確定申告でよくあるミス!?通帳の残高が合わない理由

確定申告でよくあるミス金融機関の通帳残高が合わない理由

2022年の確定申告の期限は3月15日。皆様は確定申告はすでに完了いたしましたでしょうか?弊所では、今回も多くのご依頼をいただきましたが、残り3日を残して、確定申告の業務が完了いたしました。

 さて、今回も今まで自分で確定申告をしていたけれども、売上が想定以上に上がってきた、これからインボイス制度が始まるからと2022年度の確定申告のご依頼をいただきました。

 しかし、蓋を開けてみると、見た瞬間に今までの確定申告は絶対に間違えているだろうなと思う瞬間があります。今回は、2022年の確定申告の依頼により実際にあった確定申告におけるミスをお伝えします。

なお、今年から確定申告にチャレンジしていこうと思っている方は弊所が運営しているYou Tubeチャンネルにて、確定申告の基本について動画をまとめておりますのでご参照いただけると幸いです。



確定申告の多くミス!?銀行通帳の残高が合っていない

 確定申告の依頼を受けると会計事務所がまず行うことは、前期の確定申告書を確認し、仕訳を入力するために期首の残高を会計ソフトへの反映することから始まります。

 本来は、確定申告に添付する貸借対照表に表記されている銀行残高は実際の通帳の残高と一致するはずなのですが、まさかの残高がマイナス。このミス、今まで自分でやられていた方から契約いただいた場合、3人に2人という多くの確率で起きているミスです。



通帳の残高が合わない理由は単純な入力ミス

 原則、通帳の残高がマイナスということは特別な契約がない限りはあり得ません。では、なぜ間違えているのか?理由は単純です。入力ミスです。

 基本は、通帳の残高と会計ソフトの入力の結果を照らし合わせながら作業を進めていきます。私たちも銀行の残高を確認しながら作業を進めていきますが、残高が合わないミスはよくある話です。

 合わなければ、通帳を遡り間違えたところを直すだけで大丈夫です。ただ、闇雲に間違え探しするのは時間の無駄になります。

 ・まずは何月まで合っているかチェック

 ・残高がずれている月がわかったら何日まで合っているかチェック

 ・間違っている日にちがわかったらどの取引が間違っているか特定

の順でズレを特定すれば、ミスを探すことができます。



インターネットバンキングとクラウド会計を連携しても残高がずれることも

 今、多くの金融機関でインターネットバンキングサービスが導入されています。また、クラウド会計とインターネットバンキングと連携することで銀行取引を取り込むことができます。

クラウド会計に興味がある方はこちらの記事がおすすめです。

 クラウド会計を導入することにより銀行口座を連携することにより、仕訳入力が大幅に時間短縮することができるのですが、残念ながら、だから残高が合うということはありません。

 インターバンキングはセキュリティー面の観点から定期的にパスワードの変更や連携の更新などがあります。その作業を定期的に行えば問題はないのですが、自動経理に満足していつの間にか連携が外れていたということはよくある話です。

 また、3ヶ月以上など一定期間を過ぎてしまうとインターネットバンキングからデータを取り出すことができなくなることもあります。

 ですので、インターネットバンキングと会計ソフトと連携したから安心と思わずに定期的にメンテナンスをするようにしましょう。それでもインターネットバンキングはとても便利なので導入を検討するのも良いでしょう。

 また、銀行と銀行との口座振替時においても注意が必要です。例えば、A銀行からB銀行に100万円の口座振替をしたとします。

 A銀行での取引 B銀行/A銀行 100万円

 B銀行での取引 B銀行/A銀行 100万円

 お分かりのように、それぞれの銀行で同じ取引が生じていることがわかります。A銀行側だけの取引を行えば問題がないのですが、B銀行側の取引も反映してしまうと、同じ取引が二重に反映されることになってしまいます。

 これらの単純な取引により残高がずれてしまうこととなりますので、必ず残高が合っているかチェックするようにしましょう。



確定申告書は個人事業主のステータスを表す証明

 銀行残高が合っていないことは確定申告が合っていないことを指します。間違ってても税務署が何も指摘がなければ問題ないのでは?と思うかもしれません。

 残高が間違ってしまい、残高が本来以上に残っている場合、売上が少ないのに残高が多いのはなぜだろう?もしかして売上以外に他に所得があるのではと税務署から目を付けられてしまうかもしれません。いらないところで余計な疑いを持たれないようにしましょう。

 また、確定申告書は税金の申告のみならず、家を買う時に多くの方が必要とする住宅ローンの審査や事業において融資を組むときなど、結構、重要な場面で使うことがあります。

 では、銀行の残高がマイナスになっている確定申告書を融資担当者が見たらどう思うでしょうか?銀行の残高が間違っている、本当にこの確定申告書は合っているのか?本当に融資をしても大丈夫なのか?といらないところで疑問点を持たせてしまうかもしれません。

 銀行口座を合わせることは初歩中の初歩です。残高が間違っていることで大きく信用を失ってしまうかもしれませんので、たかが残高ですが、されど残高です。必ずチェックしましょう。



適正な確定申告を作成したいなら税理士にご相談を

 今回は銀行の残高のズレのミスを焦点に当ててお伝えしました。銀行残高のズレのみならず、売掛金がマイナス・買掛金がマイナスなど、通常ではあり得ない残高が記載されている確定申告書を拝見します。

 クラウド会計の導入や市販の会計ソフトへの導入のハードルが下がったことにより、確定申告書の作成が身近なものになりました。

 しかし、確定申告書ができることと正確に作成できるかは話は別です。確定申告書を作成する上でも最低限の知識が必要です。最低限のスキルの話はこちらがおすすめです。

経理に苦手意識があっても大丈夫。簿記3級で身につく実践的な知識が、個人事業主や中小企業の経営者に役立つ3つの理由

 適正な確定申告書を作成するためには最低限の知識が必要なわけですが、最低限の知識をつけるためにもそれなりの時間が必要です。

 その時間を要するのであれば、確定申告書を税理士にアウトソーシングし、その時間を営業時間に割いてみてはいかがでしょうか?

 山本聡一郎税理士事務所では、無料相談を実施しております。確定申告書を適正に作成していきたいとお考えの方はお気軽にご相談ください。



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税理士 山本聡一郎
山本聡一郎税理士事務所 代表税理士。1982年7月生まれ。名古屋市中区錦(伏見駅から徒歩3分)にてMBA経営学修士の知識を活かして、創業支援に特化した税理士事務所を運営。クラウド会計 Freeeに特化し、税務以外にも資金調達、小規模事業化持続化補助金などの補助金支援に力を入れている。
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