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はじめに:なぜ、今、節税が必要なのか
子育て中の女性で、時間や場所の自由がきく 自営業やフリーランスという働き方を選ぶ人が増えています。
自分の力で稼げることは大きなメリットです。
一方で、自由である反面、収入が安定しないリスクや会社員のような手厚い保障がないことは、これらの働き方のデメリットでもあります。
また、自営業やフリーランス・経営者を続ける上で、税金や社会保険に関する知識は欠かせません。
特にシングルマザー(ひとり親)は一馬力で子育ての全責任を負うため、これらの負担を減らすことは家計の負担を減らすことに直結します。
そもそも、ひとり親家庭には「ひとり親控除」という税制上の優遇措置があります。
これは、納税者自身がひとり親である場合に所得税・住民税の負担を軽減するためのものです。この基礎的な知識に加え、本コラムで解説する経費や貯蓄による節税を組み合わせることで、手取りを最大限に守ることができます。
節税の知識は、単に税負担を減らすだけでなく、公的な支援やサービスの利用条件を確保するために極めて重要です。
1. 知っておきたい!所得が減ると得られるメリット
シングルマザーにとって、所得を適切に抑えることには、税金が減る以外にも、生活を支えるための重要なメリットがあります。
税負担が減る
納めるべき所得税や住民税が減り、手元に残る現金が増えます。
ひとり親手当の確保
児童扶養手当(ひとり親手当)の支給額は、受給者や扶養義務者の所得額によって決まります。所得が増えすぎると、手当が全額停止になります。
保育料の軽減
保育園の利用料(保育料)は、世帯の市町村民税所得割額に基づいて決定されます。所得を抑えることで、保育料が軽減され、実質的な支出を抑えられます。
就学援助の対象
就学援助制度(学用品費や給食費の援助)も所得制限があります。上手に所得を減らせば、子どもの教育費の支援を受ける可能性を残せます。
養育費・婚姻費への影響
裁判所が算定する養育費や婚姻費用の額は、両親それぞれの所得額に基づいて決定されます。ご自身の所得を適切に管理しておくことが、これらの算定にも影響します。
その他、公的支援の確保
高等学校等就学支援金や、自治体独自の医療費助成など、多くの公的支援や補助金には所得制限が設けられています。
2. シングルマザー経営者・自営業者が使える具体的な節税対策
① 事業経費として認められるものを最大限計上する
家賃・光熱費の「家事按分」
自宅の一部を事務所として使用している場合、家賃、電気代、インターネット代などを**事業に使用している割合(按分割合)に応じて経費として計上できます。
通信費・車両費
プライベートと兼用していても、業務に使用している部分があれば経費計上が可能です。使用実績を記録しておくことが重要です。
少額減価償却資産
30万円未満のパソコンや業務用の機材などは、全額を一括で経費にできます(青色申告者のみの特例あり)。
旅費規定の設定(法人経営者限定)
法人の場合、出張の際に支給する「日当」は、適切な金額であれば所得税の課税対象外になります。
日当は社長個人の手取りを非課税で増やすと同時に、法人側は全額経費として計上できる、非常に強力な一石二鳥の節税策です。
②「貯蓄を節税に繋げる」私的年金制度の活用
小規模企業共済
フリーランスや中小企業経営者のための「退職金制度」です。掛け金全額が所得から控除されるため、高い節税効果があります。将来の老後資金や子どもの教育資金にも使えます。
iDeCo(個人型確定拠出年金)
掛け金全額が所得控除となり、運用益も非課税になります。老後資金を積み立てながら、今すぐ節税したい方に最適です。
国民年金基金
国民年金に上乗せして将来の年金を増やせる制度です。これも掛け金全額が所得控除の対象です。
③【法人経営者向け】役員報酬と社会保険料の最適化
会社を経営している場合、役員報酬の調整は節税と社会保険料削減に直結します。
役員報酬の適正化
会社に利益が残っていても、あえて役員報酬を低く設定することで、社長個人が支払う社会保険料(健康保険・厚生年金)の負担を大幅に減らすことができます。
社会保険料と手当のバランス
役員報酬を下げると、公的支援(児童扶養手当など)の所得制限にかかりにくくなるため、税理士と相談しながら最適なラインを見極めることが重要です。
会社への貸付金との相殺
会社に個人のお金を貸し付けている(役員借入金がある)場合や、資金繰りの都合で未払いになっている役員報酬があれば、それらを活用して役員報酬を一時的に抑えるなどの柔軟な対応も可能です。
まとめ:節税は賢く、そして計画的に
シングルマザーの皆様にとって、節税の知識は生活と事業を安定させるための強力な武器です。
特に公的支援の所得制限ラインを意識した「所得のコントロール」は、一馬力の家計にとって必須の戦略です。
特にお子さんがまだ小さく、働く時間に制限がかかっている、売上が安定しない時こそ、賢い節税で乗り切っていきましょう。
ご自身のビジネスモデル、収入状況、受けたい支援を総合的に判断し、最適な節税対策を講じるためには、専門的な知識が不可欠です。
「自身の所得額が公的支援の制限にどう影響するのか」「複数の節税策をどう組み合わせるか」といった複雑な疑問は、ぜひ専門家である税理士にご相談ください。
- ふるさと納税の仕組みを正しく理解して、おいしく上手に節税しよう
