まだ間に合う!個人事業主がすべきインボイス対策とは

 

 2023年10月1日からインボイス制度がいよいよ始まります。

 この制度により、消費税の仕入税額控除をするためには、インボイスの発行を受けなくてはならなくなります。

 個人事業主の中には売上が少なく、免税業者を選択している方も多いのではないでしょうか。

 しかし、免税業者にもデメリットはもちろんあります。どのような影響があり、どのような対応が必要か確認しておきましょう。

なお、YouTubeにても説明しておりますので、ご参照ください。

インボイス制度がいよいよ始まる

 インボイス制度が始まると、仕入れを行った買い手は、売り手からインボイスの発行を受けない限り、これまでのような消費税法上の仕入税額控除ができなくなります。

 仕入税額控除ができないと、売り手が納税するはずの消費税まで納税しなくてはならなくなり、その分利益が減少してしまいます。

 一方、売り手がインボイスを発行するには、課税事業者として適格請求書発行事業者の登録をしなくてはなりません。

 そのため、現在、免税事業者を選択して消費税を納税していない個人事業主が、インボイスを発行したい場合には、課税事業者になって、自らの仕入れ分について消費税を納税するとともに、適格請求書発行事業者の登録を行うことが必要です。

 現在、課税事業者として消費税の納税をしている個人事業主も、インボイス発行をするには適格請求書発行事業者になるための事前登録が必要です。

適格請求書発行事業者になるかの検討

 インボイス制度が始まると、適格請求書発行事業者以外から仕入れると、買い手は消費税の納税額が増え、その分利益が減ります。

 そのため、免税事業者や適格請求書発行事業者の登録を受けていない事業者からの仕入れを取りやめ、仕入先を変更されてしまうおそれがあります。

 また、負担が増える消費税の分、値引きを求められるかもしれません。値引きであればまだしも、取引先を失うのはかなりの痛手です。

 もっとも、買い手が一般消費者であれば、仕入税額控除ができるかは影響しません。

 そのため、個人事業主が適格請求書発行事業者になるかの選択は、販売先や売上額、納税の手間などを踏まえて、よく検討する必要があります。

 また、インボイスを発行するには適格請求書発行事業者の登録だけでなく、必要な項目を掲載したインボイスを発行するための仕組みづくりも必要です。

 電子インボイスの発行に対応するためのシステムやソフトの導入などを行う場合、設備投資もかかるので、コスト負担も考えて検討しましょう。

適格請求書発行事業者になるには

 インボイスを発行するには、納税地の税務署長に登録申請書を提出して審査を受け、登録を受けなくてはなりません。

 登録申請書は、e-Taxでも提出でき、個人事業者ならスマートフォンでも手続きできます。

 登録にあたっては、マイナンバーカードなどの電子証明書と利用者識別番号などが必要です。

 登録が認められると、登録番号などが記載された登録通知書が送付されます。

 インボイスには登録番号をはじめ、適用税率と消費税額などの必要事項を記載しなくてはなりません。

 現在、課税事業者として区分記載請求書を発行している場合も、登録番号など追記事項が必要となります。

 専用のフォーマットを用意することや電子発行できるシステムの導入などの検討も必要です。

個人事業主が買い手となる場合

 個人事業主が仕入れを行い、仕入業者が納税している分の消費税額を控除し、自分が負担する分だけを納税するためには、仕入先からインボイスの発行を受けなくてはなりません。

 そのうえで、インボイスの保存をし、仕入税額控除の申請を行う必要があります。

 仕入先が免税事業者である場合や適格請求書発行事業者ではない場合には、仕入税額控除が受けられなくなるのです。

 もっとも、ご自身も免税事業者で、売上が1,000万円に満たない事業を続けていくのであれば、納税は免税されるので、大きな影響はありません。

 売上が1,000万円以上で、インボイス制度の開始に伴い、納税額が増えることが負担になる場合には、仕入先を適格請求書発行事業者に変更するなどの検討も必要です。

インボイス制度が始まる前にシステムづくりが必要

 個人事業主の中には、免税事業者の選択をしている方が少なくありません。

 インボイス制度が導入されると、免税事業者から仕入れた事業者は仕入税額控除ができなくなり、消費税を仕入額の分まで払わなくてはいけなくなります。

 その分、利益が減るので、免税事業者からの仕入れをやめるおそれがあります。

 事業者とスムーズに取引をしていくためには、課税事業者になり、適格請求書発行事業者になるための登録をすることも検討しましょう。

 インボイスを発行するには事前の登録と、システムづくりが必要です。

 個人事業主が買い手として仕入税額控除を受けたい場合は、取引相手からインボイスの発行を受け、保存することが求められます。

 免税事業者などインボイスを発行できない事業者から仕入れた場合には、消費税分を仕入先分も含めて納税しなくてはならなくなります。

 その分、利益が減るので取引先の見直しの検討も必要です。

インボイス制度が始まる前に税理士にご相談ください

 正直、個人事業主がCMで行っているインボイス対応や電子帳簿保存法のシステムをを導入した場合、かなりな負担となります。

 このタイミングだからこそ、経理・税務業務を税理士にアウトソーシングを検討してみてはいかがでしょうか?

 山本聡一郎税理士事務所では、クラウド会計を用いて電子帳簿保存法やインボイス制度の導入に向けて、新たなシステムを導入しております。

 正直、自社でインボイスを対応するには負担が大きすぎると多くの方からご相談を受けておりますので、お気軽にお問合せください。

You Tube「【創業支援】税理士の山さん」にて最新の税務・経営の情報発信

山本聡一郎税理士事務所では、ホームページにおけるコラムによる情報発信のみならず、2023年10月よりYou Tubeチャンネル【創業支援】税理士の山さんをスタートしております。

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税理士 山本聡一郎
山本聡一郎税理士事務所 代表税理士。1982年7月生まれ。名古屋市中区錦(伏見駅から徒歩3分)にてMBA経営学修士の知識を活かして、創業支援に特化した税理士事務所を運営。クラウド会計 Freeeに特化し、税務以外にも資金調達、小規模事業化持続化補助金などの補助金支援に力を入れている。
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