解説します。
このページの目次
1・農業は「食」を支える不滅のビジネス!

かつて農業は「儲からない・きつい・不安定」といったイメージが強く、後継者不足も深刻な課題となってきました。
実際、天候に左右されやすく、収穫や価格が安定しないことも多かったためです。
しかし農業は、人の暮らしに不可欠な「食」を支える産業であり、なくなることのない仕事です。近年は無農薬や有機栽培など付加価値を求める声が高まり、工夫次第で十分にビジネスとして成り立つ分野へと変わりつつあります。
2・なぜ今、副業としての農業が注目されるのか?

「農業は農家だけのものではない」――これが現代の新しい常識です。
従来の農業のイメージを覆す、柔軟な農業の形が広がっています。
① 農地所有がなくてもできる!手軽な「借りる」農業
以前は農地を所有することが前提でしたが、今は以下のような方法で手軽に農業を始められます。
市民農園・区画貸し農園
自治体やNPO法人が運営する農園で、年間契約で小さな区画を借りて農作業ができます。手ぶらで始められるよう、農具貸し出しや指導が受けられる場所も多いです。
レンタルファーム・シェアリング農業
より本格的な機械や設備、広さが必要な場合でも、短期間・低コストで借りられるサービスが増えています。複数人でシェアする形もあります。
ベランダ菜園・屋上菜園
都市部でも、プランターや水耕栽培キットを利用すれば、自宅のベランダや屋上スペースで野菜を育てることが可能です。
農業体験・研修プログラム
短期的な農業体験や、本格的な研修を通じて、まずは経験を積むこともできます。
② 昔と違う!「販売ルートの多様化」が副業を後押し
かつては農協への出荷がメインでしたが、現在は多様な販売ルートが開拓されています。
直売所・道の駅
地域の直売所や道の駅に直接持ち込むことで、新鮮な野菜を販売できます。
ECサイト・オンラインストア
自らオンラインショップを開設したり、既存の農業特化型ECサイトに出品したりして、全国の顧客に直接販売できます。
マルシェ・ファーマーズマーケット
都市部で開催されるマルシェに出店し、消費者の反応を直接感じながら販売できます。
サブスクリプション販売
定期購入システムを導入し、顧客に旬の野菜を定期的に届けるモデルも人気です。
レストラン・飲食店への直接契約
品質やこだわりをアピールし、地域のレストランやカフェに直接食材を卸すことも可能です。
SNSを活用した販路拡大
InstagramやFacebookで栽培状況やこだわりを発信し、ファンを獲得して直接販売に繋げる事例も増えています。
これらの新しい販路は、消費者と直接つながり、自身の価値を価格に反映させやすい環境を作り出しています。
3・フルタイムでも実現可能?副業農業のリアル

「フルタイムのサラリーマンでも、本当に農業なんてできるの?」という疑問は当然です。
しかし、やり方次第で十分に両立は可能です。
① 週末と隙間時間を活用する
週末集中型
平日は本業に専念し、土日祝日などの週末に集中的に農作業を行うスタイルです。市民農園やレンタルファームは、このスタイルに最適です。
早朝・夜間、隙間時間活用型
自宅のベランダ菜園や、通勤途中にある小型農園などで、短時間ずつ作業を進めることも可能です。水やりや簡単な手入れは、日常の隙間時間でも行えます。
作業の外部委託・自動化
一部の重労働や管理作業を、地域の農家やサービスに委託したり、水やりや温度管理を自動化するIoT機器を導入したりすることで、自身の負担を減らすことも検討できます。
② 「無理なく、小さく始める」が成功の鍵
最初から大規模な農業を目指すのではなく、まずは手軽な市民農園やベランダ菜園から始めるのがおすすめです。
育てやすい作物から
初心者向けの育てやすい野菜(ミニトマト、キュウリ、葉物野菜など)から始め、徐々に種類を増やしていきましょう。
ランチェスター戦略の視点
作物を育てるのにはある程度の知識も欠かせません。
多くの品目を育てるのではなく、特定の作物や栽培方法に特化することも有効です。
例えば、無農薬野菜専門、特定品種のトマト専門、ハーブ専門など、「狭く深く」取り組むことで、少ない労力で差別化を図り、高い利益率を目指せます。
例: 都会の屋上を活用した「マイクロハーブ」専門栽培、高単価な「特定の希少野菜」のみを少量多品目で栽培・直販する農園など。
4・税理士が解説!副業農業で知っておくべきお金の話

