「請求書の支払いが間に合わない…!」
「急な出費で手元の現金が足りない…!」
経営者にとって、資金繰りの悩みは避けて通れない課題です。
特に、キャッシュフローに余裕がない中小企業や個人事業主にとって、支払いの猶予や売掛金の早期現金化は、事業を継続する上で非常に重要です。
最近注目されている「請求書カード払い」は、手軽な資金繰り改善策として話題になっています。一方で、以前から利用されている「ファクタリング」という選択肢もあります。
「この二つのサービス、一体何が違うの?」
「どちらが自分の会社に合っているんだろう?」
この記事では、請求書カード払いとファクタリングの仕組みから、それぞれのメリット・デメリット、そしてあなたの会社の状況に合わせてどちらを選ぶべきか、税理士の視点から比較・解説します。
このページの目次
1・請求書カード払いとは?そのメリット・デメリット
請求書カード払いとは、企業間の請求書払いをクレジットカードで代行するサービスです。
このサービスを利用することで、クレジットカードの締め日と支払い日の間、最大で60日程度の支払い猶予が生まれます。
取引先がカード決済を受け付けていない場合でも利用可能です。
もちろん、請求書カード払いのサービス利用について取引先に通知される心配もありません。
社会保険の支払いにも対応しているサービスもあり、事業の資金繰りの味方として注目されています。
メリット
手軽に資金繰りを改善
審査が比較的簡易で、オンライン上で簡単に手続きが完了することが多いため、急な資金ショートに対応できます。
支払いサイトの延長
クレジットカードの引き落とし日を後ろ倒しにすることで、実質的に支払いサイトを延長できます。
ポイント還元
クレジットカードの利用額に応じて、ポイントやマイルが貯まるため、手数料を一部相殺できる可能性があります。
借入ではない
銀行融資や借入とは異なるため、会社の負債を増やすことなく利用できます。
デメリット
手数料の発生
決済額に対して、3%~5%程度の手数料がかかります。
利用限度額の制約
クレジットカードの利用限度額を超える支払いはできません。
また、高額な請求書には対応できない場合があります。
※サービスによっては、1件の支払いに対して複数のカードを利用できるものもあります。事前に確認するようにしましょう。
2・ファクタリングとは?そのメリット・デメリット
ファクタリングとは、企業が保有する売掛債権(将来入金される予定の売上)をファクタリング会社に売却し、早期に現金化する資金調達方法です。
メリット
即時性の高さ
即日~数日という短期間で売掛金を現金化できるため、緊急性の高い資金ニーズに対応できます。
担保・保証人不要
売掛債権を売却する形なので、担保や保証人は一切不要です。
借入ではない
負債が増えることがないため、銀行融資の審査に影響しにくいとされています。
デメリット
手数料が比較的高額
ファクタリング会社や取引条件によって異なりますが、手数料は数%~十数%と、請求書カード払いに比べて高額になるケースが多いです。
取引先への通知リスク
売掛先にファクタリング利用を通知する「2社間ファクタリング」の場合、売掛先との信用関係に影響を与える可能性があります。
3・どちらを選ぶべきかの判断基準:目的とコストで徹底比較
請求書カード払いとファクタリングは、それぞれ得意とする資金繰りの目的が異なります。
自社の状況に合わせて最適な手段を選びましょう。
| 請求書カード払い | ファクタリング | |
| 主な目的 | 支払いの猶予期間を設ける | 売掛金を早期に現金化する |
| 対応スピード | 即時~数日 | 即日~数日 |
| 審査の厳しさ | 比較的簡易 | 請求書の信用性により判断 |
| コスト(手数料) | 3%~5%程度 | 数%~十数%程度 |
| 信用情報 | 影響なし | 基本的に影響なしだが、銀行融資の審査に影響を与える場合も |
| 利用シーン | 支払日を遅らせたい時 一時的な資金ショート対策 | まとまった資金が緊急で必要な時 売掛金の入金が遅れている時 |
一時的な支払いサイトの延長が目的なら
請求書カード払いがおすすめです。
手数料も比較的安く、手軽に利用できます。
まとまった資金がすぐに必要なら
ファクタリングが有効です。
請求書カード払いと比較すると手数料は高めですが、手数料が低いサービスも徐々に増えつつあります。
即効性が必要な場合に力を発揮します。
結論:あなたの会社に合った資金繰り改善策を
請求書カード払いもファクタリングも、資金繰りを改善する上で有効な手段です。
しかし、どちらが自社に最適かは、資金繰りの状況、必要な金額、コスト、将来の資金計画によって異なります。
「どの方法が自社に合っているのか?」
「手数料を含めた正確なコストはどのくらいになるのか?」
「銀行融資への影響は?」
こうした疑問は、経営判断を誤らないためにも、専門家である税理士に相談することをおすすめします。
会社の血液であるキャッシュフローを潤滑にするために、これらのサービスを上手に活用していきましょう。
