決算書の資産の側に「役員貸付金」や「短期貸付金」が残っていませんか。これは会社が社長個人に貸しているお金です。私的な支払いを会社のカードで切った、仮払いの精算が漏れた——そんな積み重ねで自然に膨らみます。社長が会社に貸す“役員借入金”の逆ですが、実はこちらの方が厄介です。
理由は3つ。まず認定利息。会社が社長に貸すなら適正な利息を取る必要があり、無利息だと差額が役員給与とみなされ、源泉徴収や損金不算入のリスクが生じます。利率は貸付けを行った年で決まり、令和4〜7年の0.9%から、令和8年は1.3%へ上がりました。次に銀行評価。役員貸付金は「会社のお金を社長が抜いている」と見られ、実質的に資産から差し引いて査定されるため、融資が遠のきます。そして解消の難しさ。社長個人のお金で返すしかなく、放置すれば認定利息が乗って雪だるま式に膨らみます。
解消の方向は、役員報酬を上げて返済する、役員借入金と相殺する、退職金や個人資産で精算する、の3つ。どれが適切かは会社の数字次第です。名古屋創業税理士では、BSとPLを一緒に見ながら、無理のない解消プランをご提案します。役員貸付金が気になる方は、お早めにご相談ください。
(補足)※本コラムは一般的な情報提供です。社会保険の手続きは社会保険労務士の業務領域となります。
山本 聡一郎(やまもと そういちろう)
山本聡一郎税理士事務所 代表税理士/MBA(経営学修士)
税理士登録番号:第141212号
所属:名古屋税理士会 名古屋中支部
学位:MBA(名古屋商科大学大学院)
認定経営革新等支援機関
1982年生まれ。名古屋市中区錦(地下鉄伏見駅徒歩3分)にて、創業支援・融資支援・経営相談に強い税理士事務所を運営。
名古屋商科大学大学院でMBA(経営学修士)を取得。税務・会計の専門知識に加え、経営戦略や財務分析の視点から、中小企業の経営をサポートしている。
特に、会社設立や創業融資、資金繰り改善、節税対策を得意とし、創業予定者から事業拡大を目指す経営者まで幅広く支援。近年は、事業承継や非上場株式の評価にも力を入れている。
また、クラウド会計ソフト「freee」の導入・活用支援にも注力し、ITや生成AIを活用した経理業務の効率化を推進している。
自身も事務所を経営する立場として、税金の相談だけでなく、経営者が抱える資金繰りや将来の事業展開についても一緒に考えることを大切にしている。
「税務のことはもちろん、経営のことも気軽に相談できる税理士」を目指し、日々、中小企業経営者に寄り添った支援を行っている。