副業で農業を始める際に避けて通れないのがお金の話です。
得た収入は適切に申告し、使える経費は漏れなく計上することが重要です。
① サラリーマンは育てた野菜を売っても大丈夫?
勤務する会社が副業を許可している場合は問題ありません。
もちろん、本業に支障が出ない範囲で活動することが大前提です。
もし、会社の許可が必要な場合は、必ず手続きを行いましょう。
育てた野菜を全て家庭で消費したり、近所の方におすそ分けしたりする程度であれば、副業には該当しません。
副業かどうかの判断基準としては、下記の2点です。
営利性: 利益を得る目的で活動しているか
継続性: 繰り返し、継続的に活動しているか
② 所得区分の判断
農業による所得は、その規模や継続性によって「事業所得」または「雑所得」に区分されます。
雑所得
副業として小規模かつ一時的に行う場合。年間所得が20万円を超えると確定申告が必要です。
事業所得
継続的・反復的に行い、独立した事業と認められる規模の場合。
青色申告を選択すれば、様々な税制優遇(特別控除、赤字の繰り越しなど)を受けられます。
どちらの所得に該当するかは、売上規模、投入時間、営利性、社会的な地位など、総合的に判断されます。
判断に迷う場合は、税理士に相談しましょう。
③ 経費として認められるもの
農業で得た収入から、以下のような費用を経費として差し引くことができます。
農地利用料: 市民農園やレンタルファームの利用料。
種苗費・肥料費: 種、苗、肥料、土などの購入費用。
農具費: スコップ、クワ、ジョウロなどの農具の購入費用(高額な場合は減価償却)。
水道光熱費: 農業用水やビニールハウスの暖房などにかかる費用(自宅利用との按分が必要な場合あり)。
交通費: 農園への移動にかかる費用。
通信費: 販促用のSNS運用やECサイト管理にかかる通信費用。
包装・資材費: 収穫物の包装材や販売用の資材費。
外部委託費: 農作業の一部を外部に委託した場合の費用。
これらを適切に記帳し、確定申告で申告することで、税負担を軽減できます。
④ 補助金・助成金の活用も検討
近年では食料自給率の問題や、高齢化による農業従事者の減少を背景に、国は若者や新規参入者を積極的に支援しています。
そのため、新規就農者や環境保全型農業など、様々な目的で補助金や助成金が用意されています。
国や自治体の制度
「新規就農者育成総合対策」や各自治体の「市民農園」「農業振興補助金」などがあります。
●参照
相談窓口
各地域の農業振興センターやJA、自治体の農政担当部署などで情報提供や相談を受け付けています。
ただし、補助金・助成金にはそれぞれに厳しい要件や申請期間があるため、事前にしっかりと確認し、税理士とも連携して計画を立てることが重要です。
5・まとめ:新しい農業で、豊かな週末と未来を拓く

これからの時代、農業を始めるにあたり「農地所有が必須」「経験がないと無理」といった従来のイメージに縛られる必要はありません。
市民農園やレンタルファーム、多様な販売ルート、そしてITツールの活用など、「新しい農業」の形は、フルタイムで働くサラリーマンでも十分に参入可能なものへと進化しています。
もし、あなたが「新しいことにチャレンジしたい」「週末の時間を有効活用したい」「食に関わる事業に興味がある」とお考えなら、副業としての農業は、まさにぴったりの選択肢かもしれません。
