決算書の資産の側に「役員貸付金」や「短期貸付金」が残っていませんか。これは会社が社長個人に貸しているお金です。私的な支払いを会社のカードで切った、仮払いの精算が漏れた——そんな積み重ねで自然に膨らみます。社長が会社に貸す“役員借入金”の逆ですが、実はこちらの方が厄介です。
理由は3つ。まず認定利息。会社が社長に貸すなら適正な利息を取る必要があり、無利息だと差額が役員給与とみなされ、源泉徴収や損金不算入のリスクが生じます。利率は貸付けを行った年で決まり、令和4〜7年の0.9%から、令和8年は1.3%へ上がりました。次に銀行評価。役員貸付金は「会社のお金を社長が抜いている」と見られ、実質的に資産から差し引いて査定されるため、融資が遠のきます。そして解消の難しさ。社長個人のお金で返すしかなく、放置すれば認定利息が乗って雪だるま式に膨らみます。
解消の方向は、役員報酬を上げて返済する、役員借入金と相殺する、退職金や個人資産で精算する、の3つ。どれが適切かは会社の数字次第です。名古屋創業税理士では、BSとPLを一緒に見ながら、無理のない解消プランをご提案します。役員貸付金が気になる方は、お早めにご相談ください。
(補足)※本コラムは一般的な情報提供です。社会保険の手続きは社会保険労務士の業務領域となります。
山本聡一郎税理士事務所 代表税理士。1982年7月生まれ。名古屋市中区錦(伏見駅から徒歩3分)にてMBA経営学修士の知識を活かして、創業支援に特化した税理士事務所を運営。クラウド会計 Freeeに特化し、税務以外にも資金調達、小規模事業化持続化補助金などの補助金支援に力を入れている。
